『ケーキの切れない非行少年たち』に見る頑張れない人の気持ち
こんばんは。
LGBTQライターのなつめれいなです。
「十人十色」という言葉があるように、人の性格もさまざま。中には、頑張りたくても頑張れない人もいます。
そのような人たちについて書いた本が、児童精神科医で医療少年院に勤務経験を持ち、現在は立命館大学産業社会学部教授の宮口幸治先生の『ケーキの切れない非行少年たち』です。
現在は鈴木マサカズ先生によりコミカライズされたものが3巻、新書が上記リンクも含めて2巻発売され、電子書籍と書籍・コミックをあわせて100万部以上のヒット作となりました。
今回は、本書を読んで感じたこと、頑張れない人の気持ちについてがテーマです。
私も非行少年側になっていたかもしれない
本書は新書版・コミック版とも持っていますが、読んで最初に感じたのが見出しの言葉です。
私は運良くそうならなかっただけで、一歩間違えていたらそうなっていた可能性があったかもしれないと思いました。
理解してくれる大人がいれば変われる
私のモットーは『チームに貢献している喜びが「勝ちたい」という気持ちにつながる』です。
これは、NBAのシカゴ・ブルズで6回(3連覇を2度)、ロサンゼルス・レイカーズで3連覇を含む5回、3度の3連覇を含み計11回の優勝を達成した、名ヘッドコーチでもあるフィル・ジャクソンの言葉で、彼はテックス・ウィンターが提唱したトライアングル・オフェンスを駆使して優勝に導きました。
彼は、選手の「勝ちたい」という気持ちを理解した上で、それを達成するための戦術として、このオフェンスを提唱したのです。
最初は、選手も提唱者本人も懐疑的でしたが、見事に優勝を手にしました。
これは大人同士の事例ですが、親子もしくは教師と生徒などのような大人と子供の関係でも同じく、理解を示し導くことで変わる可能性があるということです。
意欲的でなかった少年が突然……
あるトレーニングをしていたとき、先生の話を無視していた生徒に「代わりに教えてみなさい」というと、生き生きして教えはじめたという、ウソのような本当の話があります。
そうすると、他の生徒たちもわれ先にと手をあげはじめ、教える側に立とうとするのです。
では、なぜ意欲的になったのか。
自己評価が高くなると変わる
「人の役に立ちたい」という気持ちが働き、実際にその役割を経験することで、自己評価が向上したことが一因にあります。
「どうせやってもムダ」という言葉を発してしまった経験、もしくは言われた経験のある人もいるかもしれません。
そんなことを言われたらどう思いますか?これでやる気になる人は少ないばかりか、その人は二度と挑戦しようという気持ちにならないのではないでしょうか。
行動を見ているのは子供の側も同じ
よく、私たち大人は「君たちの行動を見ているんだよ」と言ってしまいがちです。もしかしたら、皆さんが子供もしくは部下だったときに言われた経験があるかもしれませんね。
これは、大人の側にだって言えることです。子供の側も大人の行動を見ています。
「子は親の背中を見て育つ」という言葉があります。
親が普段から前向きになれるような言葉をかけていたら、一時は落ち込んでもすぐに前を向いて努力する子供になるでしょう。しかし、常にネガティブな言葉がけをされていたら、努力できる人になれる可能性は少なくなります。
人を腐らせる可能性のある言葉は、かけたくないですね。
最後に
本書を読み、私は自分自身がいかに不勉強だったかを思い知りました。しかし、今からでも遅くはないはずです。これから、言動・行動ともに変革して、自分自身を律していこうと思いました。
思っているだけではダメなので、今から実行します(*^^*)