「実家が裕福な慶應ボーイ」と囁かれる理由。幼稚舎から慶大卒業後の、彼らの進路は…
東京カレンダーデート 慶應義塾のすべてより引用。
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「実家が裕福な慶應ボーイほど、大成しない」と囁かれる理由。幼稚舎から慶大卒業後の、彼らの進路は…(1/4)[東京カレンダー | グルメ・レストラン、ライフスタイル情報] (tokyo-calendar.jp)
言わずと知れたトップレベルの国内私立大学、慶應義塾。
首都圏に6キャンパス。付属校も10校ほどあり、有名私大の中でも強烈な存在感を放っている。
また「とにかく縦の繋がりが強い」ともいわれ、大企業や官庁には、慶應三田会による“三田閥”という学閥が存在するところも。
就活だけでなく卒業後にも有利に働くことの多い“慶應ブランド”を求め、早期から幼稚舎受験や中学受験に勤しむ家庭も少なくないのだ。
この連載では、幼稚舎から慶應義塾大学まで在籍した白取まなぶ氏が、慶應義塾のリアルについて解説していく。
9回目となる今回のテーマは、王道慶應ボーイのリアルについて。幼稚舎から慶應に入学した生徒が、どんな学生生活を送り、そして卒業後はどんな進路を歩むのか。
リアル慶應ボーイの白取さんに、教えていただこう。
▶前回:幼稚舎生にはお金持ちしかなれない!?6年間の学費“808万円”以外にも、大金が必要になるワケ
▶他にも:若葉会と並ぶ御三家幼稚園・枝光会の真実。合格を勝ち取るために、親が気をつけるべきことは…
白取まなぶ氏 プロフィール
幼稚舎から普通部、塾高を経て慶應大学と、16年間慶應義塾に通った経験を持つ。卒業後は東証一部上場企業で会社員をしながら、執筆活動を行う。
Amazonにて、『幼稚舎を卒業した僕だから語れる「慶應義塾幼稚舎」』などの著書を販売中。
▼INDEX
1. 幼稚舎上がりの子どもたちは、どんな学校生活を送る?
2. タレントや芸能関係者の子どもが多い、幼稚舎では…
3. 慶應生の就活事情
4. 幼稚舎出身者と、それ以外の慶應生。進路に違いはある!?
幼稚舎上がりの子どもたちは、どんな学校生活を送る?
今回のテーマは、王道慶應ボーイのリアル。
幼稚舎から慶應に入った人間がどのような学生生活を送り、そして大学卒業後はどういった暮らしをしているのか、紹介していきましょう。
慶應ボーイは中学と高校、そして大学の計3回、外部生が合流する環境に身を置きます。
6年間クラス替えがない幼稚舎を経て、普通部から塾高に上がると、1学年は18クラスにもなります。
700人以上もいる塾高では、内部生であっても「同じクラスに、深い付き合いのある人がほとんどいない」ということも多いのです。
そのため、クラス単位というよりも部活単位で密な人間関係が形成されます。そこに内部生・外部生はあまり関係ありません。
では幼稚舎生が、いざ大学卒業を控えてその後の進路を選択しなければならなくなるとき。はたしてどんな道を選ぶ人が多いのでしょうか?
