愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ドイツ統一を達成し初代帝国宰相となった、オットー・フォン・ビスマルクの言葉ですね。
実はこの格言は短く切り取られて加工されたものなんです。
ドイツ語の原文を直訳すると、以下のようになります。
「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私は、そもそも自分自身の過ちを避けるために、他人の経験から学ぶことを好みます」
一般的に知られている「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と比較すると全然違った意味に感じませんか?
「他人の経験」が「歴史」に差し替えられていますね。これは日本語に翻訳される際に差し替わったようです。
英語圏では「Fools learn from experience. I prefer to learn from the experience of others」と言われているようですので、こちらの方が原文に近い形ですね。
日本で知られているビスマルクの格言が、切り取られているものだと知ったときに、これは深いなぁと思いました。
まずは言葉そのものについて。そもそも経験から学んでいる時点で愚者じゃないよね、本当の愚者は何も学ばない人では?と思いますが、それは置いておきます。
自分の経験から学ぶと信じている=客観的視点の欠如と言い換えることができるんじゃないかと思うんですね。
客観的視点が欠如していると、いろいろと不都合なことが起きます。知人から聞いた話なんですが、投資詐欺に2回引っかかり合計300万を失った人がいるそうです。
1度目は株式投資の詐欺で、2度目は仮想通貨の詐欺だそうです。1度引っかかったら2度目は相当警戒するし、うまい話に乗っかってはいけないと考えそうなものですが、お金を取られてしまったようなんですね。客観視ができていない、していても視野が狭かったと考えられます。
詐欺に引っかかった人は1度目で「株式投資」のうまい話は詐欺である可能性があることがわかった、でも「仮想通貨」にそれが当てはまると思わなかったと言っていたそうです。
この発言は複数の問題を孕んでいるような気がしますが、掘らないでおきます。
次に深いなぁと思ったのは、受け手によって捉え方が大きく変わるなというところです。同時に興味深さも。
受け取りかたを大ざっぱに分けるとしたら、こんな感じです。
格言を知らない
格言を知ってもスルー
格言を知って怒る
格言を知って納得する
格言を知って誰の言葉か調べてみる
調べる過程で原文を知る
リアクションの違いから、その人の価値観の深いところが見えてくるなと。全部の価値観を紹介すると、とても長くなりそうなので割愛します。あと、どの価値観が良いとか悪いとかの話ではないですよ。
当然、同じリアクションを取る人とは話が合いますし、違うリアクションの人とは話が合いません。こんなに相手の価値観を知ることができる格言は、あまりないんじゃないかな。
以前に公開した「物事の捉え方の違い」にも通じるものがありますね。リアクションの違いの間に壁がありますね。あなたのまわりの人のリアクションを見て、話の内容を変えるとスムーズにコミュニケーションできるようになるかもしれません。
私のnoteがみなさんのお役に立てれば嬉しいです。
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「物事の捉え方の違い」のリンクを貼っておきますので、興味を持っていただいた人はぜひ読んでください。