見出し画像

フィジカルアセスメントとは?

前回は聴診についての投稿をさせていただきました。聴診もフィジカルアセスメントの1つですが、ざっくり言って『結局フィジカルアセスメントって何をみたらいいの?』という方が多いのではないでしょうか?


そこで今回は、『私が考えるフィジカルアセスメント』を記事にしたいと思います。




1.そもそもフィジカルアセスメントって何?

フィジカル=「身体的な」

アセスメント=「評価」

という意味なので、そこまで難しい解釈は必要ないと思います。

画像1

ただ、細かく言うと視診・触診・打診・聴診は『フィジカルイグザミネーション(身体査定)』と言われています。


つまり、フィジカルイグザミネーションの結果から、患者様のフィジカルアセスメントを行うという流れになります。


例えば、肺の聴診で「捻髪音が聞こえる」とわかったとします。


ここから分かる事として、「捻髪音があるという事は、肺の虚脱が起きているか、無気肺だった肺胞が少しずつ膨らんできているか・・?」

と言う評価結果になります。


つまり、フィジカルイグザミネーションは「起こった事実」で、フィジカルアセスメントは「起こった事実から考えうる事(評価)」と考える事が出来ます。








2.フィジカルアセスメントのポイント

【いつ起きたか?】

どんな状況で起きた事なのかは重要です。例えば、食事後に肺の音を聴いてみたら雑音が聞こえる・・・呼吸数も早く酸素飽和度も下がっている・・・

そう、誤嚥性肺炎の可能性が考えられますね❗️食事後・・というのがポイントですね。


【前後の状況】

『様子がおかしい』と思っても、それは『いつの時点と比べて?』という事が大切です。朝の時点では、36.5℃だったけど、昼に測ったら39.0℃まで上昇し、呼吸数も増えている・・・となると急性の感染症のリスクが考えられます。

前後の状況を把握することで、主治医への連絡もスムーズになります。


【左右差はあるか?】

肺であれば、左右で聞こえ方が違うか?

痛みであれば、両側性なのか?片側性なのか?

検査や治療のポイントになります。


【現疾患との関連はあるか?】

急性期病院は特に、患者様の急変が起きやすい時期にあります。だからこそ、入院時の疾患だけでなく、それ以外の事象にも注意する必要があります。

『この患者さん、安定してきたな・・・』

意外とこの言葉が出る時期に「えっ・・」となる事が起きます。

油断大敵という事ですね。






3.絶対に行わなければいけないのか?

よく「リハビリスタッフが出来なければいけないのか?」と質問される事があります。


確かにリハビリスタッフは「身体機能改善」が主な仕事になりますが、そのためにも『安全が確保されているか?』を評価する必要があると私は考えます。


ある研究では、医師・看護師共に『リハビリスタッフに聴診などのアセスメントは必須である』と答えた方は90%を超えたそうです。


私の考えにはなりますが、看護師や医者は長い時間患者様を観察・評価することが少ない印象です。しかし、リハビリスタッフは1回の介入で40〜60分患者様と接します。さらに、安静時でなく動作時の評価も行うため、患者様の異変に気づきやすいと考えています。


このことからも、リハビリスタッフがアセスメントを出来た方が患者様の異変にいち早く気づき、重症化を防ぐ事ができると思います。

画像2





4.最後に

今回はフィジカルアセスメントについて、話をさせて頂きました。私自身、まだまだ勉強中であり自信もありません。


ただ、重症化を防ぐことで患者様の予後が良くなるなら、私は学び続けるつもりです。今後も、皆さんのお役に立てる情報を発信していこうと思います。


※次回はリハビリにおけるコーチングを投稿しようと思います。

今日もありがとうございました😊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?