他のどのジャンルでも味わえない体験がココにある|ミュージカル『刀剣乱舞』祝玖寿 乱舞音曲祭レポ
『刀剣乱舞』という巨大コンテンツのことは、名前だけはよく知っていた。
ミュージカルをやっていることも知っていたし、何年か前に紅白歌合戦に出場した時には「おぉ…これが噂の…」という気持ちで見た。
しかしながら、これまで触れてはこなかった。
ミュージカルや舞台は原作に触れた上で見るものだと、私の面倒くさいオタク心が言うから。
そして、刀剣乱舞のゲームシステム的に、自分には不向きだなぁと感じていたから。
そんな私は今日、ミュージカル『刀剣乱舞』祝玖寿 乱舞音曲祭のライブビューイング会場にいた。
急展開である。
と言うのも、刀剣乱舞ファンの友人が「一緒に観に行く予定だった子が来れなくなっちゃったんだけど来れたりしない?」と連絡してきたからだ。
キャラクターの名前もろくに知らないし、18時半開演の22時ごろ終演と聞いてその長さにちょっとビビったけど、こういう時はとにかく行ってみた方が良いと、約30年の人生で学んできた私。
「とりあえず行くから集合時間決まったら教えて」と返事をした。
友人に予備知識として楽曲の情報などを送ってもらってたので、予習をしてみる。
いや、この人たち英語の歌詞歌うんか。
というのが初見の感想。日本刀の擬人化だよな……彼ら……。
何となくこういうのって、日本語にこだわったりするのかなと思っていたので、まずそこに驚く。
でもちょっと前にX(旧Twitter)で「二次創作をする上で言葉遣いとかこっちはすごく気を遣っているのに、奴らはすぐカタカナを使う」というようなことを言っている人がいたのを思い出し、納得した。
どうやら彼らは現世に合わせて柔軟に対応してくれるらしい。すごい。
そんなこんなで予習もそこそこに今日を迎えたわけなのだけど、体験全てが新鮮でめちゃくちゃ面白かった。
この公演は2部構成になっていて、1部は刀剣男士(刀剣乱舞のキャラクターの呼称)たちがスーツ(にアレンジを加えた衣装)姿で歌って踊るライブステージ。
スーツで歌って踊るって、オタクみんな好きじゃない???!(主語がでかい)
イケメンがスーツ着てるだけでも眼福なのに、それがめっちゃカッコよく踊ってたら元の8割増くらいでカッコいいじゃないですか。元だってすでに良かろうに…!
ライブビューイングだったので、ことあるごとに色んな刀剣男士がアップで画面に映るんだけど、映画館の大画面に耐えうるあの顔面一体なんなん…強い……。
ていうか俳優さんのことは全然知らなかったのだけど、見てすぐ「あ、あのキャラ見たことある」ってなるの普通に凄いよな…再現度…。これぞ2.5次元。
こういうの見てると、アイドルにハマる子たちの気持ち分かるなぁ〜ってなる。
そのくらい、みんなアイドルみたいだった。もうアイドルだった。え、刀剣男士ってアイドルだったん…???(混乱)
バチバチにカッコよく踊ってたと思ったら、突然寸劇が始まって、寸劇が終わったと思ったら唐突にバラードが始まり、情緒がおかしくなりそうだった。
あの流れでバラードを堂々と歌い始めるへし切長谷部(このキャラは知ってた)の心臓には毛が生えていそうだなって思ったし、歌唱力が鬼でシンプルに感動した。
しっとりした曲を何曲か聴かせていただいた後、突然マツケンサンバが始まった気がするのだけど、私の幻覚だったかな……。
やたら顔の良い男たちがキラキラの棒持ってサンバ踊ってた気がするのだが。
この後またカッコいい曲が始まった記憶があるので、サンバはやはり幻覚だったのかもしれない。
休憩を挟んでから行われた2部は、ミュージカルの劇中歌のメドレー?で、1部と打って変わって終始厳かな雰囲気。
あ、私が知ってるアニメ関係のミュージカルってこういう感じ…!が、この2部のステージだった。
衣装がよく見るゲームの衣装まんまだったから、というのもあるかもしれないが、1部の時よりも「あ、このキャラ知ってる」度合いが高かった気がする。
踊ったり殺陣のターンもあったけど、動かずにしっかり歌を聴かせる場面も多かったので、2部ではキャストの皆様のご尊顔をじっくり拝むことができた。ありがたや。イケメンはなんぼあっても良いですからね。
最後、「刀剣乱舞 強く強く〜♪」という歌が聞こえた時は有名なやつ!!!!!と、ちょっと感動した。
最後の最後で東京ドーム公演が発表され、会場はえらく沸いていた。そりゃ沸くわな。東京ドームだもの。アイドルだな本当に。
キャスト多くて全然ついていけないんじゃないかと思ったけど、意外に大丈夫だった。完璧と言えるほどの自信はないけれど、今日出てた刀剣男士は結構覚えられたと思う。
色々ちゃんと知ってた方がもちろん楽しいのだろうけど、ミリ知らでもちゃんと楽しかった。
ありがとう、友人。ありがとう、刀剣男士。
一つ言い忘れた。
今回は大千穐楽だったので全員から一言ずつ挨拶があったのだけれど、その時に長曽祢虎徹(今日覚えました)が「心残りがあるとすれば蜂須賀がサンバ踊るところが見られなかったこと」と言っていて、「あ、サンバ幻覚じゃなかったんだ…」ってなりました。