万病の元
職業柄ということもあり同世代と比較すると身体条件は悪くは無いと自負している。しかし増え続ける体重のせいで股関節に過剰な負担を掛けるようになり脚が90°以上上がらなくなってしまった怪我(一般人だったらそれでもまだ怪我とは認知されないであろう)の原因がハムストリングスの尋常では無い強張りに因るものだと解明されてからというもの椅子に置いたパワーポジションボールの上にハムストリングスを押し付けてゴリゴリ解すのが朝の日課になった。
きっとウォーキングやランニングを習慣としている人には無縁の症状なんじゃないかなぁ。
ダンスは無理な動きや体勢を取るから美しいと感じたり面白いと映ったりするものだと思う。自分は自然な動きが身体を痛めないと実感しているので極力不自然すぎる動きは避けたいのだが、あまりにも自然な動きを繰り返されても観客は飽きてしまうし実際にレッスンや振付で踊る人達のモチベーションが上がらないのも経験済み。「たくさん汗をかきたい!」「カッコよく踊りたい!」という消費者のニーズに応えて派手めで無理めな動きをスパイス的に入れてフロアを湧かせ「今日も参加して良かった!」と満足して帰って頂くのもプロの流儀。
かくして自分の身体はズタズタになる。
そんな事を言うと身も蓋もないが、腿裏をゴリゴリしていると沢山の気付きがあって幸せな気分になるのであながち悪い事ばかりとは言えないのだ。
汚い話で申し訳ないが例えば便意。腿裏のどこかに直結する部分がありその凝りが取れると形の良い大便が全く力まずにスーッと出る。前日寝る前にゴリゴリした翌日には朝ゴリも行わずに心地好い便意に導かれることも多い。
またまた汚い話で申し訳ないagainだが他の部分にバッチリ当たると痰が永遠に切れ鼻水が止まらなくなりクシャミを連発する。特に風邪の初期症状を感じていた時には一連の騒動を経て嘘のように症状が治る。
ようやく綺麗な話、でもないのだが、軽いギックリ背中やギックリ腰はこの裏腿ゴリゴリで完治してしまうことが殆ど。他人に聞こえる程の亀裂音と共にこんがらがっていた筋繊維が解ける感覚。
特筆すべきは食欲と直結しているということか。僅かでもシコリが残っていると全く食欲が湧かないのにその飴玉ぐらいの塊が解れた瞬間に猛烈な空腹感が立ち上がる。ハムストリングスがフリーになっているから立ったり座ったりの動作がノーストレスなので朝御飯の支度も流れるように進む。
解す前までは酷い時には這うように生活しているが一旦解れると快活そのものになり、その姿を見てパートナーは朝が来たと認識するらしい。上等じゃないか、僕はニワトリの代わりにもなっている。