お布団敷きの理由
ある日の夜、「こっちにこないでね!」と言い、末っ子の息子が部屋のドアをピッシャっと閉めた。
しばらくすると、「お母さん、みてー。」と弾んだ声がした。
見てみると、家族5人分の布団がきれいに敷かれていた。
初めての事だったので、息子のその行動にびっくりしてしまった。
「すごーい!偉いね!ありがとう!!」
と誉めると、ニコニコして満足した様子だった。
その日から数日間、息子の布団敷きが続いた。
それから、さらに数日後に幼稚園で親子参加のクリスマス会が行われた。
みんなでゲームをしたり、先生の劇を見たり、おやつを食べたりした後、親に子ども達からのプレゼントがあった。
折り紙で作った首飾りと一生懸命考えた手紙をもらった。「読んでみて下さい。」と言う先生の言葉に手紙を開けてみると
こんな内容だった。
息子が布団を敷いてくれていた理由は、私が疲れているからだった…手紙を読んだ瞬間、涙が溢れてきた。
小さな息子には、私が疲れているように見えていた。
確かに12月がいちばんの繁忙期の仕事をしていた。それに加え、義母の入院があり、今までお願いしていた自閉症のお兄ちゃんとお姉ちゃんの学校の送り迎えと末っ子の幼稚園の送り迎えと慌ただしい毎日を送り、余裕がない日々を過ごしていた。
心にも余裕がなく、イライラしていたことが息子にも伝わっていたのだと反省した。
子供は、親を見ている。良い事も悪い事も見て、親の気持ちを察している。
いつも穏やかな気持ちでいるのは難しい事だけれど、自分の為にも、家族のためにも小さな幸せを見つけていけたらいいな。と思わせてくれる出来事でした。
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