【社会の敵ナンバー1】セックス・ピストルズ 右翼に襲撃された直後のテレビ発言にて

1777年5月。セックス・ピストルズがセカンドシングルの「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」をリリースしてチャートの2位となると、彼らは右翼集団らに命を狙われます。

国粋主義者のナショナル・フロントに暴行を受けました。

ドラムのポール・クックは地下鉄構内で、鉄パイプで頭部を激しく殴られて20針を縫う大けが。

ジョニー・ロットンは集団に囲まれ、刃物で脚部や腕を刺されてやはり重症を負い、後遺症がいまだにあります。

さらに、プロデューサーのクリス・トーマスまでもが、駐車場で襲撃されています。彼の妻だった日本人のミカさん(サディスティック・ミカ・バンド)と逃亡して、助かったのですが。

体格の良い、スティーブ・ジョーンズとシド・ヴィシャスは難を逃れたようです。

この事件でピストルズは解散を余儀なくされると思った矢先のテレビ出演がこちらの動画です。

ジョニー・ロットンは、自分たちを封じ込もうとする右翼勢力に対して、そして、体制側をさらに挑発して徹底抗戦を宣言します。

「オレたちがポシャッたと思ったろ! ところがどっこい、こちとらはビンビンだぜ!!」

スティーブはさらにこう付け加えて、余裕の笑みで乾杯のポーズ。

「女王陛下万歳ですぜ。ニヤニヤ」


こうして、彼らは命を懸けて、真実のために、国家権力と政府に立ち向かい、世界中の偽善者たちに向けて反旗をを翻すことに挑むことになりした。

ジョニーは、日本の取材陣に対して、さらに不敵な意味の言葉を残しています。


「オレたちが国家反逆罪で、ブタ箱に入れられないのがマジで不思議だぜ!!」

「オレたち労働者階級の貧乏人のガキどもの人権を踏みにじる、貴族や学校や教師どもを許しちゃおけねぇ。オレたちには生きる権利がある。言いたいことを言ってやりたいことをやる。女王も政府もキリスト教も、クソッタレよ。オレたちを洗脳して無能化させるやつらをぶっ壊してやるからよ!!」

彼らのデビュー作となる「原題・Never Mind the Bollocks Here's The Sex Pistols (くだらねーことなんか気にすんな。セックス・ピストルズ参上!)」がナショナルチャートで初登場1位をマークしてイギリス中が大騒ぎになったのは、そのわずか、数か月後のことでした。

若者たちの多くは学校を出ても仕事はない。
わずかな失業手当で食をしのぐ生活。
今の日本のような格差がまじまじと見受けられました。
階級ガチャとでも言うのでしょうか。

それは、虐げられていた、それまで国の言いなりとなっていた、迫害や差別を受けていた下層階級のイギリス国民の多くが、実は政府や王室でなく、そんな彼らを支援していたというエビデンスでもあったということです。

パブリック・エネミー・ナンバー1。

良識ある人々からは忌み嫌われた彼ら。

非常識なバンド名に非常識な服装。非常識な言動と、どれをとっても、彼らには社会の害毒というレッテルが貼られていました。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集