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【エッセイ】丁寧な朝を撫でる

朝、いつも通り6時に目覚める。



今日は休日。同居人はまだ起きてこない。

ドアを開けると秋の朝の風に撫でられる。

「さむっ。」

今の時期は朝と晩が少しだけ冷える。

新しく買ったお気に入りの椅子に座ってみる。

「んにゃあ。」

膝に乗ってきた愛猫を撫でる。

猫はいい。あったかくて柔らかい。

そうしてしばらく撫で続ける。

撫でる。

撫でる。

しだいに愛猫と一緒に微睡んでゆく。

ゆっくりと、微睡んでゆく。

ゆっくりと。

ゆっくりと。



「いってきまーす!」

隣人の家族の声で目が覚める。

昨日の洗い物を片付ける。

好きなBGMをかける。

好きな香りのお香を焚いてみる。

ほうじ茶ラテを作ってみる。

読みかけだった本の続きを読む。

いつもはこんなふうにいかないけれど、たまには。


まだ7時。

今日はなにをしようか。

「んにゃあ。」

そうだった、君へのご飯もあげないとね。



いつもより、丁寧に。

丁寧に朝を撫でよう。

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