人の残酷さ。あるよね、こういうのに気づかされる。芥川賞作家今村夏子さんの短編小説「あひる」
人は、残酷な生き物だ。
残酷な部分を知っていても、見ないようにする。
見ていても、見なかったことにする。
知らないふりをする。
ふりをするまでもなく、忘れる。
特定の人のことではなく、たいていの人が、そういう残酷な面を持っている。
今村夏子さんの短編小説「あひる」
ある日、あひるを飼うことになり、家族に変化が生まれる。
ほんわか、温かい、純朴な子供たちも登場する話かと思ったら、見事に裏切られる。
何を「幸せ」と位置づけるか。
それを位置づけた途端、裏側に入れて、見えないようにする側面ができる。
その部分に焦点を当てている作品で、読み終わってから、じわじわ怖さが沸いてきます。
「おばあちゃんの家」と「森の兄弟」は繋がっている作品ですが、「森の兄弟」の終わり方は衝撃がありましたが、結構、好きです。