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「ライフワークはタダでもやるべき」週休3日のフリーランス編集者に聞く、“ゆるく働く”コツ

「好きを仕事にしているあの人の物語」をテーマにインタビュー記事を投稿する「one's story」。

今回は、私が所属していた「書く」+αを学べるオンラインスクール『Marbleスクールの講師であるえるもさんにインタビューを行いました。

「私は“ゆるく働きたい”とつねづね思っている。(なんなら働きたくない)」と公言しながらも、メディアの編集者やコンテンツディレクター、講師業など、忙しく働いている(ように見える)えるもさん。

“ゆるく働く”を実現するために、無理なく働くコツについて伺いました!

えるも
新卒でアフィリエイトの営業を経験後、新規事業立ち上げを担当。女性キャリアや複数の事業に携わる。新卒3年目のタイミングでフリーランスライターとして独立。
現在はメディアの編集長、編集者、コンテンツディレクターなど、コンテンツ制作を中心に幅広く活動中。法人で編集プロダクションを運営。ライタースクール『Marbleスクール』にて運営・講師も務める。

ライターは私の“天職”ではなかった。記事添削を500本以上行った副業時代

——えるもさんは現在、メディアディレクターや編集者として活躍されています。具体的なお仕事内容を教えてください。

主にWebメディアの運営を行っています。クライアントに寄り添って、誰に何を届けたいのかを考えたうえで、メディアのコンセプトを考えたり、数値分析をして改善をしたり。

ほかにも私自身が編集者として記事の編集に携わることもありますし、『Marbleスクール』の運営・講師も務めています

——業務内容が多岐にわたりますね……! どのような経緯で今の仕事をやるようになったんですか?

新卒で入社したWeb広告会社で、上司から教えてもらったことをきっかけに、ブログに本腰を入れたのが始まりです。同年の秋ごろから、副業としてライティングの仕事も始めました。

約1年後には、編集者としての活動も始めました。女性向けキャリアスクール・SHElikesで「添削アシスタントをやらないか」と声をかけてもらって。副業ながら500本以上の記事の添削を行ったので、このときの経験は現在の編集者としての礎になっています。

その後、2020年の11月にフリーランスとして独立しました。

——添削記事500本以上!? すごい本数ですね! なぜライターから編集者に転身しようと思ったんですか?

「ライターは私の“天職”ではなかった」と気付いたからです。

多いときは月に十数本ほど記事を書いていたのですが、来る日も来る日も記事を書くなかで、「なんでわたし、こんなに記事を書いてるんだっけ?」とふと我に返って。

ライティングはあくまで好きなことを伝えるための「手段」であると気付いたので、コンテンツディレクターや編集者として携わることに決めました。それからは、ライターと二人三脚で記事を仕上げたり、企画をクライアントに提案したりして、編集の実績を増やしていきました。

セルフブラックを経て見つけた、仕事時間の“マイルール”

——SNSの投稿からも、現在のえるもさんはプライベートと仕事をうまく両立されている印象を受けます。独立当初、働き方において苦労したエピソードはありますか?

副業で受けていた仕事をそのまま本業にしたので、収入がガクンと下がった時期は苦労しました。独立当初は金額感もわからず1本3000円以下で受注していたので、稼働時間を加味するととても非効率でしたね。報酬と働く時間が見合っていない。いわゆるセルフブラックでした。

——セルフブラック……。フリーランスあるあるですよね。

そうですね。独立して2年目には編集長のポジションを任せてもらえるようになったのは良いものの、さらにマルチタスクが増えてパツパツ状態(笑)。当時はメディアを5つも担当していたので、つねにいろいろなタスクを同時進行でこなしていて……。

自分1人では捌ききれず、クライアントに迷惑をかけてしまったこともありました。そのときは、うまく仕事に向き合えなかったり、夜眠れなかったりと、メンタル的にも苦しかったですね。

——苦労された経験を経て、現在はどのような働き方をされていますか?

休みの日をしっかりと定めています。私の場合は水曜・土曜・日曜と、週休3日にしていて、「どんなに忙しい時期でも日曜だけは必ず休む」と決めていますね。仕事から離れる日を週に1日でも作るために、他の日にがんばって仕事を終わらせるようにしています。

反対に、「22時以降は仕事しない」といった時間の制限は設けないようにしていて。私は夜のほうが仕事が捗ることも多いので、稼働時間を固定化せず、その日の体調やモチベーションに合わせて対応しています。

——休日は決めても、稼働時間は制限しないんですね! とても勉強になります。ちなみに、案件を受けるうえでの、取捨選択の基準はありますか?

