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『　月下　』

『ユーカラ・心の窓を映して』

玄関に月が来ていた

わたしは涙を拭って
暗い部屋に招き入れた

「今夜はあなたの姿を見なかった」
月が言った

月は見ていたのだ
毎晩公園で踊るわたしを

わたしは俯いて言った
「オーディションに落ちたのです」

月は優しく微笑んだ
「今日は落ちたんだね？　次は分からない」

翌月
もっと大きな舞台で
わたしは踊っていた

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