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転職25回 〜9回 Vol.1〜

前回までのあらすじ

・新卒でブラック企業に就職したものの、約2ヶ月で退職。
・IT企業に就職するも、借金返済が追い付かずに退職。
・ソープランドに転職。過酷&ハイリスクなので退職。
・ボッタクリヘルス店。天才的詐欺師の才能を発揮するが1日で退職。
・イメクラ勤務。風俗嬢Tちゃんとの同棲を解消しボロアパート暮らし。退職。
・探偵に憧れて、なぜか警備員。飽きて退職。
・高給に釣られてケーブルテレビの飛び込み営業。心が折れて退職。
・再びIT業界。カチャカチャしている内に心の傷が癒えて再び探偵を目指し退職。
・バイク便。ロシア大使館の車両とクラッシュで恐ロシア。退職。

さて、「前回までのあらすじ」が長くなって参りましたが、まだ半分にも到達しておりません。

バイク便を退職し、次はインドアの仕事を探し始めました。
インドアにした理由はただ1つ。だって、冬だもん。
インドアかつ興味深そうな仕事を、派遣会社経由で探します。

すると、ありました。
コールセンターです。これは確実にインドア。キングオブインドアな仕事と言っても過言ではないでしょう。
さらにいえば、この当時は珍しかった「ブロードバンド回線のトラブル対応サポート」でした。今でこそインターネット回線の常時接続は当たり前ですが、この頃はちょうど常時接続幕開けの時代だったのです。
ちなみに、この頃は光回線など珍しくて、ADSLが主力でした。
さて、派遣された先をY社と言っておきましょう。なんかバレバレのような気がしますが、まぁ仕方ありません。なんかもう、Y!社でも構いません。

Y!社はADSL回線による常時接続の時代を切り開きましたが、初期の頃はお金がまったく無かったのでしょう。なんと初期の頃は、「サポートはメールのみ」という画期的なサポート体制をとっていました。インターネットが開通できなくて困っている時に、メールでサポートを依頼しなければいけない…。メールをするためにはインターネット回線が必要…というインターネット地獄です。
おっと、もちろん当時はテザリングなんてございません。ガラケーからキャリアメールという手段があったとは思いますが…あんまり覚えていません。
とにかくそんな感じで、Y!社のユーザーからは「開通できないぞ!」というご不満が爆発状態だったのです。
そんな中、ようやくコールセンターが開設されます。そして、ここで働くことになったのです。

職場へ行きますと、20代の若者たちであふれかえっていました。まさにIT企業。当方も20代でしたけどね。

仕事内容は簡単ではありますが…非常にメンタルをヤラれるものでした。

まず、「インターネットに接続できないんだけど」というお問い合わせに対して折り返しのお電話をします。これが恐ろしくて、なんとお問い合わせから1年以上経過した案件ばっかりなのです。1年以上ほったらかしにされておいて、今更「インターネットに接続できないとお問い合わせ頂いたのですが?モデムの電源は入っていますか?」なんて聞けません。しかし、聞かなければ仕事になりません。
電話をするとほとんどの方は「ええっ?今さら?」みたいな反応で、それでも一応は対応をしてくれます。ほとんどの方がモデムの交換で問題解決しました。つまり、Y!社の初期のADSLの不良率がハンパじゃなかったのですな。
困ってしまうのは怒り出す方々。私が担当した方の中には有名ジャーナリストの方もいて、「記事にするぞコノヤロー」などと恫喝されたりもしました。ほったらかしにされてお怒りになる気持ちは分からなくは無いですが、我々下々の者にストレス発散をされても困るのです。

まぁ、そのような日々の中である事を思いつきました。
髪の毛を、極端な金髪にしてみたのです。
理由は特にありません。まぁ、何となくやってみたかったのでしょう。
それにしても、20歳のときに「髪の毛が薄いのでは?」というコンプレックスのせいでヘアーをケアーするサロンで大借金を背負ったというのに、ヘアーと頭皮をズダズダにしようとはずいぶんな変わり様です。

とにかく金髪になりました。まるでIT企業の社員です。
この頃もまだ例の借金まみれではありましたが、週に2〜3日は同僚と飲みに行きました。そうです、我らは20代の若き派遣社員。宵越しの金は持たぬ江戸っ子の精神なのです。

そんな感じでコール&コールの日々。モデム交換を手配する日々。
約半年ほど経過した頃、いよいよ毎度おなじみの病気が発症します。
そうです、仕事に飽きました。
それに、ちょっと興味のある仕事を見つけてしまいました。

サポートセンター内において、非常に評判の悪い企業がありました。
さすがに企業名は書けませんが、コードネームで「パラソル部隊」と呼んでおきましょう。
なぜパラソルかというと、駅前や家電量販店などでパラソルをおっ立てて、その下でY!社のモデムを無料で配布していたからです。彼らがシッチャカメッチャカな営業トークでY!社モデムを配布しまくっており、そのせいでインターネットに接続できなかったお客さんが怒っている…という、なんだか良くわからない理由でパラソル部隊はサポートセンターから嫌われていたのです。
自分も当初はそう思っていたのですが、ある時「本当にそうなのかな?」と思いました。
なぜそんな事を考えたのか分かりません。本当に分かりません。
しかし、その悪名高い「パラソル部隊」で働いてみようと考えました。
何となくですが、物事の両面から見てみよう…なんて思ったのかもしれません。いや、本当は分かりません。そう書いておけばカッコイイかなと思って書いただけです。

とにかく初コールセンターとなったADSLサポートセンターの仕事は終了しました。
この後、さらに2回ほどコールセンター人生を送ることになりますが、それはまた後日。

そしていよいよパラソル部隊に配属…と言いたい所ですが、その前にトンチキな転職をします。

次回、ホストになります。

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