NEC PC-9001NR13①
あらまし
あれは、1995年11月23日。
記念すべきWindows95の発売日だったのだけど、この日だけは札幌でも異常な盛り上がりだったのを記憶している。OS販売なのに態々STVホールで特設販売会を実施するほどで、どこかのタレントも態々北の地に来ていたという話もあったほど。
そんなお祭り騒ぎのなか、丁度Widows3.1からのアップグレード対象という事で買った当時の売れ残り品の1つが、今のところウチで唯一の「キューハチ」こと「PC-9821Nd」だった。
DSTN液晶を搭載した486SX-33機。
確か、9821シリーズになってカラー化が強調された2世代目。
筐体は先代を踏襲したものの、汎用バス端子を取っ払い、拡張はPCカードのみに。9821シリーズなのに音源は無いままで、その代わり少しお安くしたモデルで買った時は約10万円ぐらいだったかな。
本体底にメモリとCPUユニット用のふたがあって、オプションで増設メモリや486DX-75ユニットが搭載できた。但し、486DX-75にするとバスクロックが33MHz→25MHzにダウンされて、UPG感がそんなにないという罠があったりする。
NECって「キューハチ」に関しては、何も考えずに手あたり次第新製品を出して、力業でシェア維持を狙っていた印象が強い。(^^;
その後、関東に引っ越した為、当時アマ無線にハマっていた親父殿が、無線ログを採るのに「キューハチ」が必要だったとのことで当機を譲り、ん10年後、要らなくなって放置されていたのを再び回収したのだった。
だた、バッテリーは既に腐ってしまっていて、据え置きにしても使用用途が思いつかず、邪魔だとして数年前にヤフオクでドナドナしていった。今思えば借金苦で失敗した売却だったなぁと思ってる。
この間、とあるCD-ROMが発掘されて、どうしてもやりたくなった(笑)、ので「キューハチ」の出物を探すことになった。
ファルコムの「英雄伝説III RENEWAL 白き魔女」。
中身はすっかり忘れているが、世界を救うソレではない「巡礼旅」がベースなので面白いというより「心に残った」というRPG。
<そこに使いたいソフトがあるから、PCを復刻する(キリッ)>
DOSソフト類やPCカード類は一応あるので、とりあえず探りを入れてみた。
ヤフオクを覗くと、「キューハチnote」は1円(送料別)からあることが分かったが、それらのジャンクは大体液晶不良か、バッテリーかコンデンサからの液漏れがあるのが多い上に動作未確認という筋金入り。(笑)
一方で、天板に「KYOTOなんとか」というステッカーが貼られた、大学や企業から流れたようなものもあったり、なかなかのカオス感。
「ふっ、面白い。」
その当該機は残念ながら落とせなかったものの、勢い余って落としてしまったのが、
1997年発売のNEC製「PC-9821Nr13/D14」。
見ての通り、DSTN液晶が最悪的にやばい。
ちょっとにおいも醸しているビネガー変質だけでなく、内部フィルターに薄くヒビがあることが確認できた。
ヤフオク上の写真はボケすぎていて、状況は殆ど確認できなかったけど、バックライトはついていて液晶端側がわずかに黒く表示されている点、その下のステータス表示液晶にエラーなどが出ていなかった点から「稼働品」と判断して2980円(送料込み)で落札。ACアダプタとファイルベイCD-ROMが付いてきたのは大きいかな。ACアダプタ代としても元が取れた。
このモデルは背面にVGA端子があるので、付属したACアダプタ動作確認のためにつないだところ、メモリチェックが走りエラーなし。
ビンゴの稼働品だった。しかし、
ファイルベイFDDに異音。FD入れたら出せなくなった。(^^;
シャッターがズレてたのを直したらイジェクトができるようになったが、モーターだけが空回りしているような音がしているので、たぶんアレかと予測。しかし、CDブート機能がない時代の製品なので、FDDがないと何もできない事態に。バッテリーは充電不可。まぁ年代を考えればだが、漏れも無し。
内部記憶バッテリー死亡状態。
HDDなし。マウンタもないのは年代からするとツラい。HDD規格自体は2.5吋IDEなのでどうにでもできるが、そのIDEからNEC独自端子にする変換基盤の入手が今は困難。
コミュニケーションベイは空きなので、ネットワーク端子なし。
当初、DSTN液晶パネルの修復を考えていて、ネットを漂って調べていたのだけど、見つけたこれに書いている理由で即断念した。
当時、フルカラー(1677万色)化が先に達成したのはDSTN液晶で、上位モデルにあったTFT液晶は26万色。それでいてお値段が2~3倍と超高価だった時代。なので、NECだけでなく他所もDSTN搭載ノートPCが流行った訳だけど、仕組み上必要でTFT液晶にはないフィルターがあって、それが「位相差フィルム」。これを電気的に調整する機能が、DSTN液晶モデルに大体ついている、画面横の調整ボリューム。
修理するにしても、偏光板を張り替えるだけでなく、そんな特殊な構造のフィルターの入手は当然不可能で、同型パネルそのものをニコイチ交換するしか方法がなかったのだ。。。
というわけで、腐った上半身を大急ぎで排除して封印し、下半身単体でとりあえず動くようにしたのが、仮称「PC-9001NR13」である。(笑)
PC-8001mkIISR以来12年ぶりの、キーボード一体型ですくとっぷ機(笑)
98文化として、ひたすら変換ケーブル必要になったことがあるけど、困ったときに変換ケーブルなしでディスプレイに出せるメリットは、古いモデル程大きいと思う。
これから
で、これからの目標としては、
FDDは一応フルメンテナンス実施してみる。
HDDはなんとか内蔵したい。
元々FM音源がないモデルなので、なんとかしたい。(PCカードはある)
スリープボタンはいらないので、無くなったリセットボタンに改造できないかなとか。
というところ。
異論はあるかもしれないが、復刻するにもいろいろ形はある。自己責任だけどジャンクはこれだから面白いのだ。
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