タレントや芸能関係者の子どもが多い、幼稚舎では…
幼稚舎を経て慶應大学を卒業した学生が、どんな就職先を選ぶのか。
1つ目は親が開業医である学生が、病院を継ぐために医者になるパターンだ。
過去の連載にも書いたが、内部進学で慶應医学部への推薦を獲得するのは至難の業である。学年トップクラスの成績を3年間維持しなければならないからだ。
そのため幼稚舎出身で医者を目指す人の多くは、浪人してでも他大学の医学部を受験する。この進路で医者になるという人は、毎年数人はいるのではないかと思う。
また医者以外にも、家業を継ぐという人もいる。どんな商売をやっているかは千差万別だが「親も代々慶應で…」というような人は幼稚舎に多い。
老舗といわれるような商売をやっている家に生まれ、大学卒業後すぐ実家の店で働き始めるケースだ。
「クッション」として一般企業への勤務を挟むケースもある。ありがちなのは、付き合いのある銀行などで数年働き、30歳手前で家に戻るといったパターン。
それが良いことかどうかはさておき、日本的なファミリー企業ではあるあるなのかもしれない。
そのほかにも歌舞伎俳優など、伝統芸能の世界の子息もいる。
歌舞伎の場合、男に生まれた時点で家を継ぐことが決まったようなものである。そのため幼少期から稽古があったりと大変だ。
私の直接の知り合いに、歌舞伎関係者はいなかったが…。聞いた話では、1ヶ月間歌舞伎座で出番がある場合は、なかなか学校にも行けないそうだ。
その辺は先生も入学前からわかっているであろうし、うまくサポートしながら対応しているのではないかと思う。
将来の道が決まっている歌舞伎俳優であれば、学歴は関係ないという意見もあるかもしれない。ただ豊かな感性を磨くためにも、歌舞伎の世界以外で様々なことに触れ合うのは大切だと私は思う。
また受験もなく、長期的に休む必要がある歌舞伎関係の人にとって、幼稚舎に通うメリットは大きいのだろう。
その他には国会議員など、政治家の子どももいる。
さすがに1学年に何人もいるわけではないと思うが、子息を幼稚舎に入れたいと考える政治家は多いのではないかと思う。
そしていわゆる世襲議員として、親の選挙区を継いで立候補するというケースが多い。
数年の間だけ民間企業で働き、その後は議員である親の秘書を務め、満を持して立候補というパターンが王道だろうか。
一般的には想像もできない世界であるが、そういった家に生まれた子どももいるのが幼稚舎という学校だ。
その他には、親が芸能関係者というパターン。俳優やフリーアナウンサー、歌手など…。タレント活動で売れている著名人の娘や息子も、幼稚舎には多い。
1クラスに2~3人程度いる場合もあるだろう。
では、彼らはどんな進路を歩むのだろうか?
多数の例を知っているわけではないため、統計としての信ぴょう性はないものの、やはり親と同じような世界で活動している人が多い印象だ。
具体名の記載はしないが、多くの方が知っているであろう有名人の子どもが多く通っているし、私の知り合いにもいる。
彼らの中には親とは全く違う道を歩んでいる人も当然いるが、親と同じ業界を目指して活動している人が多い。
「2世俳優」などという言葉があるように、幼稚舎に限らず、芸能人の世界では多いことなのかもしれない。
しかしながら芸能界で親以上に活躍するというのは、なかなか厳しいように思う。
幼稚舎に入る人間は「親が敷いたレールの上を歩いてきた」という人が多い。
そのため「なんとしても、この世界で売れてやる!」というような野心を持っている人が、それほど多くないように思うのだ。
だからこそ、ハングリー精神という面で親を超えられないのではないかと、私は感じている。
◆
ここまで紹介してきた例は、あくまで少数派だ。
クラスの大半が芸能人や政治家、経営者の子どもということは全くない。また仮に、そのような家に生まれたとしても、全員が親と同じ道を目指すわけではない。
世間の大学生と同じように、幼稚舎卒業生の多くは大学在学中に就職活動をして企業に入るのだ。
慶應生の就活事情
慶應生が就活で目指す会社の傾向としては、新進気鋭のベンチャー企業よりは、いわゆる大手企業を志望する人が多いように思う。
たまたまかもしれないが、私の知り合いは銀行や証券会社、保険会社など金融系の会社に勤めている人が多い印象がある。
