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【館山&鴨川旅】本と人を巡る旅。

ーー僕は旅先で本屋さんに立ち寄るとき、1冊でいいから本を買うようにしているんです。旅の思い出として、その本屋さんだからこそ買える本を、その本屋さんに行ったから出逢えた本を買って帰るんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家、木の家ゲストハウスのマネージャー、イベンターとして活動しています。

今回は「【館山&鴨川旅】本と人を巡る旅。」というテーマで話していこうと思います。

昨日、今日と、僕は千葉へ旅に行っていました。というのも、noteで知り合った方で千葉にお住まいの方が2人いて、ちょうどそのどちらとも都合が取れたので、小旅行を兼ねて会いにいくことにしました。

1日目は鴨川市にお住まいの佐藤さんと、館山、鴨川を巡っていました。ということで、その行程を綴っていこうと思います。


①MANDI

まず旅立つ前日のことから話しておくと、普段住んでいる水戸から実家のある東京まで車で帰るところから旅は始まりました。当日4、5時間かけて、鴨川市へ行くのはちょっと体力的にもきついなあと思い、前夜に東京に帰り実家に泊まることにしたんです。

で、朝8時くらいに出発して、アクアラインを通って、木更津を経由し、館山市に向かいました。海ほたるに立ち寄ってゆっくりしたかったんですが、佐藤さんとの待ち合わせ時間に間に合わなそうだったので、泣く泣く通り過ぎました。

こんなに長時間車を運転したのも、首都高に乗ったのも初めましてだったので、不安と緊張感と隣り合わせのドライブだったのですが、どうにか無事に到着することができました。

館山駅

館山市に入るやいなや、僕の目に飛び込んできたのはヤシの木。佐藤さんから事前に言われていたのですが、実際目の当たりにするとやっぱり衝撃で、異国に来たような感覚になりました。

佐藤さんは鴨川から電車で館山まで来てもらっていました。館山駅に車を停めて、駅前で落ち合いました。最初に向かったのは、「MANDI」という本のあるカフェです。佐藤さんと館山や本の話をしながら、軽くご飯を食べました。

MANDI


②北条文庫

お次に向かったのは、「北条文庫」という本屋。ひとつのビルの1階に店が構えられているのですが、このビルには本屋だけでなく、カフェ、レストラン、ホテルなど様々なお店が併設しているのです。

僕らが立ち寄ったのは北条文庫だけですが、広くておしゃれな空間に本が並んでいるのを眺める時間に充足感を得られました。この記事の落としどころの話になりますが、僕が旅する目的のひとつは「本」なんだなと思い直しました。

「YANE TATEYAMA」
「北条文庫」

僕は旅先で本屋さんに立ち寄るとき、1冊でいいから本を買うようにしているんです。旅の思い出として、その本屋さんだからこそ買える本を、その本屋さんに行ったから出逢えた本を買って帰るんです。

「北条文庫」では、『一本の水平線』という本に出逢いました。著者は安西水丸さんというイラストレーターで、千葉県の南房総市で育った方です。

『一本の水平線』はたくさんのイラストにちょっとした言葉が添えられている本で、ぺらぺらと試し読みをしたとき、その言葉に心を動かされました。そして、この本屋での思い出の品にしようと決めたのです。

旅というのは、ぼくにとってのんびり時間を過ごすというよりは、自分の意思の確かさを再確認するようなものかもしれません。歩きながら、無意識のうちにいろんなことを考えているんですね。そうしながら自分の感覚を磨けたらいいなと思うんです。

安西水丸『一本の水平線』


③風六堂/風の図書室

続いて向かったのは、またしても本のある場所。「風六堂/風の図書室」という古本屋兼私設図書館です。館山市に何があるのか、Googleマップを眺めていたとき、「本屋」で検索してこの場所を見つけることができました。

風の図書室。その名前の響きに魅せられて、ここには必ず立ち寄ろうと思い至りました。

実をいうと、この「風六道/風の図書室」は、カフェ「MANDI」の向かいにあるんですね。「MANDI」を出た後に、立ち寄ろうとしたのですが、人がたくさんいて何かのイベントが行われているようでした。後から知ったのですが、ちょうど哲学対話のイベントが開かれていたのです。

そこにお邪魔するのは気が引けたので、僕らは先に「北条文庫」に向かい、その後でもう一度様子を伺いにきたというわけです。

「風六堂/風の図書室」
一箱本棚

「風六堂/風の図書室」を運営されている方と話す時間もあって、僕が作家であること、水戸のゲストハウスで仕事をしていること、ビブリオバトルの東京都代表だったことなどを掘り下げてくれました。

