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息の長いしあわせを。~へドニアとユーダイモニア~

――「へドニア」とは「短期的なしあわせ」、「ユーダイモニア」とは「長期的なしあわせ」という意味です。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「息の長いしあわせを。~へドニアとユーダイモニア~」というテーマで話していこうと思います。


🏨へドニアとユーダイモニア

先日、「beの肩書きワークショップ」というイベントに参加してきました。自分が何をしている人なのかを表す「doの肩書き」ではなく、自分はどういう人なのかを表す「beの肩書き」を探しにいくイベント。詳しくは以下の記事をごらんになっていただきたいのですが、そのイベントのなかで登場した単語について、今日は語っていこうと思います。

「へドニア」と「ユーダイモニア」についてです。



結論から先にいうと、「へドニア」とは「短期的なしあわせ」、「ユーダイモニア」とは「長期的なしあわせ」という意味です。

もう少し噛み砕いていきましょう。

へドニアは、五感をつかって得られるしあわせのこと、「快楽」と呼び換えることもできます。一時的なしあわせなので、時間が経てばそれに慣れてしまい、さらなる刺激を求めるものです。

おいしいご飯を食べる、お酒を飲む、タバコを吸う、恋人といちゃらぶする……といった行為によって生まれるのがへドニアなのです。


一方、「ユーダイモ二ア」はもっと息の長いしあわせ。自己実現をすることで得られたり、他人や社会のために貢献することで得られたりします。自分のやりたいことをやり続けて成果を出したり、日々の仕事やマイプロジェクト、ボランティアを通じて社会的な価値を生み出したり、その一連の流れの果てに生まれるのがユーダイモニアというわけです。

アリストテレスによれば、ユーダイモニアこそ最良の幸福らしいんですが、それに関しては僕も同意見で、いつからなのかは分かりませんが、息の長いしあわせの意義を強く感じるようになりました。

人に寄り添い続けた結果、その人の人生がよりよい方向に走り出したり、相手に何かを贈ることで自分が受け取れる感情を知ったり、そういったひとつひとつの経験がユーダイモニアの意義を認める担保になったんだと思います。


🏨恋愛とユーダイモニア

学生時代から僕は誰かによく相談される人で、大きな荷物の中身を見せてくれる人もなかにはいました。ちっぽけな僕にできることなんて何もなくて、何もないからこそできることを探して、とにかく耳を傾け、話を聴き、相手のなかにある答えを見つけにいって……そんな風に寄り添い続けたものです。

以前、僕が恋心を寄せていた元バイト先の後輩がいるんですが、彼女も大きな荷物を抱えている人でした。その荷物の下ろせる場所が何故か僕だったので、よく話を聴いていたものです。

家庭の事情で進学ができなくて、学費を溜めるためにバイトを掛け持ちしてている頃に出逢いました。どうしても大学に進学したい。その一心でひたすらに働いていたんです。そんな彼女を、僕は遠くから、たまに近くから見守っていました。

今や彼女は立派な大学生で、パートナーにも恵まれて、しあわせな日々を過ごしているようです。この前飲みにいったときに言われたのが、「私の人生のなかで横山さんの影響は大きい」ということ、そして、「こんなにも関係が続いている人がいない」ということでした。



もちろんちゃんと彼女に恋をしていた時期があったし、そのときより求めていたのはへドニアだったけれども、彼女の背負う荷物の中身を見たあたりから、それは徐々に小さくなっていきました。

彼女をどうにか助けたい。

人生の夜明けを迎えて欲しい。

そんなことを願い始めたからです。

彼女に寄り添い続けた結果、ちゃんと彼女の人生に夜明けは訪れたし、ありがいたことに僕に感謝の言葉を贈ってくれたし、僕という存在を特別視してくれるようになりました。そのときに抱いたのは、紛れもなく、ユーダイモニアでした。


🏨息の長いしあわせを。

仕事を選ぶときにも、自分のなかに息の長いしあわせをつくることを意識していました。僕は教育学部だったので教員になることが正解だったわけですが、長い目で見たときに今じゃないなと思うようになったのです。

今の自分がより自分らしく在れる仕事は教師ではないなと、このnoteのキャッチコピーのように「つくる。とどける。つながる。」を繰り返したい僕だから、たくさんの人と出逢える、思いを届けられ、絆でつながれる、自由な働き方を、生き方を追求してみたいと思ったのです。

僕が選んだのは、ゲストハウスのマネージャーでした。おかげさまで今は、日々いろんな人と出逢い、たくさんの物語に触れています。

次のクリスマスにはまた本のイベントでもやろうかなと、昨夜考えていました。そういうアイデアをすぐに実現できる場所で、僕は今、仕事しているんです。



お酒も好きだし、恋をする(ときめく)し、おいしいご飯を食べたらちゃんとしあわせを感じる僕だけれど、自分の意識のなかではへドニアよりもユーダイモニアを追求していると思っていて、これからもあらゆる領域でそれを追いかけにいくつもりです。

絶対そっちの方が面白いし、有難いしあわせを感じるから。

息の長いしあわせを追求する意義を語ってきました。まだまだ僕も青二才だけれど、あなたが、生きる上でのヒントをこの記事のなかに見出してくれたなら幸いです。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20241204 横山黎














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