手堅く安定したイメージのある職が人気なのは、どの学校も同じだろう。
また家業があるわけではないが、就職しない人もいる。
例えばエンタメ系の分野で脚本家や演出家などを目指したり、スポーツ選手として成功を目指す人だ。
特に親が芸能関係でない人でも、タレントとして有名になった幼稚舎卒業生も多々いるし、エンタメや芸術関係に強いというのは昔からあるように思う。
その理由としては、やはり受験から解放された16年間を過ごせるというのが実に大きいのではないだろうか。
幼稚舎出身者は進路に不安を抱えながら受験勉強に勤しむ生活ではなく、学校の勉強はほどほどに、浴びるように映画を観たり音楽を聴いたりできる環境にいる。
大学生になってようやくそういった生活ができる人は多いと思うが、より感性が鋭い中高生の段階から趣味に囲まれた生活を送れる方が、芸能関係で食べていくには有利だろう。
また、実家の金銭的な豊かさも関係してくると思う。
会社に入って毎月決まった給料をもらえる環境とは正反対の、いつ売れるかわからないような仕事をするには覚悟がいる。
本当のところはわからないが、親からの援助を受けながら活動をしている人も0ではないだろう。
だが大事なのはそういった表面上のことではなく、本当に大変な事態になったときの安心感だ。
要するに「全く売れずに40歳や50歳になったとしても、親の遺産などでなんとかなるだろう」という気持ちを持てるかどうかである。
例えば幼稚舎出身者の中で、自分の奨学金が返せず悩む人は限りなく0に近い。
金銭的なリスクを抱えている環境では、中々チャレンジできないのが現実だ。その点、幼稚舎に通える家庭の子どもは非常に恵まれているといえる。
死なない範囲で挑戦して失敗したとしても、心のどこかで「なんとかなる」という安心感を持てるからこそ、大きなチャレンジができるのだ。
また芸能関係ではなくても、自分で事業をおこす人も中にはいる。
私の知り合いにも自分で会社を立ち上げている人もいるが、その行動力は素直にすごいと思う。しかし、そういった人はあまり多くない。
やはり多くの幼稚舎生に足りていないのは「何がなんでものし上がってやる」というような野心だ。
むしろ幼稚舎に子どもを通わせる親の方が、野心家であることが多いのではないだろうか。彼らの中には、一代で財を成した実業家やタレントもいるからだ。
自分はいろいろと苦労してきたからこそ、子どもには幼稚舎から慶應に入ってもらい、のびのびと過ごしてもらいたいという親心なのかもしれない。
上記のように、幼稚舎は野心を育みにくい環境であると思う。
そのため我が子に会社を継いでもらい、事業をさらに大きくしていってほしい場合、幼稚舎に入れるのが最適解なのかは考える必要があるだろう。
では中学や高校、大学から入った生徒との進路の違いはあるのだろうか?
幼稚舎出身者と、中学以降に慶應へ入ってきた生徒。進路に違いはある?
幼稚舎出身者と、それ以外の慶應生。進路に違いはある!?
幼稚舎出身者とそれ以外の慶應生で、進路がものすごく異なるかといえば、そうではないと思う。
ただ幼稚舎出身者と比較すると、一般家庭で育ってきた人の数が明らかに多い。そのため大学卒業後の進路も、より一般的で堅実であるといえる。
また普通部出身者は、中学受験を経て基礎的な学力がついていたり、努力することの大切さを理解している人が多い。
そのため幼稚舎生と比較しても、内部進学で慶應医学部へ進む生徒の割合は多いはずだ。
また霞が関に勤めるような国家公務員や法曹の道へ進む人の割合も、同様である。
中学受験以降は本人の実力がすべてだ。
そんな環境でライバルを蹴落としてきたからこそ、卒業後の進路についても早い段階から準備するような人が、幼稚舎上がりよりも多いのだろう。
最後に、幼稚舎卒業後のクラスメイトや先生とのつながりについて紹介したい。
卒業後も定期的に同窓会をする機会があるかどうかについては、担任の先生によるところが大きい。担任の付き合いが良い場合であれば、先生を交えた同窓会が開催されることもあるだろう。
また、その先生が受け持ってきた歴代の生徒たちが、合同で集うイベントが開かれる場合もある。そこで年の離れた人と知り会うことができるのは、幼稚舎ならではのメリットだといえるだろう。
