シェアハウスの物語を書く。
――輝く思い出を、いつまでも覚えておきたい。忘れてもいいから、何度だって思い出したい。だから、僕は住み開きシェアハウス「はちとご」の物語をつくります。そして、本にします。思い出のアルバムのような本をつくって、栞にします。
人生は物語。
どうも横山黎です。
毎月最終日は誰の目も気にせずに、自分の過去をつらつらと語っているんですが、早いもので今月もその日が来ました。過去を見つめて、今自分が立っている場所を知り、次の一歩を踏み出す方向を決めるいい機会です。過去の記事は、以下のマガジンをご覧ください。
今回は「シェアハウスの物語を書く」というテーマで話していこうと思います。
📚僕が好きな空間
僕は今、教育学部の4年生です。教採は受けなかったし、教員の道にはいかないつもりなんですが、そもそも教育に興味を持ったきっかけについて考える機会がありました。
どれだけ長く深く考えても、理由は単純明快なものであると気付きました。僕は学校が好きだったんです。
好きなことができて、友達がいて、尊敬できる大人がいて、笑って、泣いて、日々を共有していくあの場所が好きだったんです。
これまでの環境が良かったこともあり、良い友達、良い先生に恵まれたので、僕は学校に通いたいと毎日思っていました。自分のやりたいことをやれるし、それを受け止めてくれる場所だったし、知らないことを知れるし、誰かの物語に触れることができる。
教室や学校という空間が、僕は好きで仕方なかったんですよね。
小学2年生のときに独自のゲームをつくって、休み時間にみんなで遊んでいました。中学年のときには、バトルスピリッツにはまっていたこともあり自分たちでトレーディングカードゲームをつくって対戦していました。面白ければそれでよくて、一緒にやってくれる友達がいればそれでよかった。
何もなくても、何もないところから生み出して、みんなでそれを育てる一連の流れが、どうしようもなく好きだったんですよね。
中学生になったら、演劇に夢中になって、好きなように脚本を書いたし、好きなように舞台の上で演じました。
中2のときには歌詞を書き始めて、それを綴ったノートを友達に見せていました。良くても悪くても受け止めてくれることが嬉しくて、そんなことを卒業まで繰り返していました。時にタイトルリクエストという形で、クラスメイトから単語をもらって、それをもとに歌詞をつくっていくこともしていました。
高校生のときはクイズやボードゲームにはまったから、友人たちと知的遊戯同好会という謎の団体をつくりました。メンバーそれぞれが企画を持ち寄って、それを撮影したりなんかして、YouTuberを気取ったりしていました。
振り返れば、僕はずっと似たようなことに心を動かされ、ときめき、誰かと一緒に運営していく流れを繰り返していることに気付きました。それを行う場所が、学校が多かった。だから、僕は学校が好きだったんですよね。
主体的に、能動的に、自分のやりたいことをやる。よく分からないものに興味を持って、探っていく。そしてその過程に、自分以外の誰かがいて、手を取り合い、語り合い、併走していく。
そんな空間が、僕は好きみたいです。
📚人が能動的になっている瞬間
その好みは今も変わっていません。その証拠に、僕は今、人が能動的になっている場所によくいます。そこはずばり、住み開きシェアハウス「はちとご」です。
住み開きとは、シェアハウスの一部を地域に開放すること。つまり、はちとごは、シェアハウスの機能を果たしつつ、大学生や地域の人と交流するコミュニティスペースでもあるのです。
かくいう僕もオープンスペースとして開放している「はなれ」を訪れたことがきっかけでした。私設図書館でもあるので、たくさんの本が本棚に並んでいます。いろんなジャンルの本があるんで、どんな人でも何かしら興味を惹かれる1冊を見つけられるはずです。
僕自身、関わり出した当初から本を借りていましたし、今や貸し借りを管理する図書委員として運営側にまわっています(笑)
また、はなれでは様々なイベントが開かれるんですよね。本を読み、感想を共有し合う「読書会」、30種類以上のウイスキーを飲み比べられる「ウイスキー会」、参加者それぞれから募るテーマをもとに語り合う「対話の夜会」……交流をメインに据えたたくさんの企画が実施されるのです。
大学生に限らず、社会人の方も参加されることは少なくないので、価値観の多様化や視野の広範化が期待できます。それは大学生にとっても、社会人にとってもプラスのこと。多種多様で魅力的な人が集まる空間には、いろんな学びがあるんですよね。
はちとごを運営しているのは、板谷隼さん。芸名でもニックネームでもなく、本名で「はやぶさ」です。名前からして面白い人ですよね(笑)
彼はこう言います。
「人が能動的になっている瞬間が好き」
そんな考えがあるからこそ、能動的なアクションが生まれるような環境づくりをするし、それが発揮されるようなイベントを企画する。時に必要以上に気配りをするし、体力とお金を削って行動しているんです。
きっと僕なんかの想像が及ばないくらいに動いているし、考えてるし、努力をしている人なんだなと思います。命を削っている人のそばにいれば、それだけで面白い物語が生まれるし、かけがえのない出逢いや経験に恵まれる。そりゃそばにいたくなりますよね。作家としても、大学生としても、時間を割くべき場所だと考えるのです。
そんな僕が今、何を思うか。
「はちとごの物語を書こう」
📚シェアハウスの物語を書く
はちとごの日常はとても煌めています。そのまま物語にできるくらいに、魅力的なエピソードがつくられ続けるのです。
たとえば、この前、近くで花火大会があったんですが、その日の濃度ときたら本当に濃すぎる。
僕は昼の3時半までバイトで、終わってからその後でパートナーと花火大会へ直行。久しぶりの屋台と花火に、青春を感じました。
その後は、はちとごで二次会。住人に加え来客もいたので、ひとつ屋根の下、たくさんの人の物語が交差しました。はなれで記念撮影をして、リビングでご飯を食べて、飲んで、話して、流れで「朝日をみにいこう」という話題に。
真夜中の3時にはちとごを出発して、はやぶささんの車で日立の海へ。徐々に白んでいく空にゆっくりと昇っていく太陽。また新しい日が来たという当たり前の出来事が、こんなにも特別に感じるなんて……やっぱり僕は夜明けが好きみたいです。
きっとこれからもずっと、
何でもない時間が
特別になっていくんだろうな。
そんな淡い思いを、輝く思い出を、いつまでも覚えておきたい。忘れてもいいから、何度だって思い出したい。だから、僕は住み開きシェアハウス「はちとご」の物語をつくります。そして、本にします。思い出のアルバムのような本をつくって、栞にします。
あの頃の学校みたいな場所が、今の僕にとっての「はちとご」。昔も今も変わらず、面白いことを面白いと受け止めてくれる場所で面白がっているんですよね。
長くなっちゃったし、とりとめもない日記になってしまったけど、これが今の僕の気持ちです。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
20230731 横山黎
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