「伝説の横山」と呼ばれた話
――伝説なんて大それた言葉、僕なんかに似つかわしくないけれども、少なからず僕のギターや歌(あるいは体験)に価値を見出してくれたことは確かです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。
今回は「僕は音楽もあきらめない」というテーマで話していこうと思います。
📚伝説の横山
この前の土曜日のことです。僕のお気に入りのクラフトビールバー「The FAVORITE」でウガンダ料理のイベントが開催されていました。僕の友達が企画したイベントだったし、ウガンダ料理を日本で食べる機会なんてそうそうないので、バイト終わりに向かいました。
ウガンダパーティーというボリューミーなメニューを頼みました。本場ではお祝い事の日にしか食べないものらしいもので、牛肉ライスにパスタにさつまいもが添えられているプレートでした。おなかいっぱい食べられたのでイベント自体はよかったんですが、僕を喜ばせたタイミングはそのあとにありました。
以前も「The FAVORITE」で知り合った日本生まれのカナダ人、ロビーが来ていたんですが、どうやらもうすぐ帰国するそうで、その日が彼とのお別れの日だったんです。確か、近くのゲストハウスに2ヶ月くらい滞在されていたんです。留学とはちょっと違うらしいんですが、僕の通う大学に用事があったらしくて。
もうすぐ旅立たないといけないということで「The FAVORITE」に来店したそうなんですが、なんと母親も一緒にいらっしゃっていたんです。別れ際ということで、ロビーに最後の挨拶をしようと近寄っていったんですが、そのときにそばにいたロビーの母親に言われたんです。
📚ロビーとの2ヶ月
ロビーと初めて会ったのは2ヶ月近く前。「The FAVORITE」で僕が開催した本のイベント「FAVORITE!! -お気に入りの本を紹介する会-」に飛び入り参加してくれたんです。そのイベントは自分のお気に入りの本を約5分間で紹介するもので、彼は聞くだけでしたが参加してくれました。
本をきっかけにカナダ事情を聴くこともできて、とても有意義な時間を過ごすことができました。
2回目に会ったのは、僕が全国大学ビブリオバトル地区大会で優勝した日の夜。その日は昼から飲んでいたんですが、3軒目に訪れたのが「The FAVORITE」でした。その日はちょうどジンパーティーというイベントが開かれていたのでちょうどいいと思い伺ったんです。
そのとき、途中からギター片手に来店したのが、ロビーでした。それから流れでロビーの演奏会が始まりました。元々バンドをやっていることは聞いていたんですが、彼の演奏を生で聴くのはその日が初めて。僕が特に盛り上がったのはoasisの「Whatever」でした。唯一知っている曲だったからですがね(笑)
何曲か弾き終わると、流れでJpopの話題になって、そのときにいたお客さんのなかから「スピッツとかどうですか?」という声が上がりました。ロビーはスマホでコード譜を探していたんですが、そこで前に出たのが僕でした。
そこから今度は僕のターンになりまして、みんなで「空も飛べるはず」を歌ったり、「にんげんっていいな」を歌ったり、僕が自分でつくった曲「マスターピース」や「Message」を弾き語ったりしました。
別に僕のギターも歌もほんとに大したものではないけれど、みんな優しくて受け止めてくれて、想像以上に盛り上がってくれたんですよね。
その日の一連の流れを、ロビーは母親に話したのでしょう。先日、初めて会ったロビーの母親から「伝説の横山さんですね」と呼ばれるにいたったわけです。
📚音楽で感動させることはできる
伝説なんて大それた言葉、僕なんかに似つかわしくないけれども、ロビーが少なからず僕のギターや歌(あるいは体験)に価値を見出してくれたことは確かです。でなければ、わざわざ母親に語ったりしませんからね。
僕は音楽のプロでもなければ、その道を進もうと思っている人ではないけれど、ずっと音楽と向き合っていきたいとは思っているんですね。単純に音楽は好きだし、僕は僕なりに理想的な音楽体験のイメージがあったりするので曲をつくったり、演出を考えたりすることも好きなんです。
で、これまで実際に音楽に携わってきて、人の心を動かすことができたので、プロではないなりに頑張っているなあと自負しています。
たとえば、僕は自分の成人式の前日の夜に、実家のリビングに家族を集めて、自分でつくった「Message」という歌を弾き語りました。家族ひとりひとりに宛てた手紙のような歌詞を、手紙を読むように弾き語ったんです。
やるからにはちゃんとやりたいし、家族全員を泣かせるつもりでいました。今までにない緊張感のなか弾き語りを始めたんですが、演奏し終わったあと顔を上げたとき、僕の目に映ったのは家族みんなが涙している光景でした。
ちなみに「Message」という曲は、僕の初書籍『Message』から着想を得たインスピレーションソングなんですね。『Message』は成人の日を舞台にしたヒューマンミステリーで、家族の物語でもあるし、手紙の物語でもある。
その『Message』を届ける手段のひとつとして、僕は「BOOK TALK LIVE “Message”」というトークライブを開催したんです。大学にライブラリーホールという場所を借りて、人を集めて、小説『Message』の魅力を1時間かけて伝えにいったんです。
話の内容はさることながら、僕は演出面にもこだわりまして、手伝ってもらった親友に「このタイミングで音楽を流して!」と念入りに打ち合わせしました。ちなみにその音楽とは、「Message」のピアノ音源で、妹に編曲してもらいました。僕の理想通りの感動の一曲に仕上げてくれたので、トークライブ終盤のここぞというタイミングで流すことにしたんです。
結果、感動の舞台を作り上げることができました。来場者向けの事後アンケートでは、「音楽がかかって泣きました」という声もいただきました。自分のこだわりが結果につながったんです。
※「BOOK TALK LIVE "Message"」の様子はこちら↓↓↓
僕は音楽のプロでもなんでもないけれど、自分でつくった音楽や、誰かにつくってもらった音楽で、人の心を動かすことはできると胸を張れるようになれました。だからこそこれからも音楽を続けていきたいと思うんです。
実は、その情熱を支えているのは、高校時代軽音楽部の顧問だった先生の一言です。
📚僕は音楽もあきらめない
高校時代、僕は文芸部と軽音楽部に所属していました。僕がギターをちょっと弾けるのも、簡単な曲だけだけど作曲できるのも、あの頃の経験のおかげです。
ただ、高校2年のときに、ビブリオバトルで全国大会に行ったり、僕の書いた小説がとある文学賞で奨励賞をいただいたり、文芸方面で結果が出てきてそっちに時間を割きたいなと思うようになり、軽音楽部を退部しようと決めたんです。
覚悟を決めて退部届を出しにいったとき、顧問の先生に言われたことが今でも胸に刻まれているんです。
そんな言葉を前置きに、次のような言葉をかけてくれました。
そう言われたことがやけに嬉しくて、あのときに僕は音楽もあきらめないと密かに誓ったんですよね。あれから4年以上経って、今でも音楽は続けているし、弾き語りで人の心を動かしているし、「伝説の横山」って呼ばれています(笑)
そういえば、スピッツの「空も飛べるはず」は、高校1年生のときの文化祭で初めて人前で披露した曲でした。当時はギターも歌もだいぶ酷かったけれど、今じゃ「伝説」をつくってる。あの頃の僕にそっと伝えてあげたいものです。
これからも魅力的な曲をつくっていきたいし、人の心を動かす音楽体験をつくりにいけたらなと思っています。そしていつか「伝説の横山」と呼ばれても遜色ない人になりたいな。最後まで読んで下さりありがとうございました。
20231120 横山黎
※伝説の横山はこちらから↓↓↓
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