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「作品」は生と死を繋ぐもの

――亡くなった人を思い出すために、忘れないために、僕らはきっかけをつくります。それがお墓参りだったり、お盆という行事だったりします。


【#139】20211116


人生は物語。
どうも横山黎です。


作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。是非、最後まで読んでいってください。

今回は、「『作品』は生と死を繋ぐもの」というテーマで話していこうと思います。




☆映画『サマーゴースト』を観にいってきた。


昨日の夜、急に思い立って映画を見に行ってきました。決して近くない劇場まで自転車を走らせました。観に行ったのは、『サマーゴースト』という映画。loundrawさんというクリエイターが初めて監督しました。


loundrawさんは10代の頃からイラストレーターとして活躍されていらっしゃる方で、『君の膵臓を食べたい』の装画を担当されたり、名探偵コナンの映画の制作に携わったりと、マルチに活躍するクリエイターです。


名前を知らない方も、イラストを見れば、きっと「あ~この絵の人ね!」となると思います。実際、僕もそうで、loundrawさんの作品に触れて、繊細な光の描写が印象的で、脳に焼き付きました。


これまでに自主制作のアニメーションなどは作られてきたそうですが、映画の監督は今回が初めてのようです。


さて、どんな物語なのか、軽く紹介しますね。

花火をすると現れる女性の幽霊、サマーゴーストの正体を調査する高校生三人組の話です。目撃情報が多発する噂の場所で、買ってきた花火に次から次へと点火していきます。最後の一本が燃え尽きる直前、急に火花が飛び散り、ついにサマーゴーストが現れたのです。


彼女は一体何者なのか、彼女の目的とは何なのか。
高校生三人それぞれの秘密と共に、徐々に明かされていきます。


生と死が交錯する夏の夜の物語です。



☆霊魂を鎮める花火


そもそも僕がこの映画に興味を持ったのは、「『サマーゴースト』というタイトルに惹かれたから」とか「世界観が僕好み」とか、いろいろあるんですが、劇場に観にいく決め手になったのは、題材が「花火」だったからです。


以前、縁があって日本一の花火師さんにインタビューする機会があり、それに向けて花火についてめちゃくちゃ調べていました。そういった経験から、世界を美しく彩る花火のことがもっと好きになりました。だからこそ、『サマーゴースト』にも興味を持ったというわけです。



花火にはいろんな意味があって、もちろん今はエンターテイメントとして利用されることが多いですが、かつては鎮魂の儀式でもあったらしいです。現在でも地域によってはそういった伝統行事があると聞きます。そもそも花火が夏の風物詩になったのは、お盆のときに花火を使って鎮魂するからだとか……。


『サマーゴースト』でも、幽霊と会うきっかけをつくるのは花火です。生と死を繋ぐ役割を果たしているんですね。




☆生と死を繋ぐもの


以前、お墓参りについて思ったことを綴った記事でも触れましたが、亡くなった人を思い出すために、忘れないために、僕らはきっかけをつくります。それがお墓参りだったり、お盆という行事だったりします。



花火もそうで、『サマーゴースト』のラストシーンはそれを象徴するかのようでした。


「作品」だってそうです。シェイクスピアの名が今でも世界で知れ渡っているのは、作品のおかげですよね。日本の文豪たちもそうです。芥川龍之介も夏目漱石も、たぶん一生忘れられません。作品が存在し続ける限り、生き続けるのです。


20年しか生きていないのに、まだ何者でもないのに、僕は意外とここに魅力を感じていて、自分を思い出してもらうための装置として物語を創っている部分もあります。


生と死を繋ぐもの。それが存在し続ける限り、自分も生き続けることができるならば、作品をつくれるうちに(生きているうちに)、とことん作品をつくっていこうと考えています。がんばりまーす。




☆お知らせ


最後にお知らせします。

僕が書いた小説『メッセージ』についてです。一言でいえばダイイングメッセージの話なんですが、以前から僕は、

「なんで死の間際に犯人の名前を書くんだろう?」
「もっと伝えるべきメッセージがあるよね?」

という疑問を持っていました。この作品はそんな疑問と真正面から向き合ったものです。僕がどんな答えを出したのか、興味を持たれた方は、下の記事からチェックしてみてください。


最後まで読んで下さりありがとうございました。
横山黎でした。



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