「大丈夫は屈するが若(ごと)し」(老子 第15章)
🌿 #日々老荘 🌿
「大丈夫は屈するが若し」(老子 第15章)
「最も優れた人は、まるで水のように柔らかく、謙虚に見える。」
「だが、それこそが彼らの強さである。」
「大丈夫(たいじょうぶ)は、あたかも屈するかのように見えるが、それが最も強いのだ。」
「大丈夫は屈するが若し」とは?
老子はここで、「本当に強い者は、一見すると弱く見える」 と語っている。
なぜなら、
🌿 「しなやかさ」こそが、本当の強さだから。
たとえば、
竹は風にしなるが、決して折れない。
水は形を変えながら、どんな障害も越えていく。
真に強い人は、他者と争わず、必要なときに一歩引くことができる。
つまり、「屈することができる者こそ、最後に勝つ」 という考え方だ。
考察:「折れないために、しなる」
現代では、「強さ=屈しないこと」だと考えられがちだ。
しかし、老子の教えはまったく逆。
🌿 「強くなろうとするのではなく、しなやかになることが大切」
例えば、
仕事で対立したとき、「絶対に正しい」と主張するより、一度相手の意見を受け入れる。
困難な状況に直面したとき、「耐え抜く」より、「どうすれば流れに乗れるか」を考える。
競争社会の中で、無理に勝とうとするより、「違う道を探す」柔軟性を持つ。
本当に強い人は、無理に踏ん張るのではなく、
🌿 「しなやかに受け流すことで、生き延びる力を持つ」 のだ。
実体験:「戦わないことで得られたもの」
以前、あるプロジェクトで意見が対立したことがあった。
当時の私は、「絶対に自分が正しい」と思い、議論で勝とうとした。
しかし、結果としてチーム内の関係はギクシャクし、プロジェクトもうまく進まなかった。
その後、同じような状況で、今度は
🌿 「一歩引いて、相手の意見を受け入れてみる」
という方法を試した。
すると、相手もこちらの意見を聞く姿勢になり、
🌿 「無理に戦わなくても、結果的により良い解決策が生まれる」
ということを実感した。
まさに、「屈することができる者こそ、最後に勝つ」 だった。
問いかけ:「あなたは、しなやかさを持てているか?」
あなたの人生の中で、
🌿 「無理に強くなろう」としていないだろうか?
🌿 意見を押し通そうとして、かえって関係がこじれていないか?
🌿 困難な状況に、がむしゃらに立ち向かいすぎていないか?
🌿 「戦うことが正義」だと思い込んでいないか?
もしそうなら、一度 「柔らかくなる」 という選択をしてみるのもいいかもしれない。
🌿 「強さは、しなやかさの中にある」 のだから。