見出し画像

サービスの方程式

――お客さんの期待を超えるサービスとは、お客さんに与えたマイナスをどうひっくり返すかどうかで実現できるかどうかが決まるもの。お客さんが不快に思ってしまったとしても、そう思ってよかったと思えるくらいのサービスを施すことができればいい。一度は下がった感情を引き上げることが、お客さんの満足度につながる手段であると考えるわけです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「サービスの方程式」というテーマで話していこうと思います。



📚お客さんを離さない

僕は今、木の家ゲストハウスという宿泊施設の管理をしています。茨城県水戸市上水戸にあり、出張の人、旅人、観光客など、多くのゲストをお迎えしています。

オーナーは宮田悠司さん。会社員をやめて100万円で世界一周をしているさなか、ゲストハウスをオープンしたいと思い至り、1年くらい前に上水戸でオープンしたんです。

僕は4月からその運営と管理を担当しているんですが、最近は宮田さんがリフレッシュがてら海外に旅立っていることもあり、基本的に僕が管理をしているんです。

さて、そんなこんなで僕が清掃やらチェックイン対応やら電話対応やらを担当しているんです。近頃はお盆の予約の問い合わせがちょくちょく来ているんですが、昨日今日と予約の電話が来たんです。それも、団体の。

僕らは木の家ゲストハウス4号館という団体向けの宿泊施設も管理しておりまして、最大22名まで宿泊可能なんです。今回のお客さんもそれくらいの人数で宿泊を希望をしたいとのことでした。ただ、宿泊料金を耳にしたとき、明らかにお客さんが渋ったんですよね。さらに、近くの他の宿泊施設と迷われていると打ち明けて下さって、値段を聞いてみると、僕らの施設よりも安く泊まれるところなんですよね。

そこで、僕は宿泊料金の値下げを考えたんですが、これに関しては僕の一存で決められない、というより宮田さんと相談した方が最善だと考え、一旦持ち帰ることにしたんです。

で、「オーナーと相談してみますので……」と予約を保留にして、宮田さんに相談することにしたんです。一連の流れを聞いて宮田さんはこう提案しました。

「ぐっと値下げしよう」


📚お客さんに喜んでもらえるか否か

「ここまでするの」ってくらいに値下げするプランを提案してきたので、はじめは驚いたんですが、よくよく考えてみれば当然のことですよね。僕らの仕事をはじめ、あらゆるサービス業は「マニュアル通りに仕事を遂行していくこと」でもなく、「効率よくお金を稼ぐこと」でもなく、「お客さんに喜んでもらうこと」なんですよね。

だから、決められた値段で案内するのは違う。宮田さんは他の宿泊施設に取られるくらいならうちに来てほしいという強い思いから、格安で宿泊していただく提案したというわけです。団体客、さらに2連泊ということもあり、値下げしてでも獲得したいお客さんでした。そのお客さんに喜んでもらうためには、極端に値下げする必要があったと考えたわけです。

格下げプランを改めて提示したところ、お客さんは満足されたようでした。ちゃんと本予約を獲得できましたし、もう少し人が増えるとのことで、全部で40人くらいの団体で宿泊していただくことになりました。3号館、4号館を貸切で宿泊していただくような案内となりました。

「ありがとうございます」と感謝されるし、しまいには電話口で「もう……好きです」と謎の告白をされることに。お客さんに喜んでもらえるかどうか、という意識でアプローチをしていったことで、「恋」が生まれたというわけです。


📚サービスの方程式

以前、ゲストハウスの宿泊者の方にラジオの出演をしてもらったことがありました。僕がパーソナリティーを務めているFMぱるるんのラジオ番組「Dream Dream Dream」への出演を依頼したんです。結果的にはその宿泊者はラジオ出演を承諾してくださり、この前放送されたんですが、全ては「クレーム」から始まりました。ラジオに出演してくださったゲストの方は、はじめはクレーマーだったんです。

詳しくは以下の記事をご覧になっていただきたいんですが、クレームをいただき、それに丁寧に対応していった果て、ラジオ出演をしていただけるほどに絆をつくることができたんです。

https://note.com/rei_masterpiece/n/n97baebd3eddb

昨日、今日でお問い合わせいただいた団体のお客さんにもいえることですが、お客さんの期待を超えるサービスとは、お客さんに与えたマイナスをどうひっくり返すかどうかで実現できるかどうかが決まるもの。お客さんが不快に思ってしまったとしても、そう思ってよかったと思えるくらいのサービスを施すことができればいい。一度は下がった感情を引き上げることが、お客さんの満足度につながる手段であると考えるわけです。

もちろんプラスに始まりプラスで終わることに越したことはないけれど、よりお客さんの心を動かすためには、マイナスからプラスにひっくり返すアプローチが求められるのではないでしょうか。宮田さんのサービス感覚を踏襲しつつ、これからもゲストハウスの期待を超えるサービスを追求していければなと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240608 横山黎











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?