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「お先ぃです。」の言葉が好き

私はこの言葉が好きでつい言ってしまう。エレベーターを先に下りる時や、歯医者さんを先に出る時。
でもこれ言う時って一瞬の迷いがある。言われたほうは「そんな言うてくれんでも‥」とか、「わざわざ言う?」みたいに思うのかな‥って。
でも言ってしまう。軽く会釈をしてくれる人もいれば、「どうぞ〜」って返してくれる人もいる。

たまたま居合わせた他人同士が口を聞くのはごく限られた場合であることが多い世の中だから、ある意味とても特殊な瞬間かもしれない。

めずらしく言ってもらえた

昨日は定期受診の日で病院に。ここで、めずらしく「お先ぃです。」を言ってもらえる側を体験した。だからこれを書いている。

少し話はそれるが、マンモ以上に痛い検査ってあるのか‥

病院の目的は2年に1回の乳がん検診だった。しかしマンモグラフィよりも痛い検査ってあるのかな‥というくらい、マンモは痛い。待合ベンチに座って「あぁまたあの痛みに耐えなきゃならないのか‥」とそこで以前友人から聞いた話を思い出した。
「検査の前によく揉んでおくと痛みがマシらしいよ。」‥おもむろに胸を揉みだす私。待ち合いには誰もいなかったから。もしかしたらどこかにカメラが設置されているかもしれないけれど(笑) 家でやっておくべきだった‥。

話を戻すと、おそらく70代くらいの女性だと思う。先にレントゲン室から出てこられ、私の前を通られる時におっしゃった。「お先ぃでした。」と。私は「どうぞ〜」とお返ししたがドアが閉まる音と重なってしまって残念ながら聞こえてなかったかもしれない。しかし私は実に気持ちよかった。

その後、長い待ち時間の末、やっと診てもらえて診察室から出たとき、廊下におられた方に言った。「お先で〜す。」その方は「どうぞ〜」と返してくださった。やっぱり気持ちがいい。

「お先ぃです」は日本独特?

この表現は他国の言葉にはあるんだろうか。とりあえず英語を調べてみたが、しっくりくるものは存在しなかった。「お先に失礼します。」のSee you tomorrow.ではないし、「ありがとう。終わりました。」→Thanks, I'm finished.だと意味は近いが何か説明的で通りぎわの挨拶にはちょっと不自然だ。他にもいろいろあったがどれも微妙に納得がいかなかった。日本人独特のニュアンスなのかな。好きだな。そういうところ。他の国ではどうなんだろうな‥。

病院を出ると、ほんの少し赤らんできた木を見つけた。秋がついにやってきた。おかげさまで乳がん検診の異常はなかった。乳腺腫瘍の手術をして12年。健康をいただいていることに感謝‥。

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