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脳科学の嘘OR本当?人は脳の10%しか使われていない?#1

脳に関する擬似科学について記事にしたらシリーズ化できそうなので、やってみようと思います。

「人は脳の10%しか使わないのは本当?」

まずはこの代表的な脳に関する噂ですが、これは100%嘘です。

正直ありえない話なので、これだけで済ませたくなりますが、我慢します。まず、脳は24時間休まずに働いてます。そして私たちが食べた食べ物のエネルギーは20%は脳で消費されます。なので、どの臓器よりもエネルギーの消費が多いために、燃費の悪い車と全く引けを取らないのが脳です。

とはいえ、そんな燃費の悪い脳ですが、哺乳類でしかも陸上で二足歩行ができるようになったり、言語も操ることができるため、言葉を喋ったり文字も書くことができる生き物はこの地球上には人間しかいません。

よって、もし本当に人間の脳が常に10%しか使われていないのでしたら、

・呼吸器官が働かなくなるので、人工呼吸器が必要です。
・心臓も動かなくなるので、常に心臓マッサージをする必要があります。
・筋肉も動かないため、ベットから起き上がることもできません。
・もちろん手を使った細かい作業もできないので、道具も一才使えません。
・言葉も生成できないため、一生喋ることもないでしょう。
・記憶力も維持できないので、物事を覚えることができません。
…などなど。

以上のことから他の動物含め、生きるためには脳が100%活動していないと死にます。もし、この10%の活動が実際に何かを表していたとするなら、例えば、瞼を閉じるときだけの活動量のことでしょうね。また、脳をさまざまな領域に分類することができるため、”前頭葉”や”側頭葉”といった言葉を聞いたことがあると思いますが、細分化された領域で特定の活動においてそれぞれ同時に何重にも活動しているのが脳です。

わかりやすく説明するために、脳は思考と社会的相互作用を処理するためのいくつかの認知領域を含む神経回路を使って活動しているということの例を取り上げたいと思います。

私たちの周りは常に情報に溢れていますが、パソコンにも処理能力があるように、人間の脳にも処理能力が備わっており、さまざまな感覚細胞から伝達された情報を分析し、さらに過去の行動や必要とされる社会的行動を当てはめて行動に移すように脳がまた体に信号を渡すようにできています。

例えば、外気の温度を感知した肌に存在する感覚細胞が脊髄を通じて、脳に情報伝達が行われます。その温度が高かったとき、「あっちー」という言葉が出るように脳が言語生成の領域に信号を送っています。または、暑いから陽射しも強そうなので日焼け止めを塗ろう、といった考え方も脳が信号を発してます。
つまり、感覚情報から体内外で起きてることの分析を行い、過去の行動から学習したことをベースに行動を生み出している場所が脳です。

とはいえ、この例え話もかなり省略しているので詳細は割愛しますが、実はそれを理解するために脳内活動を視覚化できる機械であるfMRIを使うことができます。この機械にあるスキャナーは、脳の血流の変化を測定し、さまざまな領域でのエネルギー使用量の増加を示してくれます。なので、何か考え事をしているときに特定の領域がどのように活動しているのか多少のズレはありますが、ほぼリアルタイムで脳がどうやって動いているのか、頭をかち割ることなく調べることできます。

それから、おもしろいことに脳が活動的であればあるほど、だんだんと脳は効率的になり、必要なエネルギーが少なくなります。何かを練習し続ければ熟練度につながるのと同じです。しかし、習熟度が高くなるにつれて、脳は活発ではなくなるので、認知度が下がるのと深い関連性があります。

また、一部の人々は、損傷した領域が代わりに「脳の他の部分が機能を引き継ぐ」ことがあります。生まれた時から脳の一部がかけていながら健常者として生活できている人たちは脳の活動と関係しており、これをplasticity、可塑性といいますがこの脳の性質について後日記事にしてみたいと思います。

ということで、これから私が心理学の授業で学んできたことのアウトプットをこの脳の擬似科学シリーズ、「脳科学の嘘」というタイトルで書いていきたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


参考文献;


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