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歳を取っても「スタスタと歩ける」と思っていませんか?

加齢に伴い体力や筋力が低下することで、歩行能力にも影響が出ることをご存知ですか?「自分はまだ大丈夫」「ずっと元気に歩けるはず」と思っている方も多いかもしれません。しかし、現実には、特に60代以降になると、放置しているだけでは歩行能力が低下し、転倒リスクや生活の質(QOL)の低下につながることが指摘されています。この記事では、加齢による歩行能力の変化と、その対策について解説していきます。



加齢とともに歩行能力はどう変わるのか?


年齢を重ねると、私たちの体は次のような変化を経験します
1. 筋力の低下
• 特に下肢筋力が影響大:年齢を重ねると、太ももやふくらはぎの筋肉が衰え、歩幅が短くなります。これにより、歩行速度が遅くなる傾向があります。

• 数字で見る筋力低下:70歳代の筋力は20歳代の約50~60%まで低下することがわかっています。

2. バランス能力の低下
• 年齢とともにバランス感覚をつかさどる機能も衰え、転びやすくなります。60歳以上の方の転倒率は年間約30%と報告されています。

3. 歩行速度の低下
• 健康な若者の平均歩行速度は1.2~1.4m/秒とされていますが、70歳を超えると約1.0m/秒以下に低下することが一般的です。歩行速度の低下は認知機能や健康寿命にも影響を及ぼすと言われています


歩行能力の低下が及ぼすリスク


歩行能力の低下は、単に歩きにくくなるだけでなく、次のような問題を引き起こします。
1. 転倒のリスク増加
• 日本では、65歳以上の転倒が原因で年間約17万人が大腿骨を骨折しています。これはそのまま寝たきりにつながるケースが多く、注意が必要です。

2. 生活の質の低下
• 歩行が困難になると、外出機会が減り、社会的なつながりも希薄になります。その結果、孤立感や抑うつ状態に陥りやすくなることが報告されています。

3. 健康寿命の短縮
• 歩行速度の低下は、認知症のリスクとも関連があります。ある研究では、歩行速度が遅い高齢者は認知症リスクが約1.5倍高まることがわかっています。


歩行能力を維持・向上させる具体的な方法


では、どのようにすれば歳を重ねても「スタスタ歩ける体」を保つことができるのでしょうか?具体的な方法を4つご紹介します。

1. 筋力トレーニング

特に、下肢の筋力を強化することが大切です。具体的なエクササイズとしては次のようなものがあります。

• スクワット:1日10回から始めて、慣れてきたら3セット行いましょう。太ももの筋肉を鍛えることで、歩行時の安定性が向上します。

• ふくらはぎの筋トレ:椅子の背もたれにつかまりながら、つま先立ちを繰り返す運動を1日20回。

これらを3か月続けることで、60代女性の平均歩行速度を約10%向上させた研究結果もあります。

2. バランストレーニング

バランス感覚を鍛えることで、転倒リスクを低減できます。
• 片足立ち:毎日左右30秒ずつ。最初は支えがある場所で始め、慣れたら支えを外してみましょう。

• 太極拳やヨガ:柔軟性とバランスを同時に鍛えられる運動です。特に太極拳は、高齢者の転倒率を約30%減少させた研究があります。


3. 日常的な歩行練習

歩くこと自体がトレーニングになります。
週に3回、30分のウォーキング:これを目標に続けることで、心肺機能や筋力を維持できます。

• 坂道や階段を利用する:負荷をかけることで効果がアップします。


4. 歩行補助具の活用

歩行が不安定な場合は無理せず、杖や歩行器を利用しましょう。補助具を適切に使うことで、歩行の安定性が高まり、自信を持って歩けるようになります。


具体例:対策を取り入れたAさんの事例


70歳のAさんは、3年前から筋力低下とバランスの不安定さを感じていました。しかし、スクワットや片足立ち、週3回のウォーキングを3か月間続けたところ、歩行速度が20%向上し、家族との旅行でも疲れにくくなったそうです。また、転倒の不安が減ったことで外出の頻度も増え、生活の充実感が高まったと話しています。


まとめ:今日からできる「一歩」を意識して!


歳を重ねても健康的な歩行を保つためには、筋力やバランス能力を維持するための努力が欠かせません。この記事でご紹介した筋トレやバランス訓練、歩行練習を日常に取り入れることで、10年後も20年後も元気に歩き続ける未来を作ることができます。
まずは無理のない範囲で1つのエクササイズを取り入れてみてはいかがでしょうか?
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