肩甲骨異常運動のスクリーニング検査と応用
おはようございます。今日は肩甲骨異常運動のスクリーニング検査についてまとめていきたいと思います。
皆さんはGH(肩甲上腕関節)とST(肩甲胸郭関節)のスクリーニングを臨床でどのように行っているでしょうか?
当然ながら一生懸命GHに介入してもSTが機能しなければ肩甲上腕リズムは乱れたままです。
そこで
肩甲骨に異常運動はあるのか?無いのか?
問題はGHなのかSTなのか?
をスクリーニングする検査がSAT(Scapular assistance test:肩甲骨補助テスト)です。
SAT(Scapular assistance test)肩甲骨補助テストとは?
まず、自動で肩関節屈曲を行い症状(疼痛や可動域制限)の有無を評価します。
この時に症状があり、他動的に肩甲骨の「上方回旋・後傾」を補助した時に症状(疼痛や可動域制限)が改善、或いは軽快すれば「陽性」とします。
陽性=肩甲骨異常運動があるという解釈です。
しかし
SAT陽性のみでは、「肩甲骨異常運動が有る」というだけで、
上方回旋筋群の機能不全なのか
下方回旋筋群の柔軟性不足なのか
までは区別できません。
そこで、この2つを区別する検査として、SRT(Scapular reposition test)
肩甲骨再配置テストがあります。
SRT(Scapular reposition test)肩甲骨再配置テストとは?
これは肩甲骨固定筋の機能不全の有無をスクリーニングする検査です。
ここでの肩甲骨固定筋は主に僧帽筋と前鋸筋と解釈して良いかと思います。
肩関節挙上位で(外転で紹介している文献が多いですが屈曲位で応用しても良いかと思います)肩甲骨上角〜内側縁を非固定と固定で筋力や疼痛の変化を評価します。
非固定時と比較して固定時に筋力増強・症状改善で「陽性」です。
この場合、前鋸筋と僧帽筋の区別は屈曲位と外転位で検査すれば大体検討がつくかと思います。
筋の走行から
とある程度区別出来ます。
これは翼状肩甲(Scapular Winging)が起こった際に長胸神経由来か副神経由来かの判断材料にもなるので、色々応用が効くかと思います。
脱線しましたが、このSRT(Scapular reposition test)
肩甲骨再配置テストが「陰性」の場合、下方回旋筋群の柔軟性不足を評価していく作業になります。※陽性でも下方回旋筋群への評価と介入は大切です。
具体的に
小胸筋
肩甲挙筋
菱形筋
前鋸筋上部線維
これらの筋を評価する事になりますが、詳しくはまた別の記事に投稿しようと思います。今日はここまで。