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のうん展 known:unnownを終えて【中編】~準備完了(~2/12)、そしていよいよ会期突入…!(2/13-2/14※前半戦)~

※前回の記事(主に個展開催の経緯について)

※ポートフォリオ(実質自己紹介)


1.会期直前(~2/11※最終準備)

制作&準備のラストスパート!

さて、前編で書いてきた通り、体調面での右往左往はありつつも、「のうん展」に向けた作品制作は徐々に徐々に加速をしていきました。

その展覧会(個展)のタイトルを決める時期も通過し、アーツアーツプログラムアドバイザーの山本先生と相談した結果「known:unnown」に決定し、制作以外の面での準備も本格的に動き始めました。このタイトルに関しては、日本語で言えば”未知と既知”といった所で、二面性や対比構造を多く伴う私の作品群にはピッタリと合う表現ではないかと感じています。

そして、残り1か月を切った頃合いからは、危機感も手伝って完成した作品の量も格段に増え、結果として展示会を行うのに耐えうるだけの作品数を確保することが出来ました。ホントに、好不調の波と戦いつつ、どうにかこうにかという感じではありましたが……💦

その間もその後も、企画展(個展)が初めての私にとっては慣れない作業の連続で、パンフレット用の略歴や作品リスト・ステートメントの作成など、山本先生や県庁職員さんに段取りや納期を教えてもらいながら取り組んでいきました。

自分が抜けてしまっている部分も多々あり、ギリギリの提出期限で進めていったモノも沢山ありましたが、何とかパンフレットの作成も無事(?)に終わりを迎えました。

現物は↓です(印刷業者様、ありがとうございました!)

パンフレット(表紙)、カッコよく作ってもらえました✨

ステートメント「潜行する摩擦熱」

また、ステートメントの内容には、自分の創作全般の根っこにある部分についてを書かせていただきました。
タイトルは「潜行する摩擦熱」、タイトルも内容も些かポエミーですが、自分が絵に何を込めたのか、何を思って創作に取り組んでいるのかを詰め込んだ内容になっております。

実際に展示されたステートメント「潜行する摩擦熱」

2.展示作業(2/12※いざアトリオンへ)

そして搬入へ……(奥さんや運送業者さんに感謝です)

そうして私は、絵の梱包や締め切りギリギリ(ホントに日付が変わるまで)までかけての絵の制作を終えました。

梱包に関しては大部分を奥さんが行ってくれまして、その分にかかる時間をほぼほぼ絵画制作に回せたので、非常に助かりましたし、当面の間は決して頭が上がらなそうな状況です(いや、ホントに感謝です)💦

そして、いよいよ迎えた2/12(水)。
この日はそう、展覧会の前日であり、作品の搬入・展示作業の日です。

展示作業開始(スタッフのみなさんに感謝です)

長らく他人と会うことを避けてきた私が、嫁やスーパーの店員さん(+山本先生や県庁職員さん)以外に久々に会って関わる日を迎えることとなり、内心ではだいぶ心臓をバクつかせながら、アトリオン2Fの展示ホールへと向かいます。

そこでは既に搬入→梱包の開封済みな作品たちが展示箇所に並べられており、山本先生やスタッフの皆さんが実際の絵の設置作業に取り掛かろうとしている所でした。流石、仕事が早いなと感服いたしました。

展示作業に携わってくれたボランティアスタッフの皆様は、まさしくワンチームといった雰囲気で、準備作業に関しての連携が全面的に取れていました(このスタッフさんたちの協力や練度もアーツアーツの賜物ですね✨)。

その上で、人間不信気味でだいぶコミュ障発動していたと思われる私の事も、作業メンバーの一員として迎え入れてくれたことに、凄くすごく救われました。

なんというか、世の中案外捨てたモノではないのかもしれないな、と思うことが出来ましたね(我ながらチョロいのです)。

展示レイアウト(山本先生に感謝です)

実際の展示に関しては、山本先生から事前にレイアウト案を貰ってはいたのですが、当日になって自分が持ち込んだような飛び込みの絵も展示に組んでくださりました。
搬入当日までに書き上げた絵は、小振りな絵が多めだったのですが、照明や空間の使い方で導線を生み出す発想力に多分に救われました。

映像イメージが不得手な私にとっては、感覚的な要素以外での理詰めのイメージによる展示というモノが新鮮に映り、終始感嘆をしていました。
そうして昼休みを挟んで残り少々ほどで展示の作業は終わり、いよいよ2/13の本番へと向かって行きます……!