ここでも何かお土産となるような本を買おうと思い、古本を2冊購入しました。『2020年6月30日にまたここで会おう』『桃太郎は嫁探しに行ったのか?』の2冊です。

前者は、瀧本哲司さんという教授の「伝説の東大講義」の内容を1冊にした本。2012年6月30日、東京大学のとあるホールで開催された講義の言葉と熱気をそのまま文章に落としている本です。手に取ったきっかけは6月30日が僕の誕生日だからだったんですが、お店の人に勧められたので購入することにしました。

後者は、倉持よつばさんという方の書かれた本です。倉持さんは小学生のときに「桃太郎は盗人なのか?~『桃太郎』から考える鬼の正体~」という研究で文部科学大臣賞を受賞した方で、その研究は書籍化されました。

中学生のときにも同じように桃太郎を研究したそうで、『嫁取り噺『桃太郎』~全国の伝承昔話「桃太郎」を読み比べる~』という題目の研究がまたしても文部科学大臣賞を受賞したのです。この本はその中学生の方の研究を書籍化したものでした。

かくいう僕も大学の卒業研究は「桃太郎」で、今もなお「桃太郎」に大きな関心があります。1冊目の方は読んだことがありましたが、2冊目の方は未読だったので、今回巡り合ったので購入することにしました。

いつか倉持さんと会って話してみたいな。年齢でいったら後輩だけれども、桃太郎の研究歴でいったら先輩。とことん「桃太郎」について語り合う日が来たら面白いな。そんな伏線を、ここに張っておきます(笑)


⑤鴨川オーシャンパーク

館山市を離れ、鴨川へ車を走らせました。車中、佐藤さんといろんな会話をしながら、ドライブを楽しみました。

途中、やけに「さざえ最中」と記された看板を目にして、佐藤さんいわく「おいしい」とのことだったので、通り道にあった「いとを菓子 盛栄堂」というお菓子屋さんに立ち寄りました。自分たちが味わう分と、職場へのお土産としてさざえ最中を購入。確かに、おいしかったです。見た目もちゃんとさざえでした(笑)

さざえ最中

鴨川市に入り、海沿いに奇妙な建造物が目に入りました。それが「鴨川オーシャンパーク」です。その名前とは裏腹に、鴨川市の道の駅を指します。今は運休中なのですが、以前は水遊びのできる憩いの場にもなっていたそう。

お土産が売っているのは、要塞のように佇む建造物の1階にあります。アーチ状の橋を超えて、階段を降りていった先にあるのです。その建物の構造が個人的には好みで、秘密基地の中に入ったような感覚になりました。

鴨川オーシャンパーク


⑥ブックカフェ文海fumiumi

鴨川といえば、鴨川シーワールドが真っ先に思いつくと思いますが、この度僕らは足を運びませんでした。余裕があったら行こうね、くらいのモチベーションでした。

代わりに立ち寄ったのは、「ブックカフェ文海fumiumi」という本のお店。元々立ち寄る予定ではいましたが、「風六堂/風の図書室」のお店の方から紹介されたこともあり、これは行くしかないと。

カフェ利用しながら、本棚を眺めたり、気になった本を手に取り読んだりする優雅な時間が流れていきました。

ブックカフェ文海fumiumi

この本屋で購入したのは、『野尻抱影 星は周る』という古本。星にまつわるエッセイが多数収録された1冊で、ロマンのある文章とインテリアとしても映えるような装丁に惹かれました。

この野尻抱影という作家、「私が死んだら行く星は……やはりオリオンときめておこうか?」という遺言を残しているんです。それが帯にそのまま書かれていたのですが、めちゃくちゃロマンチックだし、どこかシンパシーを感じてしまったので、この本屋の思い出の品に決めました。

鴨川で佐藤さんと別れてから、僕は海沿いを走りながら山武市へ向かいました。もうひとりのnoteで知り合った方のご自宅にお邪魔するためです。これについてはまた明日語りますね。

旅行で何をしたいのか、旅をする目的は何なのか、人によって違うと思います。おいしいグルメを味わいたい人もいれば、城や神社など歴史的建造物を巡りたい人もいるはずです。

この記事のタイトルにもあるように、僕は「本」と「人」が要素としては強くて、あの本屋さんに行ってみたい、あの人がいるから会いにいきたい、という衝動で旅立つことが多いのです。そんなことを再認識する館山&鴨川旅でした。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20250116 横山黎


僕と佐藤さん





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