第2回日本地域医療学会に参加してきました②
前回の記事はこちら↓
①では自分のポスター発表を中心に書きましたが、今回は今まで書いていなかった高校生の医療体験学習について書こうかなと思っています。
学会では高校生たちがその時の体験について発表をしてくれました。
まずは、簡単に経緯を話していこうと思います。
今年の夏のこと
7月〜8月にかけて、三重・島根・富山で
高校生たちが地域医療体験を行いました。
主催はNPO法人Touch The Future
高校生たちが1週間病院で体験学習を行うというものです。
私はメンターとして
・志摩市民病院(三重県志摩市)の1クールと2クール目前半
・南砺市民病院(富山県南砺市)
の医療体験に同行させていただきました。
メンターになったわけ
私がメンターになった理由は今から1年半前に遡ります。
大学3年生の私は年始に学生団体REEDを立ち上げ、ある大学生と出会いました。三重の医学生で、中学生の頃に志摩市民病院という地域病院で体験学習をしたことを通して医師を志した、という子でした。
10代の教育に興味があり、進路選択の前に現場を見ていろんな職種があることを知る機会があればいいのに…と思っていた私は「これだ」と感じ、まずは自分が行ってみることにしました。
1週間病院で過ごす中で、私の中でずっとこびりついて離れなかった固定観念が変わりました。
医療者でもなければ医学生でもない、なんでもない私が、「患者さんを少しだったとしても幸せにできるんだ」、「その人らしく生きるお手伝いができるんだ」と分かったのです。
(今回学会に来られていた方は🍛バーモントカレー甘口🍛というと分かるかもしれませんね🤣)←この話、今度改めてちゃんと整理して載せようと思います。
それで、
高校生の頃にここに来られていたら私の人生もっと違ったな。
と感じたのです。
別にそれまでの人生を後悔してるわけではないけど、ずっと自分を苦しめてきた何かがスッと抜けていく感覚があって、やっと光が見えた感覚がありました。
自分の道を切り開いていける10代
当時、キャリア教育のNPOに関わっていた私は、"10代たちが自分の力で自分の道を切り開いていけるように何かしたい"と思っていました。
そして、やっぱりこれだなと感じました。
中高生を病院に連れていきたい。
医療に関わりたいと思っている子も、そうでない子も
やっぱり医者になりたかったと思うならそれでもいいし、医者じゃないと気づいたならそれもいい。そういう経験がきっと必要だと思いました。
そこで、志摩市民病院の院長にこの事を伝えました。
すると、実際に同じようなことをしようとしている人がいるから1回話してみたら、とその場で電話をしてくださいました。
それから少しして、そのNPOの代表と直接お会いするようになりました。
医学生がメンターをするということ
NPOの代表とお話をする中で、一番私が強調して話したことは、"医学生の存在が必要だと思う"ということだったと記憶しています。
私が自分の体験学習であれほどのものを得られたのは、同じタイミングで実習に来ていた医学生の方がカルテを一緒に見てくれたり、担当患者さんのことを一緒に考えてくれたりしたからです。
(今回の学会で久しぶりにお会いできてとても嬉しかったです✨)
病院の先生達はお忙しい中でたくさんのことを教えてくれます。
それでも初対面であればちょっと緊張もするし、病院の状況によってはバタバタしている時もある。
そういう時には医学生に質問をしました。
なんでも答えてくれたし、分からなくても一緒に調べてくれました。
医学的な知識を教えてくれたことも非常にありがたかったですが、それ以上に自分の思いやその時考えていることを聞いてくれて受け止めてくれる存在がいてくれたことが、大学3年生の私にとって、とても大きかったのです。
ましてや高校生はどうでしょうか。
まだ医学の勉強もしていないし、分からないことだらけ。
新しい、見たこともない光景に好奇心が刺激されるような出来事もあるだろうし、思いもよらずびっくりしたりショックを受けたりする出来事もあると思います。
