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鷹の爪マラカス

2023.2.26

日曜日。休み。
白湯を飲みながら、昨日BOOKNERDさんから届いた、蟹の親子の『浜へ行く』を数ページ読む。
いいなぁ。肩の力が抜けた感じ。意外にあるボリュームが嬉しい。楽しみの厚み。

浜へ行く|蟹の親子


朝ごはん。
昨夜、帰ってきたお義母さんが嬉しそうに見せたうどが、うどの皮のきんぴらになって、食卓にある。私はこれが大好き。もう誰にも奪われたくないくらいに好き。家族で他に誰も食べないから、いつも独り占めなんだけれど。
そんなに好きなら、この前、小学生からのインタビューで「好きな食べ物は何ですか?」と聞かれた時、「ウドの皮のきんぴらです」って答えたらよかった。そしたら「えっと、…塩」とか言ってしまって小学生を惑わせずに済んだのに。ついでに「歯磨き粉は〈つぶ塩〉一択です」って言えば良かったな、なんて思ってる場合じゃなかった。

うどの皮のきんぴらと、鷹の爪マラカス。


きんぴらの山から、かさかさっと音を立て転がり落ちた、丸ごと一本の鷹の爪。箸で摘んでそっと振ってみる。しゃかしゃかしゃんとかわいい音が鳴る。
鷹の爪マラカス。朝ごはんのメロディ。

珈琲を淹れる。
メールをチェックすると、本屋大賞実行委員会から「二次投票締切まであと3日!」というメールが届いている。いつも〆切ギリギリの暮らしをしていると「あと3日もあるのか」というバグが発生してしまう。
そもそも、とっくにノミネート作品10冊は読了しているのに、なぜ読了後にコメントをメモしておかないのか。すでに読み終えた時のフレッシュな気持ちは既に忘却の彼方、とまではいかなくとも、ひねり出す言葉に鮮度がない気がする。
あと3日と言わず今日休みなんだから今日やろう!とりあえず珈琲飲んでから。(やらない気がする)

やはりベッドでごろごろと『わたしを空腹にしないほうがいい』を読み始める。ちょっとつまみ読みのつもりが読了。
こころの空腹が満たされたような読後感。良き。やっぱり、くどうれいんさんの書いたものは大好物だ。
形を整えようと気負うのはやめよう。食べ物も言葉も、詰まって苦しくならないように、丸呑みせず、咀嚼していこ。

わたしを空腹にしないほうがいい|くどうれいん


そんなふうに思いながら、突然思い立ってnoteを始めてみた。何年も前から、なんかやろうかな、やってみようかな、と思っていながら始めなかった。なんでもキチッとしたがって、結局なんにもできないのが自分の悪いとこだ。いつもの私なら、コレも、四月一日から始めよう、とか誕生日から始めよう、とか思いがち。そんな自分から打破して、2月も終わりかけのこのなんでもない日曜に始めるくらいがちょうどいい。続くかどうかは別として。

殻の中でカラカラいってても自分の味は出ない。
そういえば、ウドの皮のきんぴらは全く辛味がなかった。

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