4kgの味噌があれば計算上、ブータンまで行ける事が判明しました。
寒仕込み。
先日、今年の2月に仕込んだお味噌が遂に食べ頃を迎えました。今年は、米麹ではなく麦麹で仕込んだのでドキドキで樽を開け。どんな料理に使おうか、とワクワクしながら考えました。ドキワク。
『味噌汁1杯3里の力』
という諺があります。
味噌汁1杯で3里。1里が4kmですから、つまり味噌汁1杯で12kmかっ飛ばせますよ。そんな意味です。
味噌汁1杯につき10gのお味噌を使うとすると、4kgで400杯。距離にすると4800kmですね。
東京から4800km先。
調べてみると。ブータンが約4789km先でした。
なんならブータンに到着後、
さらに11km国内を巡れてしまいます。
400杯。1日に2杯味噌汁を飲み。
1日24km歩くと、200日でブータン着です。
なるほど。
今年の4kgの樽を抱えて、味噌汁を飲み。
大陸を移動し続ければ、計算上は、ブータンに辿り着ける事が分かりました。
もしここで『明日からブータン行ってきます』
大家さんに言うと
そんな経験をして何を目指してるの?
そんな経験をして何の役に立つの?
そんな問いかけを受けてしまいかねません。
そんな時はこう返します。
『医者とみそは古いほど善い』
と。
経験豊富な方が良い、みそは熟成過程を経て味がなじみ美味しくなる。アメニモマケズカゼニモマケズ、ブータンまで味噌樽ウォークをする。
その過程を楽しむ。経験の公開上に経験自体に価値があるんだ、と。
しかし、言い返しておきながら
確かに200日を、1年の2/3を味噌樽ウォークに捧げる。少し勿体無いような気がしてくる可能性もあるでしょう。
何とか100日くらいで辿り着けないだろうか。
1日に4〜5杯飲めば。おかわりをしまくれば、1日に24km以上かっ飛ばせるんじゃないか。
そんなれいちゃんの思考を遮るように表れた
『バカの三杯汁』の諺。
みそ汁を3杯おかわりするのは図々しい。
飲みすぎはよくない。そんな意味です。
そう言われてしまったら、仕方がありません。
ここは1日2杯。1日24kmで
200日後にブータン着にするしかなさそうです。
とはいえ、毎日毎日2杯味噌汁。流石に身体がおかしくなってこないだろうか。ちょっと別の物。小松菜とか食べた方がいいんじゃないだろうか。
健康面で心配が出て来ます。
そんな心配をよそに出てくる味噌語録。
『みそ汁は不老長寿の薬』
みそ汁を飲んでさえいたら、
体は丈夫で長生きできる。
『医者に金を払うよりも、みそ屋に払え』
病気になり医者に金を払うよりも、普段からみそ汁やみそ料理を食べるためみそ屋に金をつかうべき。
これが本当なら今頃世界に医者などいないはずです。だけど、世の諺では味噌が人類の健康を救う。なんなら地球を救う。ならば納得するしかありません。小松菜を諦め。味噌汁だけを200日飲みましょう。
さあ、これで潔くブータンへ向かえます。
1日2杯
1日24km
200日
味噌汁だけ
これさえ守れば4800km。ブータン着です。
とはいえ、最終チェックとして
リスクヘッジも考えておきましょう。
何かが起きて、味噌汁が飲めない時。それは誰かに味噌を分けた時です。
お腹を空かせて味噌汁を飲みたい人がいる。
普段なら気前よく分けてしまいそうですが、
ここは200日後のブータン着がかかっています。
微量なら良いですが。あんまりにも大量だと
ブータンには着けないです。
とはいえ、こんな言葉があります。
『みそに入れた塩はよそへ行かぬ』
みそに入れた塩はわからなくなるが、みその熟成や味に役立っている。手助けしたことは、のちに自分のためになる。
なるほど。
誰かを助けると、鶴の恩返し的な。
味噌の恩返しが発生する。
翌年に10kg近くの味噌が助けた方から送られてくるかもしれません。すると、来年はもっと遠くの国まで味噌樽ウォークができる。それならば、致し方ないのかもしれません。
そんなことを考えているうちに気がつきました。
味噌だけではダメだ、と言うことに。
味噌汁ならば水がいります。
衣食住の食は全て味噌汁でまかなえても、衣と住が必要です。パジャマがいるでしょう。テントと、寝袋も欲しいです。そうだ、お湯を沸かす何かと味噌汁を入れる鍋。
《《《味噌樽ブータンウォーク超困難》》》
少々遅くなりましたが、やっと気づきました。
何が1日2杯200日でブータンですか。
何が1日24kmかっ飛ばすですか。
何が味噌汁だけ食うですか。
ふざけてるんですか。なんなんですか。味噌樽を開けた時に無計画旅を思いついた自分を戒めたいです。
そして一言。
『味噌汁で顔を洗え』そう告げたいです。
潔く諦めて静かにとろろ昆布のお味噌汁でいただきました。最高に美味でした。
『味噌汁で顔を洗え』
(しっかりしなさい。そういう意味です)