以下、実際の展示後の写真です(一部抜粋)↓

展示の様子①(※全て展示作業終了直後のモノ)
展示の様子②、かいぶつとにんげんが近くにあるの良きです◎
展示の様子③、ろぼうのはなとにくのほしぼし、どっちも花っぽいかも
展示の様子④、奥へおくへが導入、息苦しさ~が展示の導線として◎ですね✨

3.のうん展known:unnown、開幕(2/13)

準備が始まってしまうと展覧会開始までも気づけばあっという間、個展を行うという事実への現実感も伴わないままに、会期初日の2/13(木)を迎えることになりました。

新聞&TVの取材

実はこの日は、13時から新聞(2/14秋田魁新報に掲載済み※前記事にリンクあり)と地元TV局の取材がある日でした。
なので私は、ドーパミンと冷や汗と生気を大量分泌&大量消費しながら、インタビュー(絵についてや、創作活動に関してが主)等への受け答えをし続けておりました。

幸い……というべきか、私は口とタイピングだけは回る性質があるので、伏せたい内容は伏せつつ、伝えたい内容はしっかり伝えきることが出来たのではないかなと自負していたりなんだりします。

そんな感じで、取材対応を終えた後はドッと疲れが来ましたが、自分が思っていた以上に私の絵を見に来てくれた方は多くて、とても嬉しかったです。
私はその喜びを全身で噛み締めて、帰宅の路につくまで、展覧会の空気と確かな現実感を味わっておりました。

ただ、予定の関係で16時前に帰路に着いたのが惜しく感じて、翌日の2/14は予定を変更して午後から在廊をすることに……!

アトリオン内(個展ポスター)

アトリオン1Fエスカレーター前、ポスターの絵は「ぬいあと」です✨
2Fにもポスター、さっきのと「息苦しさ~」の2種類が掲示されていました◎
こちらは再び1F、2種のポスターがズラリと……!

4.新聞掲載とラジオ放送、その影響(2/14)

取材翌日の朝刊

さて、予定変更して午後からアトリオンに赴いた私に、ボランティアスタッフさんたちが今朝の新聞に記事が掲載されていたと教えてくれました◎

昨日取材して翌日朝の朝刊に記事が載るなんて、新聞社さん(或いは記者さん)の仕事ぶりは素晴らしく早いなぁと思いつつ、さきがけ電子版を確認すると……📝

今回の展覧会のキービジュアル的作品である「息苦しさと生きぐるしさ」と一緒にふっくら体型の私(引きこもり気味の生活で腹がね……💦)が、しっかりと写真に収まっておりました(リンクは前記事参照です※再)。

この新聞記事に載ったのを皮切りに、会期2日目の14日にも更なる現実感を味わい続けることになります。
特に、自分が在廊していた16時過ぎ頃までにかけて、「新聞記事を見て来たよ」と言ってくださる来場者の方が増えてきまして、結果としては1日目を数十人ほど上回る方々が私の絵を見てくださいました。

カーラジオでサプライズ

そして、実は一緒に来ていた奥さんと乗った帰りの車の中、そのカーラジオにて、17時前からのFM秋田さんのラジオ番組で「のうん展」についての紹介(新聞記事ベース)を取り上げていただけました。

今回の展覧会以前からの自身の創作の軸である”アファンタジア”についても、記事やラジオの放送内容で若干ほど取り上げていただき、このことに関しては良くも悪くもになりますが、一定以上人数の県内在住の方にそういった要素についての周知が出来たのかなと感じております。

