【受講生からの声】登壇した大学の授業を振り返る。
ーー僕の仕事は「異文化交流の場所を紹介して、興味を持ってもらうこと」でもあり、「結果的に興味を持たなかった人に、選択肢を与えたこと」でもあると思うんです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「登壇した大学の授業を振り返る。」というテーマで話していこうと思います。
🏨登壇した授業の受講生からの声
ちょうど1週間前に、僕は母校の大学の授業に登壇して、ゲストハウスマネージャーの視点から「異文化交流の場所」というテーマの話をしてきました。
先日、その授業の教授からメールがあって、受講生による感想をまとめたファイルが届いたので、今回はそれについてリアクションしていこうと思います。
詳しくは上の記事を読んでいただきたいのですが、ざっくり授業の流れを説明しますね。
大きく3つのパートに分かれていました。今回僕に声をかけてくれた張本人であるもねちゃんが最近通い始めたシェアハウス「はちとご」、シェアベース「migiwa」について語るパート、木の家ゲストハウスのマネージャーをしている僕がその紹介や実際にあったエピソードを語るパート、そして最後にふたつの話をもとにみんなでディスカッションをするパートの3つです。
ディスカッションといいつつ、僕の力量不足もあって質問コーナーっぽい時間になってしまいましたが、少なからず実のある話ができたなと振り返っています。それは、受講生による感想を見てみても分かることでした。
🏨「共生」とハイネケン
まず、ひとりの受講生が書いてくれた感想の一部を共有しますね。
正確な話の流れは覚えていないんですが、「共生」について語る時間があったんです。共に生きることってどういうことなのか、みんな仲良しならば共生なのか、それは実現可能なのか……なんてことを語っていたんですが、それに反応する形で僕がハイネケンのCMを引き合いに出したんです。
個人的にお気に入りのエピソードなのでこれまでにも何回か記事に書いてきました。ざっくり説明しますね。
実験室に閉じこめられた初対面の被験者ふたりが実験者から出された指示の通りに作業を進めていくと、バーカウンターが完成するんです。作業が終わったときに実験者からお互いの正体が明かされて、そのとき初めて被験者ふたりは相手が自分と正反対の思想を持っている人であると知るのです。トランスジェンダーの人とアンチトランスジェンダーの人、みたいに。
実験者は「あなたたちには選択肢がふたつある。このまま部屋から退出するか、それともふたりでつくったバーカウンターで一緒にハイネケンを飲むか」と問います。その質問をされたあらゆる被験者は後者を選んだのです。つまり、全く違う思想の持ち主と一緒に飲むことを受け入れたんです。
「共生」にまつわる面白い事例として、僕はこのハイネケンのCMの話をしました。「時間と場所を共有して、ひとつの作業を一緒にすることで絆が生まれる」ってことを伝えるために。
これがどうやらさっき紹介した感想を書いた受講生には響いたみたいです。他にも何人かの方がこの話題に言及していました。
▼ちなみにこの動画です
🏨興味を持つきっかけづくり
他にも以下のような感想をいただきました。ざっと紹介しますね。
僕が今回授業に登壇して特に良かったなと思ったことは、シェアハウス、シェアベース、ゲストハウスといった異文化交流の場所の認知を広めることができたということ。それも大学生に。
僕自身、大学4年生のとき、もねちゃんが紹介してくれたはちとごというシェアハウスと出逢って、少なからずお世話になって、自分の価値観、活動の幅を広げることができました。いろんな人と出逢ったことで、そしていろんな人生に触れることで、僕は変われたんです。
将来のことや、人間関係で悩んでいて、どうにかしたいけれど解決できないままでいる大学生に、「こういう場所があるよ」「ここに来たら、きっと変われるよ」と伝えることができたのはすごく意義のあることだと振り返っています。
ただ、以下のようなコメントもいただきました。
これと似た感想は少なからずありました。人と交流することに対して抵抗を感じてしまう人は一定数いるものです。
もちろん僕は人と交流することを勧める立場ではあったけれど、ひとりの時間を大切にする生き方を否定することはしていなくて、そもそも僕自身そういう人だったから理解はできるんです。
僕の仕事は「異文化交流の場所を紹介して、興味を持ってもらうこと」でもあり、「結果的に興味を持たなかった人に、選択肢を与えたこと」でもあると思うんです。
「知らないから選択できない」のと、「知って選択しない」のとでは雲泥の差がありますから。
無理に興味を持たせるのは、それは「共生」ではありません。だから僕は、自分の立場、視点から救える人を救おうとするだけです。これからも機会があれば、積極的に「異文化交流の場所」の魅力を伝えにいこうと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20241224 横山黎