スナックの可能性
――映画も観れて、お酒を飲めて、会いたかった人に会えて、初めましての人とも仲良くなれて、次の約束も結んだし、ちゃっかり連絡先も交換しました。この一連の流れは全てスナックで起こったものです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「スナックの可能性」というテーマで話していこうと思います。
🏨映画の後にスナックに
先日、コマ撮り短編アニメーション映画『ボトルジョージ』を観にいってきました。最近、ニューポートビーチ映画祭の審査員賞を受賞したこの作品は、現在とある場所でしか鑑賞できません。
その唯一の場所の名は、「スナックCandy」です。
通常はスナックとして営業しているのですが、ここ最近は夕方の短時間だけボトルジョージシアターとして映画館の機能を果たしているんです。定員は1日当たり15人。毎日15人だけが『ボトルジョージ』を鑑賞できる仕組みになっているのです。
映画は13分で終わるんですが、その後はすぐにスナックとして営業を開始するので、映画を観終わった者同士の交流の場が自然と生まれるのです。
僕は『ボトルジョージ』を観にいくのも初めてだったし、スナックCandyに行くのも初めてだったんですが、お店の人やお客さんたちと仲良くなることができて、めちゃくちゃ有意義な時間だったので、今回はそれについて振り返っていこうと思います。
🏨お客さんと次の約束を
スナックCandyを回しているのは、ホームレス小谷という芸人さんです。この人のことは以前から認知していたんですが、初めて対面でお会いすることができました。まずはそこから感動したんですが、話していたらさすが芸人さんということもあり、めちゃくちゃ場を回すし、しゃべりは面白いし、本やグッズ、次のイベントのチケットの手売りはするしで、終始圧倒されていました。
小谷さんは50円で何でもやる仕事をしていた人です。ホームレスだから家もないし、始めた頃は笑えないくらいにお金もなかったそうですが、何でも屋の仕事を続けていくうちに、お客さんからの信頼を集めることにつながって、気が付けばクラウドファンディングで200万円を集めて結婚式を開けるほどの信頼持ちになっていたのです。
この話はまた今度詳しくするとして、今回はスナックでの交流に焦点を絞って話していきますね。
僕は映画を観ているときからカウンター席に座っていたんですが、その隣に2人の女性客がいらっしゃっていました。スナックの時間になってからは、その2人と、小谷さんと、あとは常連の建築家の人や大学生たちと語り合っていました。
隣の女性客とは勿論初めましてなんですが、ちゃんと仲良くなりまして、最終的には「天才万博」という年末のイベントに一緒にいこうと約束を交わしました。
🏨スナックの可能性
映画も観れて、お酒を飲めて、会いたかった人に会えて、初めましての人とも仲良くなれて、次の約束も結んだし、ちゃっかり連絡先も交換しました。この一連の流れは全てスナックで起こったものです。
ヒトやモノやコンテンツが入り乱れる場所がスナックで、新しい絆や次の約束が生まれる可能性を秘めている場所といえるのです。きっとそうなんだろうなと予感はしていたけれど、想像以上にスナックに魅せられました(笑)
僕は今、水戸にある木の家ゲストハウスのマネージャーをしていて、人が集まる場所で仕事をしています。
木の家ゲストハウスはどちらかといえばカプセルホテルのような安い宿としての機能を果たす傾向にあるんですが、時折お客さんとわいわい賑わうこともあって、その景色を見ること、そのなかにいることが、僕は好きなんですよね。
そういう場所から仕事が生まれたり、恋が生まれたり、忘れられない思い出が生まれたりするから。
ゲストハウスのマネージャーをしている僕もいつかは自分の場所を持つことになるんだろうけれど、そしてその形態として有力なのはゲストハウスなんだろうけれど、そのときに重視したいのはやっぱり交流で、「スナック」としての機能を備わせたいなと思いました。
まずは木の家ゲストハウスでもそういうことを追求してみたいな。最近はいろいろと忙しくて手が回らなかったから、交流が生まれる仕組みやイベントの開催を考えていけたらなと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20241110 横山黎