☆詩-3 道
初めはただ、そこに行きたいと思う程の夢だった。
大人になって、小さい頃になりたい大人たちと同じ道に立ち、一歩一歩と進み始めた。
初めは新鮮で楽しかった。
初めは不安だけど嬉しかった。
真面目に実直に、学び、励み、成長していった。
それなのに、真っすぐ明るい道を進んでいたつもりが、次第に歪んでいくのを感じた。急激にでないく、じわじわと……。
いつからだろう……、目に映る日常の風景に対して“普通”だと思ったのか。
いつからだろう……、変化する事が疎ましく、極力避けるようになったのは。
いつからだろう……、真っすぐ熱意をもって進む人達を、鼻で嗤い嘲る事が定着してしまったのは。
誰もが望んでいなかったのに、自分を苦しめ、暗くさせ、痛め、壊す。そんな道に足を踏み入れてしまうんだろう。
周囲に毒づきながら、それでいて誰もが必死になってそんな道から外れようと、密かに、それでいて必死に足掻いて。泥濘(ぬかるみ)のように歩を進めるのが億劫な道を多くの人が進み続けている。
迷いながら、
混乱しながら、
困惑しながら、
泣きながら、
叫びながら、
苦しみを抱えながら。
誰かが言っている、そこら中にあるチャンスを掴め、と。
誰かが言っている、変化を起こさないと現状は変わらない、と。
誰かが言っている、所詮苦労するなら、自分の心が活きる苦労を選べ、と。
誰かが言ったんだ。恐れるな、と。
正論を言い訳にして鬱屈した生き方を辞めよう。
頑張ればいつか報われると思い、同じ日々を過ごす生き方を辞めよう。
変化をどうしていくかを考えよう。
一つ一つ、小さくてもいい、何かを変えていこう。
新しい何かを起こしていこう。
何かが変われば、変化する日々を一日一日続けていけば【兆(きざ)し】が見える。
こんな事が馬鹿げたことと罵っていた自分を変えよう。
得た知識と経験で誰かと比較する自分を無くそう。
前向きに、明るい未来を思い描こう。
描いた未来に向かう努力をしよう。
道を変えるのに早いも遅いもない。
良くしていこうと思えたなら、進めばいい。そこに誰の制限も縛りもないんだから。
いつか、明るい道を歩けた時、その生き方を良かったと思える筈だから。
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