拙著「ビジネス英語の鬼100則」について
新年あけましておめでとうございます!2022年10月17日に上梓した拙著、海外ビジネスの虎の巻!「ビジネス英語の鬼100則」はおかげさまで、すでに2回の増刷となりました (ちなみに本記事の写真は丸善丸の内本店で10月に撮影したものです)。
気持ちを新たに、新年から語学学習を開始される方も多いと思いますので、お役に立てるよう、この本について、対象者や内容について少し解説した後、こちらを使用した効率の良い学習法についてお話します。
対象者について
まず対象者ですが、ビジネス英語を学びたい方であれば、ビジネス英語レベル初級からご利用いただけます。グローバル企業や外資系で働いている・働きたいビジネスパーソンから、商談やパーティトークなどで英語でのやりとりが必要な経営者まで。各ビジネスシーンでこのフレーズはどういうときに使い、ビジネスにおいてどんな効果をもたらすのか、かなり丁寧に解説しています。
この本でさらっていないこと
しかし、ご注意いただきたいのが、大学受験くらいまでの英語の基礎単語と、基本的な文法の解説は入れていないため、そちらはこの本とは別途、学習していただく必要があります。本書の最後にも参考文献としてまとめてありますが、TOEIC受験用の単語・文法書はまとまっていて、またレベル感からもおすすめですし、それ以外で個別にタイトルをあげるとすると、以下の文法書で学ぶのはかなり効率がよいと思います:
・稲田一(2014)『中学・高校6年間の英語をこの一冊でざっと復習する』 KADOKAWA/中経出版
(1週間~10日で終えることも可能でしょう)
・Raymond Murphy(著)・渡辺 雅仁 (翻訳)・田島 祐規子 (翻訳) ・William R.Smalzer(執筆協力)(2011)『マーフィーのケンブリッジ英文法 初級編』 Cambridge University Press
手を動かして、じっくり学びたいという人向け…ただし時間は結構かかるので、「中学・高校6年の~」やTOEICのテキストなどでさらっとやったあとに取り組むのがおすすめ(こちらを使用する場合)。
ちなみに、上記をやったあとに中級編もあります。
こちらはご自由に。
「中学・高校6年の~」で一通り学習したあと、拙著と同じ出版社から出ている大ヒット文法書、
・時吉秀弥(2019)『英文法の鬼100則』明日香出版
でイメージを掴みながら学ぶのも良いかと思います。
内容について
次に、本書の内容について。目次を見てもらった方が分かりやすいかな、と思うので、以下に掲載します。会話やスピーチが主体の章はダウンロード音声を付けています。大サービスで、ダウンロードできる、サンプル契約書とビジネスプラン(事業計画書)も付けました!!全10章で480ページ、赤字覚悟の大ボリュームです!!どの章も各専門分野のプロフェッショナル数名にインタビューしたりレビューしてもらうなど取材を重ねて情報力多く執筆していますが、特に「第6章 ビジネスパーソン必須の会計英語」には力を入れており、会計プロフェッショナルの英語フレーズ確認はもちろん、一般のビジネスパーソンの方がさっと読んで、数字を用いた説明の流れを掴むのに適した内容となっています。
第1章 信頼を勝ち取る自己紹介
Nice to meet youを言うタイミングを知る
スムーズな自己紹介/人を紹介する
スモールトーク1:共通のトピックを探りタブーを回避する
相手がもっと話したくなる反応をする
スモールトーク2:移動中の軽い会話
スモールトーク3: 会食中に自分の意見を述べる
シチュエーション別:オンラインの場合の会話の出だし
シチュエーション別:電話の場合のかけ方と受け方
ビジネスパーティでの雑談と立ち回り
新しい人に会った後のフォローアップ
第2章 反応がもらえるライティング
メールを開いてもらえるEメールの件名は具体的に
敬辞のバリエーションを知る
内容を読んでもらえる書き出し・あいさつ
感謝の気持ちを表すメールは具体的に
お詫びのメールは今後を踏まえて
状況に応じたお願いの表現で相手を尊重しながら要望を伝える
結辞(結びの言葉)は相手との関係性に合わせて
社外とのSNSでのメッセージのやり取り
目に留まるマーケティングコピー (1)ウェブサイトのトップページ
目に留まるマーケティングコピー (2)SNS
目に留まるマーケティングコピー(3)コールドメール
第3章 心と記憶に残るプレゼン
まずあいさつとテーマを伝える
自己紹介はへりくだらない
出だしで注意を引く
数字を使ってポイントについて話す
データを示す
つなぎ言葉、転換語で流れを作る
重要な内容を強調する
例示・比較する
プレゼンを締める
質問にスムーズに答える
第4章 納得感のある価格・条件交渉
交渉の事前準備として、目標を決め相手の情報についても整理する
