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瑠璃の部屋252

図書館に着くと、ちょっと気難しい男性が座っていた。
館員に苦情を言うのを見かけたことがある。
その時は、「本日、休館日です」の札が、開館日の開館時間前に、前日のまま掛かっていたのに対して、これはどういうことだと文句を言っていた。

関わっちゃいけない人だと思っていたら、話しかけてきた。
「まだ、(開館まで)早い。時計持ってる?」
「いや、持ってないです」
ま新しいiPhoneなので、落としてもつまらぬと家に置いてきた。

ドアに近づくと、開いた。
ここは、開館時間にならないと自動では開かない。

「開きました」
「まだ、早い、係が開きにきていない・・(ごにょごにょ)・・」

「そうですか」

しばらく、佇んでいたが。
やはり、気になる。ドアに近づくと開いた。

「中、見てみますね」
「いや、係が来ていない・・(ごにょごにょ)・・」
(これは、どうしたものか。機嫌を損ねても面倒だし)

「ちょっと、面白いですね。試しに入ってみます」
「奥のドアが閉まってて、どうせ・・(ごにょごにょ)・・」

入ってみた。カウンターに館員は座っており、
2名ほどの男性が何か、手続きをしている。
「あ、開いてますよ」

気難し屋の男性は、何かカウンターで、文句言ってた。
早い時間から来ていたけど、いつものように館員が開けに来なかったとかなんとか
・・(ごにょごにょ)・・

館員が適当にあしらっていた。

昨日、あー文化祭も終わったし、しばらくは、のんびりだなと思っていたが、
来年の発表会の曲目が、ほぼ決まっていたことを思い出した。次のアンサンブルで弾くので練習しておかねば、ただ、次回は楽員みんな用事があってお休み。ひとりで演奏室、貸切で独演会である。思い切り音が出せる。アデリータかぁ。そうだ、ひとつ発見した。セーハを綺麗に出したければ、太めの弦が良い(はず)。
細めの弦が、音がビビりやすいと、読んだ覚えがある。

カウンターで女性が問い合わせている
本のタイトルは分からない。暗い暗い・・・という文言があるらしい。
うーむ。館員も読んだ覚えがなさそうだ。