「奈」の呪縛から解かれたい
「奈」という字が苦手である。
どうも私はこの字のバランスをとるのが下手なのである。
日常生活で使う単語の中に「奈」はあまり出てこないかもしれないが、女性の名前で頻出する字、それが「奈」である。
「な」が持つ柔らかい音の響きから、「な」がつく名前は人気が高いらしい。
「なお」とか、「はるな」とか、ほわんとした響きは確かに可愛らしい感じがする。
そしてその人気のある「な」の中でも、「奈」は「菜」の次に人気のある漢字なんだとか。
そりゃあ周りにいっぱいいてもおかしくないな。まぁ人の名前にあるだけなら、苦労するのは宛名書きの時くらいだからまぁ我慢できる。
以前に書いた「箋」や「之」と比べると幾分マシに書けているように思える「奈」。
なぜ私がこの字に悩まされているのかというと、神奈川県出身だからである。
そう。
年賀状を出す機会が減ろうが何だろうが、出身地からは逃れられない。私は「神奈川」という文字列にず~~~っと悩まされてきた。
新卒採用の時の就職活動は地獄だった。あらゆる企業に提出する履歴書に数え切れないほどの「神奈川県」を書いた。なんなら県立高校出身なので「神奈川県立」もアホほど書いた。
自分の名前に「奈」が入っている人は流石に上手に書けているのだろうけれど(少なくとも私の友達はキレイだった)、神奈川県民もしくは奈良県民の人、同じ悩みを持っている人いないかなぁ……
では本題。どうにかして「奈」を上手に書きたい。
ここで、ふと気付く。
私、「捺」という時は下手さが気にならないレベルの字が書けている気がする。
もしかして私……
左払いが苦手……!?
だって「箋」の字を書いた時も、左払いを平たく書くのに苦戦してたもんな!
間違いない、これだ。
そうと分かれば練習あるのみ。左払いを平たく書ければこっちのもんだ。
良い気もするけど、……コレジャナイ感……。
良い気もするけど、正しくはなさそう……。
仕方ない。大人しく調べてみるか。
ほう……?
「示」を小さく書いた方が良さそうなのは分かってたけど、二画目って結構飛び出させる方が良いのか。それは新発見。
なるほど…「大」は大きい方がいいけど大きすぎると上手くなくて、「示」は小さい方がいいけど、小さすぎるとイマイチなのか……。
ていうか、「奈」って思ったより縦長の字なんだなぁ〜。へぇ〜……。
デジタル字に見慣れすぎて、元の字をちゃんと理解できていないところはあるかもしれない。
でも私、中間地点で書いたやつが自分的には一番しっくりきたかも。
まぁでも、カタカナの「ナ」って、奈から来てるらしいので、やっぱり「大」はしっかりめに書くのが正解なんだろうなぁ。
地元の字くらい、綺麗に書きたいなって思って練習してみたけど、「奈」は掴みどころがなかったなぁ。もうちょっと仲良くなれると思ったんだけど。
字を書くって奥深ぇ〜。
さて、この書くシリーズ(不定期)もマニアックなファンがじわじわと増えきました。
次回はリクエストがあった「飛」を書きたいと思っています。