大学入試 その4
引き続き、教育再生実行会議の議事録を閲覧中だが、その中で、あぁと思うようなことが書いてあった。
日本の賢い人は、何故か医学部を目指す。筆者が学生だった時もある一定数は、勉強ができるからと言う理由で医学部を受験していた。そのあとは、白い巨塔を目指すのかどうなのか?本当のところ、その人たちが、医者になって何をしようとしているのか?その人たちは頭がいいので、理由は後付けで何とでも発言されるような気はするが、本当に心から医者になりたくてそれらを目指しているとは到底思えない部分がある。日本では、一部の例外を除き、理系の高校生は学力順で上が全部医学部に行き、残った学生が東大理1やその他難関理工系大学に進学するといっても過言ではないように思う。しかもそれは、ここ数年の話ではなく、昔からそれこそ筆者の親世代からそういう傾向にあると思う。
偏差値の高い学校、学部を目指すことで自己顕示欲を満たしているなどとまことしやかな説もあるが、筆者は単に、医者は金持ちと言うことが一番の理由ではないかと思っている。卒業後10年くらいした30代前半で、工学部を卒業してメーカーに就職して頑張っても800万くらい、一方で医者であれば、勤務医で1500万くらいか?
エンジニアの給与と医者の給与に大きな開きが無かったら、もっとエンジニアを目指す優秀な学生は増えると思う。
しかし冷静に考えて、メーカーで働いてもらう給料は自分で稼いだ給料だが、医者の給与は税金で賄われているということは知っておくべきだろう。
子供の時に運動神経がよくても野球を選んだばかりに大成しなかったけど、ほんとはサッカーをしていれば、トップ選手になれたかもということと同様、もしかしたら医者になるより、エンジニアになって、すごい発見をするかもしれないような才能を、そういった理由だけで、失っているような気がしてならない。
数学や、物理が得意な学生が、医者になる必要が本当にあるのか?特に物理が得意な学生は、エンジニアを目指すべきだと思う。
ただこれは、社会構造含めて、天才と言われる人が受け取る給与などすべてのものが低すぎるのが原因だと思う。日本人はあきらかにケチである。でもそれは、そうならざるを得ない経済構造だからだと思う。最近になって正業以外で収入を得ても問題のない世の中に変わりつつあるから、そういう才能を生かして、皆がいろいろなことにチャレンジするような社会構造に変わって欲しいと思う。
工学部で勉強して研究しても、その得意分野で就職できることは今の日本ではかなり限られている。このあたりは企業側が考えないと、工学部に入ることだけが目的になって、あとは卒業するまで適当になっても仕方ないと思う。議事録内では、大学は入るのが難しくて出るまで勉強しない学生が多いと指摘があったが、それはそれを極めても誰も認めない社会構造の問題だと思う。大学でその道を究めれば、それでその後企業でも継続してそれで給料がもらえるとなると、もっともっと勉強するようになると思う。
有識者会議の議事録を見ても、大学の問題とか高校の問題とかの議論が多く、もちろんそういう面がないとは言わないが、社会構造が一番の問題であろう。結局日本では夢を見ることが難しいのが一番の原因で、それを教育の問題にすり替えても、受験生本人と、保護者、教育者を苦しめるだけのことではないかと筆者は考えている。
日本初のビジネスが確立される日が来ることを願いながら記事にしてみた。
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