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英語で「お疲れさま」が言えない問題

イギリスのレストランで皿洗いの仕事を始めて、早1か月。

相変わらず英語でのコミュニケーションが苦手で、相手が何を言っているのかわからないことが多く、2~3回聞き返してようやく「ああ!」ってなることがほとんど。
自分でしゃべる時も、まだまだ流暢には話せていない状態です。

そんな私ではありますが、職場にはだいぶ馴染めてきた気がします。

最初はあまり愛想を見せてくれなかったウェイターの中国人の女の子は、就職してから2週間くらいたってようやく私に笑顔を見せてくれるようになり、最近では普通に雑談を交わす仲になっています。

初対面からテンションが高く、フレンドリーなイギリス人の女の子たちと比べると、徐々に打ち解けていく感じが「なんか東アジアっぽいな。」と思いました。

やはり”文化圏”による”性格の違い”というのは一定程度はあるのかもしれません。ステレオタイプなのかもしれませんが。


最近特に嬉しく感じることは、ウェイターの皆さんが、忙しさのピークが過ぎた頃、ホールからお客さんが食事を済ませたお皿を回収して持ってくる際に、

「ふぅ」

とか

「疲れた~」

と、私のところで一息つくようになったことです。

「皿洗い=歯車」としてではなく、ちゃんとそこに「私」がいると認識してくれている証拠ですし、なんだか私が、ウェイターの皆さんの憩いの場・ひとときを提供できているような気がして、小さな喜びを覚えます。

自意識過剰かもしれませんが…笑

私は本当はそこで、

「お疲れさま!」

と一声かけてあげたいところなのですが、いつも、

「英語で『お疲れさま』ってどうやって表現するのだろう???」

と悩んだ挙句、「フフッ」と笑顔を返してあげるので精一杯です。

(でも意外と笑顔だけでも受けが良かったりするので、笑顔ってやっぱり大事。)


「お疲れさま」の英訳については、いつもネットでどう表現するのか調べるのですが、直訳できない日本語のため、しっくりくる表現が見つかりません。

「Good job!」や「Well done!」だと、
「よくやった!」とか「でかした!」というような、ちょっと大げさな表現になるような気がするし、

「Thanks」とか「Appreciate」とかだと、私は感謝する立場か?ってなるし、

すでに「疲れた」と言っている人に
「You must be tired, aren't you?」(疲れたでしょう?)と言うのもおかしいし…

シンプルに「Are you Okay?」(大丈夫?)あたり?

それとも「I feel you」(わかるよ)かな?

なんて、頭を捻らせています。


ちなみに、類義語から攻めようと思って和英辞典で「ねぎらう」「いたわる」と調べてみると、「sympathise」(同情する)とか「appreciate」(感謝する)という単語が出てきます。

一方、日本語の国語辞典で「ねぎらう」「いたわる」を調べてみると、

労苦や骨折りを慰め、感謝する。

明鏡国語辞典より

つまり、慰めと感謝が合体したものが「ねぎらう」「いたわる」ということなんですね。

ただ、普段使いの「お疲れさま」は、そこまで重くないというか、もう少し砕けたニュアンスというか…。

考えたり、調べたりするほど沼にはまっていく…。


そもそもシンプルに直訳ができないということは、英語圏には相手を「ねぎらう」「いたわる」という文化がそもそも存在しないということを意味します。

すなわち、「ねぎらう」「いたわる」は日本特有の文化であるということです。

正直びっくりです。

私にとって「お疲れさま」は、かなり使いやすい言葉で、日本で社会人をやっていた時には使わない日はなかったくらい当たり前の言葉なのに、海外ではそもそも「苦労をねぎらう・いたわる」文化すら存在しないのだなんて…。

海外に存在しない文化を有している日本を改めて誇らしく思いますし、相手を思う日本の文化ってやっぱり「いいな」って感じます。

毎度思いますが、日本を飛び出してみてはじめて発見する「日本」って意外と多いものですね。


それにしても、異なる文化に属する言葉を結び合わせる「翻訳」ってやはり難しいなと思いますし、言語を学べば学ぶほど「AIに翻訳ができるようになる」説を疑問に思うようになります。

やはり、人間じゃないとできないことっていっぱいある気がしますし、そう信じたいです。


ちなみに、みなさんなら「お疲れさま」をどのように英訳しますか?

教えてくださる方がいらっしゃれば嬉しいです!



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