見出し画像

「何もしないよりマシ」と思って人は余計なことをするかもしれない

昨日からマンボーこと「まん延防止等重点措置」が東京など含めて16都県に適用され、大阪・兵庫・京都の関西3府県の知事も国に要請することを決定しました。

また飲食店の時短営業と酒類の提供停止が始まりますのでいい加減ウンザリしている人もいます。(私もウンザリしている1人です)

マンボーの是非や効果はさておき、各都道府県の知事は「何もしないわけにはいかない」と国に要請しましたが、この中でもあえて「効果がないから要請しない」と静観の構えを崩さない知事がいらっしゃいます。

それが奈良県の荒井知事です。

実は奈良の荒井知事は昨年も「マンボー出せ!緊急事態宣言を要請しろ!」という県医師会の声を悉く突っぱねた”実績”があり、今回もある意味「予定通り」の対応です。(そして「何もしない」と批判されています)

飲食店に配慮したのか、あるいはこの程度の感染者数など大したことないと思ったのか、それとももはや「打つ手なし」ということで諦めたのか、様々な理由が考えられますが、荒井知事の真意は私にはわかりません。

ただ、他の都道府県の知事がマンボーの効果に疑問を持ちつつも「何もしないよりマシ」と考えているのに対し、荒井知事の「やっても無駄だから今は余計なことをしない」という判断は結構珍しいのではないかと思います。

この件でもし自分が知事の立場ならどうか考えてみました。

知事の立場は都道府県のリーダーです。そして感染者数が急激に増加している中でリーダーは何らかの決断を求められます。

このような困難な状況下では誰も正解などわからないので、知事の決断が常に正しいとは限りません。それでもヘンリーフォードの言葉「Indecision is often worse than wrong action」にあるように、間違った決断でも「決断しないよりはマシ」と言われています。

そうなると仮に99%無駄だと思っていても、1%の可能性でもあればおそらく「何もしないよりマシ」と思って対策を立てると思います。そういう意味で私も無意識のうちに「困難な状況下では何もしないよりマシ」と思っている可能性があります。

ただ世の中には「結果的に何もしないほうがよかった事例」はいくらでもありますので、本当に「何もしないよりマシ」なのか疑問が残ります。

奈良の荒井知事の判断が良かったのかどうかは様々な見方がありますので何とも言えませんが、少なくとも「何もしないよりマシ」という思い込みには捉われていないのではないかと思います。

困難な状況になると、つい無意識のうちに「何もしないよりマシ」と動いてしまいますが、余計なことをしてしまって却って状況を悪化させる可能性があるなら、あえて意識的に「何もしない」ことを選択肢に入れるとよいかもしれません。

以上マンボーに対するの各知事の対応を見て個人的に感じた問いでした。

今回もお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?