「創作合宿先」としてのゲストハウス。
――ひとつのものを複数人につくりあげるのは意味のあることだと思っていて、そんな場所を提供するサービスは価値のあることだと思うのです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「『創作合宿先』としてのゲストハウス。」というテーマで話していこうと思います。
🏨勇進する謎解き制作
僕は今、木の家ゲストハウスという宿泊施設で仕事をしています。昨日はその仕事は休みだったんですが、ずっとゲストハウスのいました。というのも、木の家ゲストハウスを舞台にした謎解きコンテンツ「花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~」のシナリオをつくっていたんです。
僕の大学の後輩に謎解き好きが高じて謎解きサークルをつくったしゅんちゃんがいて、彼と一緒に謎解きイベントをやりたいねという話をずっとしていたんです。この度、念願の夢が叶うことになりました。僕が物語をつくって、彼が謎をつくって、一緒に運営していくことにしたんです。
7月26日、27日をプレ公演の日程と設定していたので、そこに間に合うようにシナリオ作成も、謎制作も進めてきました。一昨日も、昨日も、しゅんちゃんとMTGして、「こういう謎をつくってる」「いや、でもその形は違くない……?」を繰り返していました。
MTGをする度に、前進している手応えはちゃんとあります。正解を見つけて行く作業が楽しくて、「ああ、やっぱり僕はこういうことをしていたいんだな」と確かめることができました。
ただ、ちゃんといいものをつくるためには、もう少し時間がかかるよね、という合意が取れて、プレ公演の日程をずらすことにしました。7月26日、27日から8月19日、20日に変更することにしたんです。
🏨ふたつのこだわりで新たに...
苦渋の決断ではありましたが、最後にはお互いに納得して「これは勇進だ」と認めることができました。それは、ちゃんと時間をかければ面白くなると信じることができたからです。
仕事が休みだった2日間、僕はひたすら「花火の幽霊」のシナリオと向き合っていました。僕は中学時代演劇部で脚本を書く身でもありました。あの頃の感覚を思い出しながら、しかしあの頃よりも確かに身についている「物語る力」を感じながら、創作していったんです。
正直いえば、一進一退といったところで、なかなかスピード感のある制作過程ではありませんでした。手ごたえを感じ始めたのは、しゅんちゃんと一緒に語り合いながら、ふたりで考えていたときです。
お互いのこだわりが違うからこそ、新たに生まれるものがあったのです。
僕の作家としてのこだわり。彼の謎解きクリエイターとしてのこだわり。そのふたつのこだわりが綱引きをするようにせめぎ合った結果、ひとりでは辿り着けなかった景色をふたりで目にすることができるんですよね。
そんな風に、ひとつのものを複数人につくりあげるのは意味のあることだと思っていて、そんな場所を提供するサービスは価値のあることだと思うのです。
🏨創作合宿先としてのゲストハウス
大学卒業間近の頃、僕は「桃太郎合宿」というイベントを開催しました。今の時代にふさわしい絵本『桃太郎』の物語を、二泊三日でつくりあげようという企画です。いわば、創作合宿です。
参加者は僕を含めて3人。そのうちのひとりは、僕がnoteで知り合った大谷さんでした。そして、創作合宿の舞台は大谷さんの自宅で行いました。
結論からいえば、この企画がめちゃくちゃ良かったんです。
二泊三日という短い時間ではありましたが、ちゃんと物語を完成させることができたし、ひたすら創作のことを考え続ける時間がとても愛しかったんですよね。気分転換がてら海に行ったり、最終日には景気づけに夜明けを見にいったり……。とにかく充実した創作合宿だったんです。
卒業後、作家とゲストハウスのマネージャーとして活動していくことは決まっていた僕にとって、「桃太郎合宿」で得た知見は大きかったんです。
「みんなで作品をつくる」を意識した作品づくりをしていきたいから、創作合宿という形で、みんなでどこかに集まって、ひとつ屋根の下、寝食を共にしながら創作に向き合うのは生産的で魅力的だと思ったし、ゲストハウスの使い方のひとつとしても十分に追求し甲斐があるなと思いました。
この2日でやったしゅんちゃんとの壁打ちは合宿ではなかったけれど、「桃太郎合宿」に近いものを感じることができたし、改めて、共同創作の意義、作り手が一堂に会する場所の価値を再認識できました。
「花火の幽霊」の制作、運営もさることながら、創作合宿の可能性も探っていきたいなと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240719 横山黎
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