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one day photo_38_柴田敏雄、畠山直哉、山内悠さんの読書感想
3月から少しづつ時間に余裕ができてきたので、人間的な尊厳を取り返すために「そんなに働かない」を心に決めて仕事している。ここ数年の働きっぷりを会社の人も見ていてくれたのか、ちょっと穏やかな仕事でしばらくインプットに精を出してねと言われているような感じもするので、傷を癒そうかなぁ~という中で、ゲームやらないで外をふらついたり登山をしている。
仕事の休憩時間で1日30ページくらいづつ写真集を読もうぜ!とか、現像は1日30枚、ブログは1章とか細切れにしたタスクを習慣の力を利用して楽しんでいる。力を入れるとすぐに疲れてしまうのは歳だけじゃなくて、仕事お辛かったり、日々の子育ての影響がある気がする……。
でも習慣の力はすごい、細分化して少しづつ慣れさせていく、そして継続し続けるとなんか知らんが本を読み終わったり、毎週ブログ記事をあげれたりする。ていうかそりゃそうだよね、仕事はそういう力で回るんだし。
僕は読んだ本をすぐに忘れるというか、図書館で借りてきて読むことが多いため読んだ本のタイトルを忘れてしまうため、スプレッドシートに本のタイトルと3行くらいの感想を書き留めている。これを見ると大体読んだ内容で特に面白かったところをなんとなく画像で思い出せるということがあって、ブログも不思議なもので5年くらい前でも写真を見るとなんか当時何があったか割と克明に思い出せることがある。
しかし、ここ数か月それをさぼっていて、この日記を書く前に一気に思い出してスプレッドシートを埋める中で写真集を見直して「やっぱいいよなぁ~、きれいだなぁ」という感傷に浸っていた。
が、その中で今回は下記の3つの本のコメントを書く中で写真っておもしろいなぁーと思うことがあったのでそれを読書感想として書きたいと思う。
序文長いね。
・柴田敏雄 SHIBATA TOSHIO JAPAN
・畠山直哉 津波の木
・山内悠 自然
この3冊の感想を書いていて、柴田敏雄はコンセプトベースかつ抽象画ベースで風景が構成化される様が素晴らしく、そもそもスタイルがカッコいい。
画面を構成する被写体が日本の国土開発、自然を変えていく人間の所業、生活を便利にするために山を削ったりするような行為だったりと、ニュートポグラフィックス的な、どちらかというと批判的な文脈にとらえられるもので、スタイルと被写体が美しい×美しいじゃなくて、美しくないようなものを昇華しているところに魅力を感じていた。
ただ写真からは熱量や主観めいたものは嗅ぎ取れなくて、フラットなところに忠実な使用人らしいカメラらしさを感じるし。撮る人とカメラと被写体の関係性の距離感、傍観者というか、別の星からきた観測者めいた接し方を感じる。
畠山直哉の撮影する津波の木は消えていく震災の痕跡や、震災の残り香を今ある景色から掘り起こすような写真群が続く。今ある景色の中に残された痕跡には様々なことを想像させる。ここまで水が来た、かつて人がいたであろう場所に奔放に育つ草木、枯れた杉林、立っている大地の不自然さ(山を削った土で作っている?)
以前感想を書いたA RED HATも戦中を生きたご老人の今をインタビューし当時の事件を掘り起こして鑑賞者にイメージを想起させてくれていたが、薄れゆく震災を当時の壊れた家屋が並ぶあのイメージではなく、修復しつつある今の景色を通して想像させてくれる。
といったコンセプト的なものを感じるが、やっぱり表層的なイメージを通しては撮影者とカメラと被写体の距離感のフラットさを感じる。
で、最後に山内悠の自然の感想だが、山内悠さん自体には田端の展示「残像 photogene」やTOBICHIの「自然」で結構長いことお話をさせていただき、なんか撮影する人のイメージが僕の中にできていた。
スピった話をしてくれる山内さんだが、写真を見て改めてそれを感じる。
自然には山内さんが夜の屋久島を歩く中で自分の感情がダイレクトに風景の見方につながること、恐怖を抱いた時には木々が妖怪のように見えるといった話がある。本の中でも黒塗りのページの中に百鬼夜行のような木々が浮かぶ(展示だとめちゃくちゃわかりやすい)
そして、振り返る巨人のような大木の幹を通して僕が感じたのは被写体との距離感や神秘性。身体的な行為とイメージが結び付いている、主観の先に行っちゃってる感がある。
自分の心の持ちようで夜見る木々が 百鬼夜行の妖怪のようにも見え、それがイメージとしても結像する、認識/主観と像/客観が造形として結びついている。 その結果、鑑賞者も山内さんの写真を通して自然の声を聴いているような感覚を得ることが出来るとてもシャーマニックな作品として僕は受け止めている。 前述2名のような冷静に表層を引きはがし、対象との距離感を感じさせるものとは正反対に思えた。
これはひとえに山内さんの人格、物事に飛び込んでいく深さがもたらすものなのかなぁと……。
3つとも写真なんだけど、その内容というか対象との距離感や表現の振れ幅の広さに改めて面白さを感じた。
興味の対象に対してどういう距離感で接したいか、それが表現にダイレクトに出てくるし、自分は興味の対象と、それに向き合う自分がどうあってほしいかを考えると自然とスタイルは決まるんでしょうねと。
そう思うと自分は線を引いているような気がするわぁ~。
写真Vol.3の大竹昭子さんのコラムで佐内さんのインタビューがあり、狂気めいたものや、縋るようなものの話が出ているが、その形の一つを自然から接種できた気がしました。いやー、いい本ですお勧め!
この本からじゃないと接種できない栄養素があると思います。
以下、ここまでの日々の写真
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久々にめっちゃ散歩したらしい、365日撮影していた以来の散歩率の高さだと思う。あと前回X100VIの予約の話をしましたが無事落選。でもそのあと改めて文頭の話にも紐づくが、自分はどういう感覚でモノを見ているのかを考えて50㎜と40㎜を持ち歩いて撮影していた。結果、40㎜を選んだとさ。
距離感のとりかたや、対象と背景の距離感の出方とかいろいろ、自分的には落ち着くのが40㎜だった。
焦点距離年齢説的にはあと数年したら50㎜とか言い出すのだろうか?
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