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筋力低下へのアプローチ わかりやすく解説!
筋力低下の改善は、リハビリにおいて避けては通れない重要なテーマです。この記事では、筋力トレーニングの仕組みや工夫について、具体例や数字を交えながらわかりやすく説明していきます。「筋トレは難しそう」と思うかもしれませんが、シンプルに整理すれば理解しやすいです!
筋力がアップする仕組みを簡単に解説!
筋力には「絶対筋力」と「筋断面積」の2つの要素があります。この2つが増加することで、筋力が強化されるのです。
1. 絶対筋力
絶対筋力は、神経系の働きによって筋肉がどれだけ効率よく力を発揮できるかを示します。たとえば、トレーニングを始めた最初の20日間は、この絶対筋力が急激にアップする時期です。なぜなら、神経が効率的に働くようになることで、筋肉がより効果的に収縮できるようになるからです。
• 例: 初心者がトレーニングを始めた場合、筋肉量は変わらなくても重いダンベルを持てるようになることがあります。これが絶対筋力の向上です。
2. 筋断面積
筋断面積とは、筋肉そのものの太さや量のこと。トレーニングを続けることで筋線維が肥大し、約20日目以降から徐々に大きくなります。
• 例: トレーニングを続けて1~2か月経つと「筋肉がついてきた」と感じるのは、この筋断面積が増えた結果です。
筋力トレーニングの実践例
トレーニングでは、筋肉を正しくターゲットにすることが重要です。具体的な方法を2つの例で見ていきましょう。
1. 足関節底屈筋(ふくらはぎの筋肉)のトレーニング
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は、歩行時の蹴り出しに大切な役割を果たします。しかし、この筋力が低下すると、代わりに他の筋肉が働き、効率が悪くなることがあります。
方法:
• **母趾球(足の親指付け根)**に負荷をかけると、目的の筋肉ではなく、腓骨筋が使われやすい。
• 一方で、第2・3趾の間に負荷をかけると、ふくらはぎの筋肉が効率的に働きます。
実践例:
Aさんがふくらはぎの筋トレを行う際、親指側に負荷をかけると、動きが不自然になることがありました。そこで、負荷を第2・3趾の間に調整したところ、自然な足の動きが戻り、効果的なトレーニングができるようになりました。
2. ブリッジ動作による股関節のトレーニング
背臥位(仰向け)のブリッジ動作は、お尻の筋肉(大殿筋)を鍛えるために効果的です。しかし、正しい方法で行わないと背中の筋肉がメインで働いてしまい、期待した効果が得られないことがあります。
方法:
• 上肢(腕)で床を押さないようにし、頭を少し上げる。
• お尻を高く上げるのではなく、骨盤を後傾させる動きを意識する。
実践例:
Bさんは、ブリッジ中に腰を反ってしまい、背中ばかりが疲れていました。そこで、理学療法士がBさんのお腹を支えながら骨盤の動きを調整すると、大殿筋をしっかり使えるようになり、翌日には「お尻が筋肉痛になった」との声がありました。
トレーニングを継続するために
筋力トレーニングは1回で終わるものではなく、継続が重要です。特に高齢者や入院患者の場合、数か月から数年にわたって理学療法が必要になることもあります。
継続のポイント:
1. 目標を設定する
• 例: 「3か月で5kgの重りを持ち上げられるようになる」
2. 進捗を記録する
• 日々の変化を実感することでモチベーションを保てます。
3. 無理のない負荷設定
• 負荷が強すぎると代償動作が起きやすくなるため、少しずつ負荷を上げていきましょう。
参考文献
1. 鈴木俊明:「再考 理学療法基本技術」関西理学、10: 1–4, 2010年.
2. 幸田利敬:「筋力トレーニングについて」運動生理、9: 131–138, 1994年.
3. 福永哲夫:「ヒトの絶対筋力」杏林書院, 1978年.
4. 大工谷新一:「理学療法における筋力トレーニングの考え方」Sportsmedicine、135: 22–32, 2011年.
5. 川野哲英:「ファンクショナル・エクササイズ」ブックハウス・エイチディ, pp. 80–81, 2004年.
6. 藤本将志 他:「立位における側方への体重移動の変化が移動側大殿筋の筋電図積分値に及ぼす影響」関西理学、7: 71–74, 2007年.
7. 鈴木俊明 他:「The Center of the Body—体幹機能の謎を探る— 第3版」アイペック, pp. 34–37, 2008年.
終わりに
筋力低下を改善するには、正しいトレーニング方法を理解し、継続的に取り組むことが大切です。今回お伝えしたような具体的な方法や考え方を参考に、自分に合ったトレーニングを見つけてみてください。
リハビリを受けている方も、指導する側の方も、ぜひこの記事をトレーニングの一助として活用していただければ嬉しいです!
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