まずは雑談で関係を構築することから
会議の目的&すでに合意に至っている条件について触れて確認
先に相手に話してもらう—ネックとなっている要交渉部分
こちらのスタンスをサポートする理由をデータ/ストーリーと
共に伝える
譲歩できる範囲について伝える
難しいという意思を段階別に伝える
その場で決められないことを要確認とする
決定事項についてまとめて終わる
英語力に自信がなく、聞き取りに不安が残るなら的確に伝える
納期を早める交渉
予算を増やすための交渉
従業員の慰留のための交渉
成功報酬だけではなく固定報酬ももらうための交渉
第5章 商談で外せない契約書の確認
頭書と前文で契約の背景を確認
用語を定義して解釈の違いを防ぐ
売買の合意条項で取引内容を明示的に記載する
契約金額に含まれるものと支払について明確化する
商品の納入と危険負担の移転を明記する
商品の検査について明記する
売主と買主の両方の責任について
契約の解除についてあらかじめ決めておく
一般条項を入れる
第6章 ビジネスパーソン必須の会計英語
会社の業績と数字を語れるようになる
利益の種類を把握する
会社の売上の増減の理由を説明する
原価や経費の増減とその理由について説明する
資産の内訳や増減について話す
負債や資本調達の状況について説明する
3つのキャッシュフローに基づいて現金の出入りを語る
財務指標を用いて他社や年度ごとの比較について語る
他の会社と収益を比較・分析して得たことを語る
会社の税について説明する
内部統制について語る
株主目線で財務会計に関して会社に質問する
限界利益と損益分岐点を把握する
損益分岐点を下げる
外注か内製化か
投資の回収可能性を検討する
原価計算
活動基準原価計算(ABC)
第7章 やる気を引き出す部下の褒め方叱り方
英語圏における叱り方のタブーを知る
ミーティングを設けて注意する
問題が起きた理由と対処策を一緒に考えていく
よい褒め方とNGな褒め方
評価ミーティングでポジティブなフィードバックをする
評価ミーティングで建設的なフィードバックをする
昇進について伝える
第8章 スムーズなチームワーク
プロジェクト開始のミーティング
プロジェクトの背景の説明
目標設定と役割分担
オンライン会議を円滑に進めるための指示
マネージャーによる進捗確認と各自の報告
個人の問題でワン・オン・ワンミーティングを開く
チャットでの指示
意見を出し合って決める
業務上の問題に対処する−プロジェクトの遅延
プロジェクトの達成を祝う
第9章 キャリアアップとソーシャルメディア
ヘッドハンター、転職斡旋会社にコンタクトを取る
ヘッドハンターと話してキャリアの棚卸をする
求人広告を見て連絡をする
同社で働いている人に評判を聞いてみる
面接で自己PRをする:一般的な質問
面接で自己PRをする:管理職のための質問
積極性を見せる質問
会社との条件交渉
ソーシャルメディアにプロフィールを登録しておく
友人に普段からそれとなく転職希望を伝えておく
第10章 ビジネスプランの描き方
ビジネスプランを効果的に見せる
本の利用の仕方(おすすめの学習法)
興味のあるテーマはありましたでしょうか。最初から最後まで通して学習する必要は全くありません。主に想定される使い方としては、ご自身の現在の仕事に関係のあるところを必要なときに、履修してもらうやり方です。例えば、来週初めて海外とのテレカンに出るということであれば、第8章を一通り読んでおく、といった形です。ビジネス英語の学習者の方ほぼ全員にもれなくお勧めするのは、「音読」です。基本的にはこの本のキーフレーズには音声を付けておりますので、それを聞いて、そのお手本そっくりになるように、繰り返すのです。発音できる音は聞き取れる、という原則があるためリスニング力も鍛えられますし、目で見て暗記するだけではなく、実際のビジネスシーンで、適当な場面で口にできるようになるところまでが目標ですので、ぜひ口に出して練習してみてください。
英語学習に割ける時間が比較的多い方、管理職として、一通りの業務の英語は把握しておきたい方などは、本書を網羅的に履修されるのも良いでしょう。ただその場合も、必ずしも頭から…ということにこだわらず(そうでないと、第一章だけ妙に詳しくなってしまいます)、ご自身の業務や関心に照らし合わせてプライオリティを決めて、取り組まれるとよいでしょう。
どこで買える?
最後に本書のamazonリンクはこちらです。まだお手元にない方は、この機会にぜひ、amazonか、お近くの書店でお買い求めください。
以上です。
みなさんの2023年のビジネス英語学習が実り多いものになりますように!
良かったら、2022年末に開設したばかりの、ビジネス・会計英語のお役立ち記事満載のブログ
さくらリンケージアカデミー も見ていってください。