ゲストハウスで「ルーム型謎解き」をする理由。
――ゲストハウスは、他の宿泊者の方々と一期一会の出逢いを楽しむ場所。ホテルや旅館にはない特長がある。「ルーム型謎解き」との掛け算は面白い答えを生むと思い至りました。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「ゲストハウスで「ルーム型謎解き」をする理由。」というテーマで話していこうと思います。
🏨ゲストハウスでルーム型謎解き
僕は今、泊まれる謎解き『花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~』というイベントの準備を進めています。僕の職場である木の家ゲストハウスを舞台に「謎解き体験」と「物語体験」を味わえるコンテンツです。
シナリオも書き上がったので、最近は立ち稽古をしています。実際に木の家ゲストハウスで動いてみて、「このシーンはこういう動きをした方がいいよね」とか、「このセリフ、変えた方がよくない?」とか、よりよい作品作りをしているんです。
本番は来週の9月28日の土曜日。あと1週間くらいしかないので、少なからず焦燥感に駆られているんですが、一歩ずつ確かに良くなっているので、自分たちのつくっているものの力を信じて、駆け抜けていきます。
今回は、ゲストハウスで「ルーム型謎解き」をする意義について整理していこうと思います。このタイミングで、改めて。
🏨ホテルや旅館にはない特長
今回の『花火の幽霊』はいわゆるルーム型と呼ばれる謎解きの形態です。分かりやすくいえば、閉じこめられた部屋のなかに仕掛けられた謎を解いていくことによって、そこから脱出を試みるというもの。
『花火の幽霊』は部屋から脱出するというわけではありませんが、木の家ゲストハウスの室内に仕掛けられた謎を他の参加者と協力して解き明かしていくのでルーム型のひとつです。
で、この「他の参加者と協力して」というのがキーだと思っていて、この要素がゲストハウスでルーム型の謎解きをやる意味があるなと考えるのです。
宿泊型の謎解きといえば、舞台となるのはホテルが多いです。大手のホテルでも謎解きプランは導入されていて、チェックインしてキットを受け取って、館内を歩き回ったりして、謎を解いていく形なんですよね。
それはそれでいいんですが、僕が初めて謎解きに魅せられたのは、ルーム型の謎解きってこともあって、やるなら他の人と協力しながら謎を解いていくイベントにしたいという思いがあったのです。
ゲストハウスは、他の宿泊者の方々と一期一会の出逢いを楽しむ場所。ホテルや旅館にはない特長がある。「ルーム型謎解き」との掛け算は面白い答えを生むと思い至りました。
🏨閑散期対策、サービスのひとつとして。
ゲストハウスは安く泊まれる代わりに、寝室が相部屋になっています。2段ベッドのドミトリールームになっている施設が多いです。もちろん安く泊まれるのはひとつの魅力なのだけれど、それに加えて、いや、それ以上に魅力的なのは、一期一会の出逢いを果たすことができることです。
それはその施設のオーナーやスタッフともそうですし、他のお客さんともそう。ひとつ屋根の下で一緒にご飯を食べたり、飲んだり、話したりする。それだけでちっぽけだとしても確かな絆は生まれて、満足度につながるんですよね。
泊まりはせずとも、ルーム型の謎解きにも似たようね景色が生まれることは多々あるんです。初めましての人とでも「謎解き」「脱出ゲーム」という共通話題があることによって、そして、同じ場所で謎を解く、脱出するという目的のために協力し合うんです。
だから、脱出成功するに越したことはないんだけど、成功しても失敗しても、参加者たちの胸なかには満足感、達成感に満ちているものなのです。
「ゲストハウス」と「ルーム型の謎解き」。
このふたつの重なり合う部分は多いから、そこに新たな価値を生み出せそうなものですが、このふたつの掛け算をした計算式は見当たりませんでした。つまり、ゲストハウスで謎解きをしているところってほぼないんですよね。
そういう意味でも、このイベントの可能性は十分にあるなと思っているのです。上手く機能すれば、ゲストハウスの閑散期対策にも成り得るし、ゲストの満足度を膨らませるサービスを提供することもできる。
きっとお金も時間もかかると思いますが、新しい未来を切り開くために一歩ずつできることをやっていこうと思います。まずは来週の公演を成功させます。そして、そのための準備を進めていきます。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240919 横山黎