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まほう色の瞳/著エンリケ・バリオス

エンリケ・バリオス「まほう色の瞳」読了。

可愛らしい児童書。
とはいえ量子論やスピリチュアリズム満載で
オトナが読んでも読み応えがある。

著者は「アミ 小さな宇宙人」が有名だが、ほとんどの著書が絶版で中古本は高値で取引されている。

図書館でも予約が絶えない人気ぶりなのだが、今回偶々読むことができた。

この作品をわかりやすい言葉でまとめるなら「運命の人との再会と使命への道」というような感じだろうか。

何世紀にもわたって待ち続けた恋人との再会。
全ては魂に刻まれていて、神の見えざる手を信頼していればそうあるべきところへ流れていく、というような。

児童書のコーナーにあったのだが、男女の愛の話というのもあって意外と大人っぽく仕上がっていた。

どちらかと言えば文庫化もされているが「アミ」の方が児童向けな気がする。

とはいえどちらも共通して、地球の波動を上げていくことや双子の魂の話などが描かれている。

今回もそうなのだが、わたしはこの著者の本を読むと大体泣いている。

それこそバイブレーションみたいなものを感じるからで、その理由を脳内で詳細に言語化しようと思ってもすこし難しい。

作品中にも語られているように、「感じること」が一番で、その感じたことを実現させるために頭を使う。
読者も自然とそのように読んでゆくような仕掛けになっているのかもしれない。

でもだからこそ、心で感じたことを少しだけでも、言葉にしてみてもいいなと思う。

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まず、ルーカスとエリナ、そのどちらの心持ちもわかるからこそどちらの立場に立って読む、ということもなく、本全体のエネルギーとして受け取った、というような感覚だった。

読み始めは少し、恥ずかしかった。
普段ストレートな恋愛物は観ない読まないタチなので(あえて避けているわけではないけど)、運命の出会い、みたいな情景がむず痒くも感じてしまったりした。

それでも読み進めていくと、そんなところは放っておけるくらい大切な話がしっかりと書かれていて、気づけば泣きながら読み終えていた。

特に好きなところは二人が「進んだ星」へ行った時のこと。

「そこでは、永遠に何も死に絕えることがなく、一度起こったことは消えることはなく、時間や死を超えて、現在という時間に重要な影響を与えながら生きつづけている。

(中略)

愛情を持って触れられたものはすべて、永遠に生きつづける。
なぜなら、愛は永遠であり、人生そのものだからだ。愛を知る人々はこれをはっきりと感じることができる。
だからこそ、彼らを取り囲むもの、あるいは、かつて取り囲んだものは、尊敬され大切にされる。そして、現在の中に完全に統合されるのだ」。

様々なものが使い捨てされてしまいがちな現代で、忘れてはいけないことだなと我が身を振り返り、刺さった。

一度発したものは取り返しがつかないのだ、と、その時期に観た映画のワンシーンにも通ずるところがあって特に印象に残っている。

昔から覆水盆に返らず、とはいうが、なかったことにできる、と一瞬錯覚してしまいそうな「送信取り消し」のできる昨今であるからこそでもある。

この本は、そうやって"感じること"のできる作品であることは確かなのだけど
そんな時はこの読書体験を至極個人的なものにとどめておきたくもなる。

言葉にすると、全てではないけれど、
時折、するりと手から、指の間から、何か大事なものが零れ落ちてしまうような感覚になることもある。

グラデーションはグラデーションのままにしておくのはやはり芸術のなせる技なのだろう。

けれど自分の内で感じたものを確かめるように、言葉にすることも、恐れず続けてみたいと思う。

それはたぶん、今この地球で生きてることの面白みの一つでもあるから。

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レイナ キヅキ[Reina Kizuki]
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