しぜんのかがくep.57(9/20) スカーフ、風呂敷の活用方法
一枚布を纏うということ
人は昔から布を体にまいて衣服としてきました。
その人だけの体にあったオートクチュールの衣服も素敵ですが、私はどんな体型でも合わせることができる、女性の体を美しく見せる伝統的な一枚布の衣服の文化が好きです。
デザイナーのISSEY MIYAKEも「一枚の布」というコンセプトで服を作っていたようですね。空気の「ゆとり」や「間」を感じることができると言っています。プリーツの服が有名ですね。
インドのサリー…元々は1枚布を纏う文化。5〜6メートルの布を巻きつけてスカートと肩から下げます。日差しが強ければ上半身を覆って日よけに、雨が降ってくれば頭にかけて傘がわりにもしているそうです。
ミャンマーのロンジー…(今日はロンジーを着てきました)アウンサンスーチーもロンジーを着ていましたね。暑い気候にあい、ロングスカートはエレガントにも見えます。
着物は反物として長さや幅が決まっています。着物は反物を縫い合わせて仕立てます。(幅9寸5分(約36cm)で、長さ3丈(約12m)これで着物1着分です。)
一度着物を作ると、体型が少し変わっても、仕立て直して長く切られます。親子で同じ着物を着ることも可能です。
民族衣装は華やかですし、流行り廃りがありません。また、色を選べばどの年代でも似合います。着付けの際に調整すれば仕立て直しをしなくても着続けることがきます。また元の反物の状態に戻して再利用もできます。とてもサスティナブルなファッションでもあると思います。
風呂敷(スカーフ)の活用
「風呂敷」の名前はいつから使われているのでしょうか?約500年前、室町時代からだそうです。将軍・足利義満(あしかがよしみつ)が建てた大湯殿(おおゆどの)(浴場)を大名が利用した際、他人の衣服と紛れないように自身のものを家紋入りの布で包み、入浴後にはその上で着替えを行ったのが始まりなのだとか。最初は平包(ひらづつみ)と呼ばれていましたが、次第に風呂敷という名前になったそうです。風呂で使うだけでなく、荷物を運ぶために使ったり、火事が起きた時にすぐに荷物をまとめて逃げられるように布団の下にひく使い方もあったようです。当時の防災グッズですね。
風呂敷の一枚布は畳むとコンパクトになり、カバンに入れておくことができます。さまざまなサイズがあり、大きさによって使用用途もさまざまです。
防災視点で役立つおすすめの風呂敷の使い方
防災に役立つおすすめの風呂敷の使い方があります。
風呂敷の結び方は、「真結び(まむすび)別名本結び」と「ひとつ結び」が基本です。
風呂敷は形を自在に変えることができ、結び方によってさまざまな用途で使えます。包む、覆う、隠す、着るなどです。
2枚使うとリュックになります。風呂敷のサイズを変えると大人用、子供用のリュックになります。
骨折した腕を吊るしたり、包帯の代わりにも使えます。
女性目線の防災として、災害時に風呂敷(スカーフ)は重宝します。
災害時は例えば髪が洗えない、ヘアセットができない状況になります。一枚お気に入りのスカーフがあれば、頭に巻くことでその悩みも和らぎます。
色や柄の気に入ったものを使えば気持ちが明るくなります。
災害時こそ必要な視点だと思います。
日本文化としての風呂敷、どんな用途にも使えるスカーフ。
日本的な美を追求した白洲正子さん(白州次郎の妻)の写真を見つけました。スカーフの使い方が素敵だなと思います。モノクロですが、デザインもいいですね。一枚の布の可能性を感じます。
防災ひとこと あなたのカバンに風呂敷を
私はいつも撥水加工された風呂敷をカバンに一つ入れています。
普段の買い物袋、撥水加工されているので、濡れたくないものを包んだりします。災害時はアイデア次第で幅広い使い方ができると思います。
サッと取り出して風呂敷が使えるって素敵だと思いませんか?
ファッションとしても日常に取り入れたいですね。
あなたの防災グッズの一つに加えてみませんか?
⭐️Podcast本編はこちら↓宜しければお聴きください♪
神田沙織 がりれでぃ スピンオフ
ナチュラル・サイエンス・ラボ
しぜんのかがく