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本当に悪いのは、誰か?

チャンネルを変えても似たり寄ったりの内容を流していると知りながら、テレビのワイドショーを見るのが習慣になっている方、いませんか?その習慣、ちょっと危険な気がしてくるかもしれません。

小さい書房さんの絵本「二番目の悪者」

この絵本のお話は、心が温まるような物語ではありません。

「悪者」とは、一体、誰のことなのか?

もしかしたら、自分自身も「悪者」なのではないか?

と考えさせされます。

本書の終盤に、空の雲が、こうつぶやきます。

「誰かにとって都合のよい嘘が、世界をかえてしまうことさえある。

だからこそ、なんどでもたしかめよう」

冒頭にあげたテレビのワイドショーは、世間話の種を提供してくださる番組。

社会の中にある問題を、分かりやすく解説してくれるものもあるように思います。

ワイドショーは、嘘を垂れ流しているわけではないとも思うけれど、

テレビ番組によって与えられた情報について、本当かどうかを確かめようとする人は少ないでしょう。

なので、この絵本を読むと、 ちょっと危険に感じるかもしれません。

本書の帯に書かれている「考えない、行動しないという罪」

というキャッチコピー、ピリッと効いています。

でも、悪者にならないように、「考える」「行動する」ができるのか?

と自分自身に問いかけると、大人になればなるほど基本的には賛同しながらも、

「場合によって」という言い訳がでてきてしまう気がします。

そうした人間の意思の弱さが、絵本の中に登場する動物たちの姿に重ねて描かれている気がして、この絵本で指摘されていることは「他人事ではない」と感じます。

この絵本は、親子や家族で一緒に読んで、どんな意見や感想を持つのか、互いに語りあってみてほしい一冊です。クリスマスやお正月のプレゼントにお勧めしたいです。



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