そういう時に医学の知識をある程度持って、高校生達の感覚を受け止めてあげることができる、ちょっと年上のお兄さん・お姉さんがいることは、1週間親元を離れて慣れない環境で過ごす中で安心材料の一つになるのではないでしょうか。
NPOの代表はこの話を受け止めてくださり、実際に医学生のメンターが同行できるようにしてくださいました。
メンターとして同行してみて
とても、楽しかったです。
私自身たくさんのことを経験させていただきました。
初めてドクターカーに乗ったし、外科手術も初めて見学しました。
何より、目を輝かせながらいろんなことを吸収し、たくさん悩んで考えて、私たちもびっくりするようなことをしてのける高校生達
本当に多くのことを学びました。
メンターという立場ではありましたが、高校生達と一緒に学ぼう!という意識で参加しました。正直医学生と違って実習の経験は浅いし(検査ももっと現場の実習あったらいいのになあ。。)
なので、私にできることは高校生たちの話を聞くこと。
医療体験において、最も重要なことは体験をすることでも、将来の目標を明確にすることでもなく、体験した上で自分が感じたことや考えたことを言葉にすること。
何を感じて、どう思って、考えたのか。
いわゆる"成果"がなくても、高校生たちが自分の思いを言語化できればそれで成功だと思っていました。手術の内容がさっぱり理解できなくても、担当患者さんに何かできなくても、それが一番重要かなあと。
様子を見つつ、何か相談しやすいポジションでいられるように努めて、高校生たちの思いに耳を傾けるようにしていました。
どの子も、学ぶ力や吸収力はずば抜けているし理解力もとても高いです。
私たちが何か学ばせてあげようとか得させてあげようとしなくても、言い方ちょっと悪いけど勝手に学んで勝手に得ます笑
だから、その機会を提供することと、学んだことをその子の言葉でアウトプットできるように手伝ってあげさえすればいいんだろうな、と改めて実感しました。
学会での発表
今回は参加した16人のうち12人が志摩に集まるという素晴らしい参加率👏
「昨日までテストだった」という子がほとんどで、それでもしっかりプレゼンを作成してくるそのタフさに驚かされました。(体験期間中も高校生たちのパワフルさに自分の年齢を感じました、、笑)
前日もBBQの準備をしながら資料を作り直したり、BBQの後も夜遅くまでプレゼンの準備をしている子もいて。。すごいわほんと
当日、みんな最初は緊張した感じでしたが、その時間が始まると堂々と発表していて、会場には涙を流しながら聞いてくださっていた方もいらっしゃったそうです。私もすごく感動しました。
やっぱり10代のパワーは凄まじいですね
そしてプレゼンもほんと上手。
いろんな方が今回の活動に興味を持ってくださってとても嬉しい気持ちになりました。
南砺の先生も、「自分たちのありのまま、を見て高校生たちは色んなものを学ぶ」(←すごく私なりに解釈しちゃってるのでおっしゃってた通りではないです、、)とおっしゃっていましたが本当にそうで、特別見せようとしなくても"いつも通り"が高校生にとっては"ものすごい"のです
最後に
今回、体験学習を受け入れてくださった病院のスタッフの皆さん、同行してくださった先生方、NPOの皆さん、ありがとうございました。
高校生以上に自分が色んなことを得て、とても有意義な時間でした。
このNPOを通して、ももちろん
色んな形で10代たちにさまざまな機会が提供されることを願っています。私もそこに何らかの形で関わり続けられたらいいなと思っています。
(来年1年時間があるのでどこでも呼んでください笑)
私自身もつい先日大学の卒論審査会を無事終えて、ちょっと肩の荷が降りました(まだ卒論と卒試というラスボスが残っているのは一旦忘れよう、、)
来年になるまでに今年の締めくくりnote書き終われますように!
最後まで読んでくださってありがとうございました!!