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2022年上半期 読んでよかった本 ベスト3冊

私が2022年上半期に読んだ本のなかから、個人的ベスト3冊を選びました。

ちなみにこの企画は、蛸文(たこふみ)さんの記事を参考にさせていただきました。

それでは、私の個人的ベスト3冊を紹介していきます。


第3位 木洩れ日に泳ぐ魚/恩田陸

直木賞のみならず、本屋大賞を2度までも受賞した著者の隠れた傑作!
舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。
初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿-――。
共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始め、〝最後の夜〟に濃密な心理戦が繰り広げられる。かつての恋人は、ひょっとして殺人犯なのか?
過去をめぐる物語は次々と意外な事実を明らかにし、朝の光とともに訪れる真実とは――。
「相手が殺人犯ではないか」というシンプルな攻防が続く心理戦が、いつしか「事件の真相」以上に衝撃的な事実にたどり着く。次々と明らかになる過去の秘密と、移ろいゆくふたりの心……。互いの腹を探り合うスリリングな興奮と、好きなのに疑ってしまう恋愛の切なさに一気読み必至の、傑作心理サスペンス。

二人の男女の語り口が交互に繰り返され、徐々に真相が明らかになっていく展開にとても引き込まれました。ミステリーとしての面白さもさることながら、人間の記憶、愛することの意味を問いかけられる重厚で奥深い物語でした。


第2位 ビオレタ/寺地はるな

婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、道端で大泣きしていたところを拾ってくれた菫さんが営む雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店。何事にも自信を持てなかった妙だが、ビオレタでの出会いを通し、少しずつ変わりはじめる。人生を自分の足で歩くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心にしみる物語。

物事をなんでも悪いほうにばかり考えてしまう主人公が自分と重なり、主人公が出会う人々の優しさに涙しながら読み進めました。勝手にあの人はこうだと決めつけたり悪い思い込みをしてばかりの主人公だったけれど、そうではなく、自分が大切に思う人には自分から優しさを与えて見返りを求めない、それが人としてあるべき生き方なんだと改めて気付かされました。


第1位 私たちは銀のフォークと薬を手にして/島本理生

残業も休日出勤もいとわない仕事熱心なOLの知世。そんな彼女の楽しみは、仕事で出会った年上のエンジニア・椎名さんとの月二のデート。江の島の生しらす、雨の日の焼き鳥、御堂筋のホルモン、自宅での蟹鍋……。美味しいものを一緒に食べるだけの関係だったが、ある日、彼が抱える秘密を打ち明けられる。行方のわからない大人の恋を描いた恋愛小説。

アラサーの私には、主人公たちの恋愛模様に共感ばかりのお話でした。大きな秘密を抱えながらも、知世と椎名さんの穏やかで微笑ましい日々にキュンが止まりませんでした。決して器用ではないけれど仕事に熱心に取り組み、心を許せる親しい友人たちがいて、椎名さんに愛され温かい関係を築いている、そんな知世に憧れ、私もそうなりたいと強く思いました。



というわけで、以上、私の2022年上半期 読んでよかった本 ベスト3冊でした。

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