アファンタジアに関しての所感

個人的な願望ですが、今回の展覧会に関してもそれ以外の創作に関しても、「アファンタジア”なのに”できた」ではなく「アファンタジア”だから”できた」の部分によりフォーカスをしてもらいたいのです。

自分にとってもソレはもうコンプレックスではなく個性の一部だという解釈なので、”映像のない世界を出力した抽象画”というある種の混沌を、自分にとっての”幸い”だと思って描いていきたいと思うのですな。

ともあれ、新聞でもラジオでも、個展や私の創作のことを好意的に報道をしていただけたことにより、展覧会に対するモチベーションが今更ながらにブチ上がり始めていきます。
家に帰った私は、過去に書いた絵を収納したかごの中から、割とボロボロな画用紙の集合体的な抽象画をおもむろに取り出しました。

タイトル:「溶けて、融けて、落ちて、堕ちる。」、今より更に色々拙いですね💦
結構暗い気持ちを昏い色で抽象しようとしていた時期でしたが、今はその逆です。
暗い感情を明るく、明るい感情にも影を持たせたいのです。

3日目の15日にはこの子を追加で持ち込み、現在の作品群との比較の種にしていきます。

そしてその2/15……。

のうん的な一番の山場、”アーティストトーク”の時が訪れていくのです……!

展示作の紹介①(前編との重複あり、入り口から順番に)

「めだま」と「視神経」です(※実は当日持ち込み)。
書いて字の通りの作品で、展覧会に向けての制作序盤に描いた小作。
深く吸う瞳孔と、眼底を突く痛みの抽象です。
「息苦しさといきぐるしさ」、前編で大体書きましたね。
2作でも単体でも、対比構造が軸。モチーフは生の苦しみと解放感。
実は下地+αとして、最初にパステルを練って全面に塗り込んでいます。
労力的にもコスト的にも、一番手のかかった子たちです。
「奥へおくへ」、制作時の初動の瞑想そのもののイメージ。
自分の内的世界に”潜る”感覚です。
音楽聞きながら描くことも多いので、ソコへの没入感も+。
「ろぼうのはな」、決して綺麗ではない心象で構成された花。
割と苦悶してた時の絵で、それでも綺麗なモノを創りたかったのです。
パステルの削りは割りばしの先で。
アスファルトに咲く花、好きです。
「にくのほしぼし」、前編で描いたように皮膚が抉れてできた肉の星座です。
足し算ばかりの中で、貴重な引き算。
無地の下地を傷の表現として削るのは、今後も1つの軸になるかも。
モチーフと理由は、まんま心の傷ですね。
「にんげん」、元々あった怪獣の絵の上に人間を描きました。
イメージとしては、心の中に怪獣を飼っている、ありふれたヒトのようなナニカ。
パステルは赤をごってりと使用しました。
モチーフと理由は、自身の人間不信と内面を探ったら見えた暴性から。
「あおいとり」、幸福を他人に捧げ続けた鳥です。
これも苦悶していた時に描いていた絵で、衝動的な線で痛々しい幸福の鳥を描いています。
パステルを削った線は、折った割りばしで抉る様に。
モチーフと理由は、自身の考える幸福論から。

……ここまでで展示作品の概ね半分、残り半分は後編にて……!

5.最後に(今度こそ後編に続く)

次回予告

書きたい内容が多すぎて後編だけだと収まらず、今回の中編が生えてきました(すいません💦)。

次回のホントの後編では、2/15(アーティストトーク)と2/16(最終日、搬出)、もし収まれば”展覧会を終えて……”までを書いていきたいと思います(溢れそうなら15-16日だけで〆て、所感は後日談にします)。

多分、前中編以上に会期中に抱いた感情がぎっしり詰まると思います。特に、アーティストトークなどはごにょごにょ……。

そんな後編を是非、お楽しみに!

※Instagramのリンク(絵のこととか地元や旅先のごはんのこととか呟きます)

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