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子どものする事は全て遊び2〜乳児期以降の発達をサポートする〜
子どもは遊ぶことが仕事です。
食事や睡眠といった生命活動に必要な活動以外の活動は全て『遊び』であり、子どもは遊びを通して様々なことを経験し、発達・成長していきます。
子どもの年齢や時期によって必要とする遊びは変化していくため、見守る大人は各時期にどのような遊びが必要なのか、どのような経験をしているのかを知っておく必要があると思います。
発達段階に適した遊び、その遊びの中で達成すべき課題を知っていることで、その遊びや経験をサポートしてあげることができるようになるからです。
今回は、乳児期以降(生後1ヶ月以降)の遊びについて書いていきたいと思います。
胎児期や新生児期の遊びについてはこちらの記事で書いているので、こちらも参考にしてみてください。
この記事を読むと、
✅️乳児期以降の子どもの『遊び』が理解できる
✅️子どもの成長に合わせた『遊び』を知り、サポートできるようになる
✅️各発達段階における子どもにとっての課題を知り、『遊び』を通してサポートできる
手足を使った『遊び』が始まる生後1〜6ヶ月
産まれた直後は自分の意志とはあまり関係無く、手足をバタバタと動かすだけでした。
その後、生後1〜2ヶ月くらいになると、少しずつ手足を自分の意志で動かしているような様子がみられるようになってきます。
4ヶ月くらいになると、視覚の発達に伴い、目で見えたものに手を伸ばして触ろうとする様子もみられてきます。
この時期に重要なのは、視覚や聴覚によって認識できた空間と、手を伸ばす方向とを一致させることです。
何かに興味を持って、興味に任せて手を伸ばし、何かに触る(掴む)。
この経験を通して、自分の身体を中心とした空間を把握し、目的に沿った手の使い方を獲得していきます。
同時に、手を重力に抗して動かすことによって、筋肉の発達にも寄与することができます。
そういうことを考えると、この時期は視覚や聴覚から興味を引き、手を伸ばして触るという経験を繰り返せるおもちゃが楽しい時期なのかなと思います。
うちでもこのようなプーさんのおもちゃで遊ばせていました。
おもちゃだけでなく、大人が赤ちゃんの手の届くところにガラガラなんかを差し出してみたり、向き合って手を差し出すというのも遊びのサポートになると思います。
さらに、それまでは仰向けばかりだったのが、寝返ってうつ伏せになってみたり、自分で姿勢を変えることができてきます。
こうなってくると、子どもの世界が一気に拡がってきます。
自分の横の方に興味を持って視線を向けていたり、寝返れなくても身体を横に捻っていたりしたときは、大人が寝返りをサポートして「ゴロン」と転がしてあげるのも良いかもしれません。
寝返えるときの身体の感覚、背中の圧の変化、見える世界の変化など、様々な感覚を経験するサポートができるはずです。
6ヶ月頃になると首が据わり、座らせてあげれば座った姿勢を保持できるようにもなってきます。
この時期は、目に見えるもの全てに手を伸ばし、口に入れて確かめようとします。
この時期は口の感覚が一番優れているため、手で触るよりも口の方が感触を確かめやすいのです。
「汚いからやめて〜」と思いがちですが、発達するために必要な経験でもあるので、できるだけ清潔にして口に入れても良いようにしておくことが必要かもしれません。
この時期になると、座った姿勢を保持するのを手助けしてあげたり、手を伸ばして届くか届かないかくらいの位置におもちゃを持って見せてあげたりしながら、子どもが興味を持って自発的に動こうとするのを促す関わりが有効になってくるのではないでしょうか。
姿勢を変えながら全身を使った『遊び』が始まる(生後7〜12ヶ月)
この時期になると、重力に抗した動きがさらに活発になっていきます。
それまで寝た状態で過ごすことがほとんどだったのが、寝返って四つ這いになったり、ハイハイで移動するようになります。
1歳に近付いてくると、つかまり立ちをしたり、伝い歩き、さらには手放しで歩き始めたりもします。
活動範囲が一気に拡がり、周りの物にぶつかりながら自分の身体の形を認識していきます。
この時期は「あれに触りたい」「あそこに行きたい」というような興味が非常に強いため、危険じゃない限りはその興味のままに動かしてあげるのが大切なように思います。
どこにでも行こうとして、何にでも触ろうとします。
大人は後ろから付いて歩いて、危険がないように見守ってあげるのが大切かと思います。
さらに1歳前後になると、「バイバイ」のような大人の動きをマネしたり、「ちょうだい」のような言葉をなんとなく理解できるようになります。指さしなんかも見られるようになりますね。
個人差はありますが、意味のある言葉を話し始めるのもこの時期です。(うちの1歳1ヶ月はまだ初語を話しませんが)
この時期は子どもが興味を持ったものを共有し、一緒に遊んであげることができるようになります。
指先の細かい動きも発達してくるので、積み木を積んだり、おもちゃを箱から出すなど、子どもが興味を持ちそうな遊びを一緒にやったり手本を見せたりすると良いですね。
ちゃんと遊びらしい遊びができるようになってくるので、大人としても遊びがいが出てくるのではないでしょうか。
まとめ
乳児期以降、生後1〜12ヶ月くらいの遊びの変化について書いてきました。
産まれた直後はほとんど動けなかった子どもが、1年くらいでかなり自由に動けるようになってきます。
基本的に子どもは興味の向くままに様々な経験を積み、失敗もしながら、成長していきます。
そこに大人が変に介入する必要はないと思いますが、子どもが興味を持ったものに一緒に興味を持つ、遊びをサポートしてあげる、というスタンスで関わることで、大人との信頼関係を形成していけるのもこの時期です。
大きく成長した子どもは、親と一緒に遊んでくれなくなります。
忙しい毎日ですが、一緒に遊べるこの時期は精一杯いっしょに遊んであげたいですね。
次回(10月11日予定)は幼児期(1歳以降)の遊びの変化について書いていきたいと思います。
もっと深く学びたい方へ
『子どもの感覚運動機能の発達と支援-発達の科学と理論を支援に活かす』
子どもの発達について学ぶとき、本書を主に参考にしています。
一般的な成長過程はもちろん、疾患別の内容も盛り込まれています。
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