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敏感さん
自分がまさかHSPだとは夢にも思わなかった。
HSPは障害や病気ではなく先天的な資質とされるので効果的な治療法もなく特段注目されることもなかったが近年著名人のカミングアウトなどで周知が進んだ。
僕は病院で診断を受けたわけでは無いが特徴の全てに当てはまるのでならばそうかと受け入れることになったが、まだまだ精神病の類と勘違いしている人達にとってはそうであると認めることは一族の恥であると考えてもおかしくはない。
そうではない人からすると些細とも感じないほど聞こえないレベルの音が聞こえてしまうので寝付きが悪かったり、当人は何気なく放った言葉や態度にとても深く反応してしまい感情が振り切れてしまうのでグッタリと疲れてしまったり、エネルギーの強い人の側にうっかり立つと圧力でフラついてしまったりと割と不便な生活を強いられる。
そんな僕でも長年かけて良い意味でシャッターを下ろす術を会得した。文字通り全ての五感に蓋をするということなのだが、煩わしい情報をカット出来る利点は確かに大きいが解除方法を誤った時の弊害も大きい。
例えば熱いフライパンを平気で触ったり、重要な話を聞き逃したり、けたたましいサイレンの音にも気付かずに深く眠りすぎたり。こういう事例が他のHSPの方々にも起こっていることなのかは不明だが、対処法が見つからず困っている人は多いんだろうなぁと思う。
そんな僕でも唯一何も気にせず生きていられる瞬間があって、それがダンスなのだ。
年齢も年齢なのでもう「そんな表現しちゃって恥ずかしい!」と思われようがお構いなしに踊れるものだからダンスの時は本当に自由だ。
ただ、其処にあるのは「楽しい」という感覚ではなく「逃れたい」という感覚しかない事を知って欲しいような別にどうでも良いようなそんな今日この頃。