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子どものする事は全て遊び3〜幼児期の発達をサポートする〜
子どもの遊びについて、時期別に書いています。
今回は1歳以降の幼児期の子どもの遊びと発達について考えていきたいと思います。
1歳以降は身体機能が急速に発達し、それまでとは比べものにならない程アクティブな遊びをするようになります。
それと同時に、抽象的な思考や言語も発達し、社会性も急速に身につけていく時期です。
そんな幼児期の発達を、遊びの変化から考えてみたいと思います。
この記事を読むと、
✅️幼児期(1〜5歳)の子どもの『遊び』が理解できる
✅️子どもの成長に合わせた『遊び』を知り、サポートできる
✅️各発達段階における子どもにとっての課題を知り、『遊び』を通してサポートできる
→胎児期から新生児期はこちら
→乳児期以降(生後1〜12ヶ月)はこちら
幼児期初期(1〜3歳)の遊びと発達
1歳までに獲得してきた自分の身体についての認識(身体図式)を基にして、様々な新しい運動を作り出していく時期です。
筋力や姿勢制御能力の向上によって、立位や歩行が安定します。
歩くのが安定してくると、歩くこと自体が遊びになります。何をするわけでなく、ただ純粋に歩くことを楽しむ時期ですね。
続いて、走ったり跳んだりができるようになります。
こうなると、もう手が付けられないし、目が離せない(笑)
1歳頃は身体全体を使って様々な運動を行うというのが、一番楽しい遊びではないでしょうか。
大人がサポートできることは、まず見守ってあげること、そして子どもが挑戦したこと、新しくやってみてできたことを、一緒に喜ぶことだと考えます。
また、この時期は身体全体を使った動き以外にも、手先の細かな運動や、道具の使用といった面でも大きく向上します。
それまで掴み食べしかできなかったのが、スプーンやフォークを使用して食べ物を口に運ぶことができるようになります。
このような道具の使用には、自分の身体を道具まで延長し、道具を自分の身体のように使用することが必要となります。
そのためには自分自身の身体図式が確立できていることが前提となるため、1歳以前に様々な感覚運動経験を通して身体図式を作ってきていることが大切ですね。
道具使用のことを考えると、道具を使って道具に作用するような遊び、例えば棒を持って物を叩くと音が出るとか、そんな経験ができるような道具やおもちゃを与えてあげるのが良いかと考えます。
また、身体的な発達に加え、言葉や抽象的な概念の発達も大きく進みます。
言葉の数は急速に増えていきます。
言葉の数が増えるということは、子どもの中で様々なカテゴライズができていくということです。
つまり、「お母さん」「お父さん」とそれ以外の人との区別ができるとか、「犬」と「猫」の違いがわかる、といったように、何かと何かの違いを認識・識別できるからこそ、そこに言葉を当てはめて表現することが可能になるのです。
言葉の増大と同時に、指さしも増えます。
新規なものや見慣れないものを見つけると、指をさして、近くの大人の顔を見たりします。
指をさした物が何なのかを知りたい、見つけたことを大人に教えたい、ということの現れだと考えられます。
この行動は周囲の大人との関係を構築するために重要な行動であるとされています。
このような行動に対しては、子どもの発見を一緒に喜ぶこと、子どもが伝えたいことを読み取ってあげることが、大人にできるサポートではないでしょうか。
幼児期後期(4〜5歳)の遊びと発達
身体機能の著しい発達が続きます。
片脚立ちができるだけのバランス能力を獲得したり、道具を使用しながらの粗大な運動や遊び(縄跳びなど)ができるようになります。
身体図式と呼ばれる自身の身体の認識がかなり正確になり、様々な身体の感覚(触覚や運動の感覚など)が統合されていきます。
指先の感覚もかなり正確に感じ取れるようになり、目で見なくても指先の感覚だけで触れた物がわかったり、身体のどこに触れられたのかを見なくても識別できたりします。
この時期になると、少しずつ大人(親)の手を離れ、幼稚園や保育園といった社会の中で様々な経験を積むことが生活の中心となります。
この時期の遊びで重要なのが、ルールのある遊び、他者とルールを共有して行う遊びです。
例えば、ごっこ遊びとかままごとなんかもこの時期に始めるのではないでしょうか。
ごっこ遊びについては、こちらの記事でも書いたので参考にしてみてください。
幼稚園や保育園といった社会の中では、順番を守るといったようなルールを守るとか、友達の気持ちを考えて行動するとか、そういった社会性を獲得していくことになります。
それまで家庭内や家族が子どもにとっての社会だったのが、外の世界に拡がっていくことになります。
子どもの世界が拡がっていくためには、そのベースに家庭内での信頼関係、母親・父親との愛着関係が確立していることが必要であると言われています。
子どもはどんどん外に目を向けて社会に出ていこうとする時期ですが、大人、特に両親ができるサポートとしては、子どもがいつでも安心して帰ってこれる家庭という環境を作ってあげるということが一番大切なのではないでしょうか。
まとめ
幼児期における子どもの発達と、それに伴う遊びの変化について考えてきました。
このように見ていくと、子どもはものすごい速度で発達し、すぐに社会に出ていってしまうことがわかりますね。
親としては少し寂しい感じもしますが、子どもが社会に出ていくための基盤となるのは、家庭という安心できる場所があること、両親との愛着関係がしっかりと形成できていることです。
危険なことは止めなければなりませんが、それ以外は子どもがやりたい事を見守ってあげる、サポートしてあげるのが親のつとめなのかな、と考えます。
より深く学びたい方へ
子どもの感覚運動機能の発達と支援-発達の科学と理論を支援に活かす』
子どもの発達について学ぶとき、本書を主に参考にしています。
一般的な成長過程はもちろん、疾患別の内容も盛り込まれています。
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