僕の父親は、ゴーストライターでした。
――父親も学生時代から小説を書いていて、大人になってからもその夢を捨てないで、果てには作家になった人なのです。しかし、作家といってもいわゆるゴーストライター。お金をもらう代わりに誰かのために文章を書いていたのです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「僕の父親のこと」というテーマで話していこうと思います。
◆人生初、父親とサシで飲んだ。
昨日のことです。
人生初、父親とサシで飲みました。
人生初とはいえ、僕はまだ21歳ですから、特筆するほど珍しいことではないかもしれません。しかし、二人きりでがっつり話すことがほぼ初めてだったので、僕からすればちょっとした事件です。
ということで、今僕にはいろいろと語りたいことがあります。絶対に長くなっちゃうし一回にまとめるととりとめなくなってしまうので、今回と次回に分けて物語っていきます。
今回は僕の父親のことについて話させてください。
◆父親はゴーストライター
僕は今、小説を書く人ですが、その影響は父親にあります。
父親も学生時代から小説を書いていて、大人になってからもその夢を捨てないで、果てには作家になった人なのです。しかし、作家といってもいわゆるゴーストライター。お金をもらう代わりに誰かのために文章を書いていたのです。
ゴールデンウィークの間に1冊の本を仕上げるタスクを課されたりと、扱いはひどかったらしいですね。そういうときは缶詰で書いていたらしいです。
どんなにしんどくても酷い環境でも、物を書いて生きていく道を選んで生きる、そんな人です。
普段は寡黙で、飲めばよくしゃべります。家にいるときも、飲んでいるときは少し口が軽くなるのです。ですので、もちろん会話する瞬間はいくつもありましたが、それでも人と比べたら少ない方だと認識しています。
父親にはきっと父親としての矜持があって、僕も僕で背中を遠くに感じていて、いまさら馴れ馴れしく話しかけにいくのも変な気がして……父親だから馴れ馴れしいそうじゃないとか関係ないんですけどね。
だから、20歳を過ぎて飲めるようになってからも、なかなかサシで飲みにいく機会を設けることができませんでした。父親から誘われることはきっとないんだろうなと予感していましたから、僕が動かなきゃだったのです。
直接言葉にして、「サシで飲みに行こう」と誘うのも何か違う気がして、いや、違うことはないんですが、なんかこっぱづかしくて、できないなあと思ったので、僕は父親とサシで飲む「言い訳」をつくったのです。
◆サシで飲む「言い訳」をつくった
僕は先日、小説『Message』を出版しました。Amazonで買えますし、今期間限定で無料公開しているので、是非読んでみてください!
成人の日の夜に亡くなった青年が遺した「110」というダイイングメッセージの謎を解くヒューマンミステリーです。僕の20年分の思いを込めた力作です。
さて、この物語、少しネタバレすると、青年が家族宛てに書いた手紙で終わります。父親への手紙の一部をここに載せますね。
実は、『Message』という物語は、僕の実体験や過去の出来事がそのまま反映されています。僕にあたる登場人物は作中で亡くなっているのでノンフィクションでありませんが、実話をもとにしたフィクションって感じです(笑)
つまり、この手紙も、「僕から父親へあてた手紙」なんですよね。
話をまとめますね。
僕は、物語で張った伏線を回収するために、父親とサシで飲みにいかざるを得ない環境をつくったわけです。伏線を回収するのが好きな僕ですから、是が非でも叶えにいこうとします。僕はそういう人です(笑)
ってなわけで、「物語の伏線を回収する」という「言い訳」をつくり、昨日、ついに父親とサシで飲みにいってきました。僕の21の誕生日のときに小説『Message』をプレゼントしてきっと読んでくれているはずですから、その感想も聴きたかったし。
さて、人生初、父親とのサシの席でどんな話をしたのか。次の記事で書きますね。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
20220718 横山黎