自分の感情に素直に従うようにしています。好きだと思えなかったり、得意ジャンルではなかったりする場合には、お断りしていますね。

逆に、それ以外の案件は基本的に受けようと思っていて。私1人では手がまわらないので、編集部をつくり、ライターさん、編集者さん、ディレクターさんと一緒にチームで取り組むようにしています。

——チーム化をされているんですね。

そうですね。もともと私は、「自分で全部やりたい病」が発症しやすくて……(笑)。

取材も編集もディレクションも、全部自分でチェックしないと気が済まなかったのですが、そうすると私のせいで業務がストップしてしまう悪循環に陥ってしまうんですよ。

なので、セルフブラックを経験してからは「人に任せる」と決めて、信じて任せられる人をどんどん増やしていっています。チーム化の仕組みを取り入れてからは、自分が仕事にあてる時間を減らせるようになりました。

ライフワークとライスワークのバランスでヘルシーに働く

——えるもさんは、編集者として猫にまつわるコンテンツにも携わっていますよね。好きなことを仕事にするにはどうすればいいですか?

そうですね。私も好きなことに関しては自分の相場よりも低い報酬で受けることがあります。ただ、それだけでは生きていけないので、ライスワークとライフワークの両方をバランスよく受けることで、ヘルシーに好きな仕事にも取り組めると思いますよ。

——ライスワークとライフワーク……?

ライスワークは食べていくための仕事、ライフワークは趣味や生きがいとなる仕事です。ライスワークだけに偏っても心が疲れてしまいますし、ライフワークだけだと収入の柱としては心許ない。

フリーランスはどうしても目先の収入を求めてライスワークを受けてしまいがちですが、ライスワークだけに絞ってしまうと、価値や成果ばかり追い求めて情緒が失われていく気がするんです。そうすると、書くことが楽しくなくなってしまうので、自分自身に向き合える時間を持つことができるライフワークを適度に取り入れています。

——なるほど。ライスワークとライフワークの理想のバランスはありますか?

全体の時間の3割をライフワークにあてるのが理想ですね。保護猫活動やボランティア、旅の発信など、少しずつ仕事以外の活動枠を増やしていくといいと思います。

——ボランティアで受けることもあるんですね。仕事を受ける基準は何なのでしょう?

もちろん最初はボランティアでも、いつかは仕事として成立させていけるとベストです。私の場合、ライフワークに関しては3つの軸を決めて受けています。心地よく働ける報酬か、今後のキャリアに役立つか、そして私自身がその事業を応援したいか、です。

——ちなみに、条件に合わない仕事の場合、えるもさんはどのように断っていますか?

私はきっぱり断ることはしていなくて、自分が受けられない案件でも必ず他の人を紹介するようにしています。

たとえば、医療などの私の専門外の記事制作の依頼をもらった際は、私よりも知見が深いライターさんをご紹介しました。断って関係をその場で終わらせてしまうのではなく、知り合いを紹介して、私自身が窓口になる工夫をしています。

——たしかに、その断り方ならまた新しい仕事に繋がる可能性もありますね。最後に、えるもさんが今後目指していきたい姿を教えてください。

私自身がたくさん働かなくても、ある程度の収入が得られるる仕組み作りをしていきたいですね。ライフイベントを考えたときに、フルタイムで働けなくなる時期も出てくるじゃないですか。そうなったときに無収入では困るし、これまでに積み上げたキャリアがゼロになってほしくはない。

そのためにも、私が立ち上げたライターチーム「ネコノテ編集部」を強化することを直近の目標としています。最悪私がいなくても案件がまわり、クライアントやメディアの実績に貢献できる状態にするのが理想です。

編集後記

「週休3日のフリーランス編集者」という働き方に憧れつつも、「本当に実現できるの?」と半信半疑だった方もいるのではないでしょうか?

フリーランスとして働く上で、誰もがぶつかる壁が「収入の不安定さ」と「仕事量の調整」です。つい、目先の収入にとらわれて無理に案件を受けてしまいがちですが、えるもさんのように「週休3日」と決めて自分の時間を確保したり、「チーム化」で業務を分担したりすることで、心に余裕を持って働き続けられるのだと感じました。

また、「ライスワーク」と「ライフワーク」のバランスも、心にゆとりを生むための大切な視点です。収入を得るための仕事だけでなく、自分の好きなことを仕事にすることで、モチベーションを維持しながら、より充実した働き方を実現できるのではないでしょうか。

今回のインタビューが、フリーランスとして、自分らしい働き方を見つけるためのヒントになれば幸いです。

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