当時、オフィシャルに近い形で幼稚舎同級生が一堂に会するイベントとしては「二十歳の会」があった。要するに、成人をお祝いしようという集まりだ。
とはいえこれも、学校側が開催するものではなかったと思う。有志の保護者が中心となって、開かれる会だったはずだ。
それ以外にも幼稚舎では、学校全体の同窓会が毎年開催される(卒業生と、その家族が参加可能だったと記憶している)。
毎年、学生の実行委員が中心となって開催される会ではあるが、参加するのは卒業間近の学生と、結婚して家族ができた世代の卒業生が多いように思う。
まだ独身で就職直後の20代の世代は、それほど参加しない。
子どもが楽しめる催しがあるからというのもあるが、先生方へ「子どもができました」という挨拶をしたいというのが、最も大きな理由だ。
いずれ受験をし、幼稚舎を目指すかもしれない自分の息子を早い段階から紹介しておき、存在を認識してもらうのだろう。
もちろん、それをしたからといって合格するわけでは当然ないだろうが、我が子を紹介しておくというメリットは大きい。
ある意味、受験はそこから始まっているともいえるのだ。
親が幼稚舎出身者でないと合格できない学校ではない、ということは改めて強調しておきたい。
ただ実態として「幼稚舎に合格できる家庭には、慶應関係者がいる」というのは、こういった集まりも影響していると私は考えている。
▶NEXT:6月26日 月曜更新予定
次回、最終回。慶應一貫校のメリットとデメリットとは
▶前回:幼稚舎生にはお金持ちしかなれない!?6年間の学費“808万円”以外にも、大金が必要になるワケ
筆者は以前、下記のようにTV番組「川口探検隊」で昭和期に有名だった、
生前の川口浩氏のマンションに居住していた。
岳父がこのマンション管理会社の社長だったからだ。
家賃は1LDKで50万円ほど。分譲で購入していたのでその間取りで5000万ほどだったと記憶している。その支払いは当然のごとく岳父。
駐車場は5万で、ベンツ、ジャガー、BMWほか高級外車しかない。
筆者のスカイラインGT-Sでは気恥ずかしい気持ちにさせられたものだ。
俳優・川口浩氏は、東京都文京区春日にある父・初代直木賞作家、川口松太郎邸の広大な敷地を利用して、総工費7億円(現在の貨幣価値だと10倍ほどか?)を費やして1964年(昭和39年)10月1日に開業した自宅兼デラックス賃貸および分譲マンションである川口アパートメントの運営を執り行った。
入居者として1960年代には栗原玲児・藤村有弘・水谷八重子・水谷良重親子、1970年代に差し掛かる頃には加賀まりこ・安井かずみ、1980年代には月丘千秋、また1972年(昭和47年)より千葉真一・野際陽子夫妻が住んでいた。なお野際は1994年に千葉と離婚後も引っ越すこと無く、2017年に死去するまで生涯同アパートメントに住み続けた。
この松太郎氏の長男の浩氏と次男の厚氏は、慶應義塾幼稚舎、慶應義塾普通部を経て、慶應義塾高等学校を卒業して、俳優の仕事に就いていた。
何度か、マンションでお会いして、食事をしたり、パーティーがあったり、もちつき大会などの行事に参加したが、とにかく、このご一家は途方もない大富豪なのである。
当時、その模様を撮影した8mmがまだ現存していると思う。
まだ女子大生だった妻は、こちらの住まいの野際陽子氏ら女性芸能人らに、
よく服を頂いたりもした。
シンガーソングライターの吉田拓郎氏などの著名人も出入りしていたと記憶している。中庭には、豪華なレストランがあり、政財界の人たちで賑わっていたようだ。
これを知ると、慶應幼稚舎の人たちが、いかにセレブなのかということが理解できた。庶民とは別世界の異次元の人たちなのである。
幼稚舎に行けるような人は、正直言って、貴族階級のような人たちと実感した。それ以外にはなんの感慨もない。
家族で食べる一食分が何10万もかけられるような人たち。
100万単位でなんの気兼ねなく、買い物ができる人たち。
庶民は知らない方がいい。
知ったら、その格差に驚いてしまうか、もしくは、嫌気がさすだけだ。
最後まで、お読み下さり、ありがとうございました。よかったらスキ、フォローよろしくお願いします😉